【裏切り者】も満点を取り、他のチームは微妙な表情を浮かべている。
しかし、別チームであるにも関わらずスピカは何処か嬉しそうな表情をしていた。
「さすがは私の弟。頭の出来が違うわ」
賞賛を送りつつハーブティーを飲んでいると、ウラノスが怪しげな笑みを浮かべてきた。
「そう言うあんたも策士だよ。そっくりな奴らに妨害入れる事で、作者やあの悪役を牽制したんだからな」
「あら、何を根拠に?」
「あいつらは俺達より下位のチーム、妨害してもメリットなんてない。だが、あんたは敢えてそうした。前のチームに妨害を入れる事によって、あんたの弟がいるチームに作者と悪役が危害を加えないように細工を…そうだろ、スピカ?」
ウラノスの推理が図星なのか、スピカは軽く目を逸らした。
「…否定はしないわ。それよりも」
「分かってるさ。次で満点を阻止する」
話を終わらせるなり、ウラノスは優勝候補である【トリッカー】に目を向ける。
狙いを付けているとは知らず、メンバー内はスイートルーム目前と言う事で浮足立っていた。
「さて、いよいよ最後ですね。メンバーはどうしましょうか? オパールは落ち込んでいて使い物になりませんが…」
オパールは不貞腐れたようにベンチで横になっている。と言うのも、自分達のターンが終わった後にヴェンがエスナでソラとリクを治してしまったのだ。おかげで、ブツブツと不満を吐き散らしている。
「では、最後は僕とカヤさんで行きましょう」
「ああ。必ず一位取ってやるぜ」
ゼクシオンがメンバー選出をすると、ジェダイトとカヤが立候補する。
そうしてキノコに向かって構えるのを見て、ウラノスはゆっくりと魔力を高める。
(させるかよ。カヤには悪いが、ボツ技使わせて貰うぜ!!)
更にウラノスが雷の魔力を高めると、急にカヤは足を止めた。
「っ!? この気配は…!?」
「カヤさん、どうかし――え?」
ジェダイトがカヤに声をかけていると、前方に魔方陣が現れて巨大な空間の裂け目が現れた。
「召喚!! 雷獣、イクシオン!!」
ウラノスが大きく腕を振るうと共に、空間の裂け目をぶち破って電撃を纏った一角獣――イクシオンが飛び出してくる。
イクシオンはキノコの前に着地するなり、カヤとジェダイトを威嚇するように前かがみになって構えた。
「ウ、ウラノスさん!? どうしてこんな事…!!」
「どうしてもこうしてもねえよ、茶髪眼鏡。キノコに攻撃したけりゃ、こいつを倒してからにしなぁ!!! いけ、イクシオン!!!」
「キヒーン!!」
命令を下すウラノスに、イクシオンは鳴いて答える。
召喚獣を倒さなければキノコに攻撃を当てられないと分かり、カヤがジェダイトに指示を出した。
「ジェダイト、召喚獣は俺が抑え込む! 遠距離から攻撃してくれ!」
「そ、そんな!? 無茶ですよカヤさん!!」
「無茶でも何でもするしかない! たの――ぐわぁ!?」
作戦会議している隙に、サンダラがカヤへと直撃した。
「カヤさーん!!」
「人の心配してる場合じゃねーぞ!! イクシオン、茶髪眼鏡にはサンダガ喰らわせてやれぇ!!!」
「う、うわあああああぁ!!?」
カヤのと違い特大級の雷を落とすのだから、ジェダイトは慌てて逃げる。
この後、召喚獣の猛攻によりカヤとジェダイドはキノコに近づく事は出来ず、絶えず襲い掛かる雷の攻撃に悲鳴を上げた。
それでも時間ギリギリでジェダイトが魔力を溜めて放ったイグニス・ショットが運よく当たり、ポイントは4点…それを二倍しての8点が辛うじて貰えたとか。
「ぜぇ…ぜぇ…!」
「ど、どうにか…二倍の8点は取れましたね…!」
「おのれ覚えとれぇぇぇ!!!」
ようやく召喚獣との追いかけっこから解放されたカヤとジェダイトが床に倒れ込む横で、ヴィクセンはウラノスへと怒鳴り付ける。もちろん、本人は涼しい顔でスルーしているが。
「さて、次は俺達だが…」
1位だった【トリッカー】が下位へと順位を下げられた中、ザルディンはメンバー選出に頭を悩ませていた。と言うのも――。
「宜しいでしょうか? 胸と言うのは人それぞれ、誰もが自分の胸を持っている者です。それを何ですか? 小さいとかペタンコとか胸が無い人を侮辱する言葉は? 胸が小さい女性の中には胸を豊かにするホルモンが少ない人や発展途上の人だっているんです、好きで小さい訳では――」
「ハイ…」
よほど禁句だったのか、ゼノは現在レイアに正座させられながら胸について口説かれていた。
無表情で静かにくどくどと話している所為か、心なしかゼノの顔は青ざめてやつれているように見える。
「レイアさんが滅茶苦茶怖いんですけど…!!」
「あの二人はしばらくほ
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