結局その後、オパールによって騒ぎが大きくなり、とうとうテラにまで爆弾攻撃を仕掛けてしまう。
テラは自業自得だが、流石にこのままにしておけずアクアとレイアが回復する事に。それを待つ間に、カイリはスピカにある疑問をぶつけた。
「それにしても、一体どうやってリクを戻したの?」
「光の力を引き出して、身体にこびりついてた闇を払っただけよ。それだけ」
「よく分からないけど、リクを戻してくれてありがとう。スピカさん」
「気にしないで。…借りついでに、ちょっとしたお詫びのようなものだから…」
ボソリと誰にも聞こえないように呟く。半年くらい前に闇の回廊で、黒コートを着ていたリクを機関の人物と間違った事を思い浮かべる。
「え?」
「何でもないわ。それで、あなた達の話聞かせてくれない? その後で私の話をするわ」
話を逸らすように、スピカは本題に戻す。
大まかな事は知っていても、細かい事まではまだスピカは知っていない。そんな彼女の為にも、話せる人達で情報交換を始めた。
「…私達からは以上です、姉さん」
「次はスピカさんの番だね」
これまで自分達で起きた事をウィドとカイリがある程度話を終えると、スピカは頷く。だが、すぐに困った表情を浮かべた。
「私はこれと言って話せるようなものは何もないわ。あなた達が逃げてすぐ眠りの魔法をかけて、ずっと眠っていたから」
「…操られた自分を動けなくする為ね」
魔法の扱いが得意なアクアは、彼女が何のために自信に眠りの魔法をかけたのかを理解する。
「そこで一度だけ、捕われたシルビアにも会ったけど……ああ、思い出しただけでもぞっとするわ…!!!」
「とか言いながら、何で拳鳴らしてんだよスピカ?」
ぞわぞわと気持ち悪いと言った顔で、怨念を込める勢いで拳を鳴らしている。完全に表情と動きが一致しておらず、思わずクウが問いかけてしまう。
やがて気持ち悪さが怒りに変わったのか、黒いオーラを纏い歪んだ笑みが浮かび上がる。
「フフフフフ…あの女、次に会ったら生きてる事を後悔させるぐらいぶちのめしてあげるわ…!! 何が何でも決戦までに弱体化した能力を取り戻すわよ…!!!」
(((やっぱりウィドの姉(お姉さん)だ…)))
この場にいる全員が、何となくだがスピカとウィドが姉弟である事を理解してしまった。
未だに恨み言を吐くスピカに、このままでは胃が痛くなると言わんばかりにクウは話題を変える事に。
「と、とにかく、その…スピカから言える情報はないんだな?」
「ええ…強いて言うなら、私がいた場所くらいかしら」
「スピカさんがいた場所?」
漂わせていた黒さを無くして話を戻すスピカに、内心ホッとしながらヴェンが首を傾げる。
「キーブレード墓場――そう呼ばれる世界にいたの。エンやカルマ達と共に」
「キーブレード墓場?」
「かつて光を求めるあまりに、キーブレード使いによる戦争が行われた場所。その後、闇が生まれて荒廃してしまった――そう言われているわ。セヴィルからある程度話を聞いてはいたんだけど…それ以上の事は分からないわ。ごめんなさい」
そうヴェンに教えると、申し訳なさそうに頭を下げるスピカ。敵陣にいたのに、大した情報を持っていないのが原因だろう。
しかし、例え情報がなくてもスピカは自分達の為に行動してくれた。それを分かっている為、誰も責めるような事はしなかった。
「いえ、気にしないでください姉さん――では、私からも一つこの場でハッキリさせておきたい事があるのですが」
「何だ、先生?」
思わずルキルが訊くと、ウィドはある人物へと目を向ける。
「ツバサ、あなたについてです」
「え…?」
急に話を振られて、戸惑いを浮かべるツバサ。しかし、ウィドは気にする事なくツバサへ近づいた。
「あなたが異世界の未来の住人であることは他の人から話は聞いてます。ですが、まだ隠している事がありますよね?」
「それは…」
「ツバサ――そろそろ話して貰えませんか? あなたの事…いえ、あなたの“両親”について」
「ウィド、さん…?」
ウィドの問いかけに、ツバサは表情を固まらせる。
様子がおかしくなったツバサに、ウィドは確信を得て柔らかい笑みを浮かべる。
「…本当は薄々と感づいていたんでしょうね。でも、ずっと気づかないフリをして目を逸らしてた。そうする事で私は、どうにか自分を保っていたんです…」
「…気づいてたんだ、やっぱり…」
「最初はまさかって思ってました。でも、未来から来た事。彼らに対する呼び方。そして、シャオからツバサに変わった変化で確信に変わりました」
「………」
思う所があるのか、とうとう黙り込んでしまったツバサ。全員から目を逸らし、右腕を強く握っ
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