クウ「あのよー…正直俺としては星華と対決したいんだが?」
ムーン「我慢しろ…次に成功する確率、ていうか安全に出来るのお前だけだもんなー…戦闘用人格ってなんだっけ?」
ツバサ「少なくとも、星華さんのカウンター潰しておかないと最後にまた範囲攻撃来るもんね…」
ムーン「こんな事なら《フルパワーアタック》しておけば良かったぜ…正直俺が助けたい所だが、二番目の〈RC〉判定は自信がない。と言うか、命のやり取りの選択なんて俺はやりたくない…!! だからお前に任せる蒼空、失敗すんじゃねーぞ?」
クウ「ああ…俺の番。マイナーで硬直を解除する。メジャーで《コンセントレイト3:ブラム=ストーカー》《鮮血の一撃3》《始祖の決闘4》《生命吸収2》で羽粋に〈白兵〉対決を申し込む! ダイス30、達成値5、C値7だ!」
GM「では羽粋は先程のコンボ攻撃で対抗だ! ダイスは14、達成値4、C値7!」
《対決判定》
蒼空30D+5(C値7)→68
羽粋14D+4(C値7)→40
クウ「よし、勝った! 浸蝕率156%、《生命吸収》の効果でHP20まで回復だ!」
SM「何でこんな時に限ってこいつの出目は爆発するんじゃ!?」
グラッセ&ムーン「「それがこいつのダイス運だから」」
SM「ええい、次の〈RC〉判定だ! 難易度は12じゃ!」
クウ「やってやる…!」
ツバサ「《支援射撃》は…」
クウ「月に取っておいてくれ! 何とかしてみせる!」
〈RC〉判定
11D→11 失敗
クウ「…っ…!」
SM「ふ、これで貴様は妾の従者に決定じゃな。ああ、Eロイスの効果も蒼空に変えて――」
クウ「――黒須左京のロイスをタイタス昇華! 達成値+1D追加だ!」
SM「はぁ!?」
クウ「達成値…3。ま、ここで1を出しても成功だけどな」
ツバサ「何でこんな時に限って、出目が低いんだろうねぇ…」
彼女の中にあるゼノの血を吸い取る為に、蒼空は格闘戦を挑む。すると、羽粋の胸にあるペンダントがより一層輝いて身体と武器の剣から光を発する。
羽粋『ジャマ、スルナァァ!!!』
蒼空『くっ…!』
空(おい宿主、どうするんだ? 完全に破壊衝動に呑まれてるぞ?)
光を纏う度に強化される羽粋。その上理性を失くしてしまっている。この状態で血を吸う事は困難だ。
蒼空『それでも――いや、だからこそ、救うんだろうがぁ!!』
動きを見切り、どうにか無傷のまま羽粋の背後を取って抑えつける事には成功する。だが、羽粋は力の限り抵抗する。
羽粋『ウっ…ウガアアア!!』
空(くそ、なんて馬鹿力だ…! かすり傷つける所じゃないぞ!?)
蒼空『こっちも手段選んでいられない! 少し痛いが我慢してくれ、すぐに終わらせる!』
覚悟を決めて、蒼空は羽粋を抑えつけたまま…首筋を噛んだ。
羽粋『ひぅ…あっ、や…!』
まるで吸血鬼のように、羽粋の血を呑む。助けるためとはいえ、この光景に父親はブチ切れた。
六介『貴様ぁぁぁ!!!』
響『邪魔はさせないっ!!』
六介『どけぇ!!! これ以上羽粋を、娘を傷つけてなるものかぁ!!!』
響『どかない…!! あの人やあの子だけじゃない!! あなたも誰も、傷つけさせない!!!』
六介『傷つける…!? 羽粋がああなったのはあいつらの所為だろうが!! 幼馴染みの彼なら守れると、そう信じた俺がバカだった!!! もう誰も信じない、あの子も波音も守れるのは俺だけだぁぁぁ!!!』
響『そんな事ない…!! 例え敵でも、握った信念が違ったとしても…同じ方向を見ているのなら、あたし達は手を取り合える!!』
響が六介を抑えている隙に、蒼空は羽粋の中にあったゼノの血を飲み干す。
後は取り込んだ血を排出するだけ。腕を振り払おうとするが、自我を飲み込む悪意が自分の力よりも上だった。血は取り込まれたまま、意識が遠ざかっていく。
蒼空『う、ぐっ…!』
(――また操られるのか? こうも続けざまだと、貴様は救えない存在だな)
蒼空『…これ、ぐらいぃ…!!』
不意に過ぎった黒須の顔。残る意志を振り絞り、左手首を噛む。
そのまま思いっきり力を込めると、ブチリと切れる音と肉を引き裂く痛みが襲う。手首を噛み切る事で、無理やり血を流してゼノの洗脳を回避した。
蒼空『はぁ、はぁ…!』
翼『蒼空、さん…手首…!』
蒼空『こんなもの、勝手に治るさ…!』
息を切らしながらも翼に笑いかけると、腕の中にいた羽粋が身じろぎする。どうやら、洗脳も施された呪いも完全に解けたようだ。
羽粋『わ、わたし…』
蒼空『怖かっただろ…こんな力振るうのは、人でなくなってしまった気分は。俺もかつてはそうだった』
優しく怯える羽粋の頭を軽く撫で
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