時間は大分経ち、夕暮れとなった。
辺りも暗くなった事で、店を閉めたり家に帰る人達がいる。
レイアもまた、掃除が終わったとの報告を聞いてオパールの家へと戻っていた。
「えっと、おじゃましまーす」
「お帰り、レイア」
扉を開けた途端、カイリが声をかけてきた。
家の中に入って扉を閉める。それから改めて中を見回す。
埃を被っていた家の中は、窓を含めてピカピカに磨き上げられている。家具も少なくて殺風景だったが、ちょっとした鮮やかな小物やカーペット。それにテーブルや椅子にはカバーが敷かれて華やかな雰囲気に変わっていた。
「わあぁ! 凄いです!」
「でしょ? 皆で選んだんだ!」
「途中で学し…特別授業受ける事になったけどー!」
「すっごいべんきょうになったよなそらー!」
「あの、何かあったんですか?」
「気の所為だよ…」
急に目を逸らしたソラとヴェンに、ただただ疑問を浮かべるレイア。一瞬、奥の方にいらウィドが目を開かせた気がする。
とここで、料理をしているのか食欲を刺激される匂いが漂ってきた。
「なんだかいい匂いがしますね〜」
「それは…」
「出来たぞ」
カイリが何かを言いかけた所で、リクがキッチンから現れる。
同時にアクアも出てきて、料理を盛りつけた幾つもの大皿をお盆に乗せてテーブルへと近づく。
「テラ、ヴェン。手伝ってちょうだい」
「分かった」
「任せてー」
手慣れているのか、アクアの指示に素早く動いて二人はキッチンへと向かう。
アクアは持ってきた大皿をテーブルへと置いて行く。からあげ、野菜炒め、魚のトマト煮、サラダ…人が多い分、料理を取り分けやすいバイキング形式にしてくれたらしい。
次々と並べられるおいしそうな料理とこのアイデアに、レイアは目を輝かせてアクアを見上げた。
「美味しそうです! 凄いです、アクアさん!!」
「ううん。料理を作ったのは私じゃなくて、ルキルよ。下準備から盛り付けまで全部やってくれたわ。私とリクはそれを手伝っただけ」
「そうなんですか〜」
「お、俺は、別に何もしてないからなっ!?」
納得した直後に、ルキルが怒鳴りながらコンソメスープの入った鍋を持ってやってくる。恥ずかしさからか、顔を赤らめている。
けれど、否定しつつも手はちゃんと動かしている。テラとヴェン、そしてリクもテーブルに取り皿や箸などを用意して食事の準備を完了させた。
そして、ルキルは今いないメンバーを確認する。
「あと戻っていないのは…オパールと、ツバサ。あとはクウとスピカさんか」
「あのバカは良いとして、姉さん達はどこにいるんでしょうか?」
「俺だけ除け者扱いかよ」
ウィドの嫌味に、玄関から声が返ってくる。
そこには、クウが扉に凭れ掛かるようにして呆れ顔を浮かべている。丁度帰ってきたクウに、ソラとヴェンは揃って声をかけた。
「「おかえりー」」
「…チッ」
「おいウィド。今舌打ちしたな、舌打ちしただろ?」
「してません、舌打ちなんて」
すまし顔で顔を背けるウィド。この態度にクウが何か言おうと口を開いた所で、オパールも帰ってきた。
「ただいまー! わ〜、本当にきれいになってるー!! 内装も前より充実したし!!」
「ふふん。どう、オパール?」
「ありがと、カイリ〜! 流石はあたしの友達!」
余程嬉しかったのか、そのままカイリへと抱きつく。
家主も帰ってきた事で、レイアは改めてまだ戻っていない人を確認する。
「あとは、スピカさんとツバサさんだけですね。誰か呼びに行った方がいいんでしょうか?」
「ああ。スピカとツバサなら『帰るのが遅くなるから』って伝言貰ってるぞ」
その問いかけに、意外にもクウが答えを返した。
「え、そうなんですか?」
「ま、二人一緒なんだ。危険な事に足を踏み入れたりはしないだろ」
結論付けながら話していると、ウィドの機嫌が目に見えて悪くなる。案の定、クウに突っかかる形で会話に割り込んできた。
「何であなたが姉さんから伝言貰ってるんですか?」
「はぁ? たまたま会ったからだろうが。何だよ、それぐらいでヤキモチか?」
「誰がヤキモチなんて……焼きますよ、焼いて悪いか!?」
「開き直んのかよ!?」
こうして二人の喧嘩――ウィドが癇癪を起こして叫ぶ事に対して、クウがツッコミを入れている――が始まったのを見て、周りの人達はどうしていいものか分からず困惑を浮かべた。
「仲良く…なったのか、あれ?」
「なってる筈だよ…多分」
過去を振り返りつつリクとカイリは、気になりつつも二人を無視する事に決めた。
「ごちそーさまー!! おいしかったー!!」
あれだけ大皿に盛られてあった料理は殆どなくなり、ソラは満
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