前回で【最強血縁】が点を取り終えて、【スケベ四人衆】へと移行するのだが…。
「さて、いよいよ俺達ってハナシだが…」
「ここで満点取っても梅の間になるんだもん。正直やる気起きないんだけど…」
自分達の番だと言うのに、シグバールとデミックスは完全にやる気を無くしていた。
それもそうだろう。今までのチームは一部のチームを除いて、ほぼ満点を取っている。ここで自分達も満点を取ったとしても、竹の間は確実に望めないだろう。
「そうよね…安い部屋に誰かしら拉致監禁して心行くまでセクハラしても、テンションが上がりにくいだろうし」
(((今さらっととんでもない事言わなかったか?)))
テルスも若干落ち込みながら犯罪まがいの事を呟く中、メンバー内で唯一落ち込んでいないクウが話を戻した。
「気持ちは分かるけど、グチグチ言ってないでさっさと終わらせようぜ? 余裕があると言っても俺達最下位になりかねないだろ?」
「うるせぇ!! いいよな、お前さんは!! 梅の間だとしても年下の彼女と同じ部屋で過ごせるってハナシだぁ!!」
「そうだぁ!! モテない俺達を差し置いて幾つもフラグ作りやがって!! このロリコンがぁ!!」
「どうせ恋人いなかったとしても、あなたならどの女性とも一晩であーんな事やこーんな事何だって出来るでしょお!! 羨ましいわコンチクショー!!」
「お前らな…っ!!!」
現時点で誰も恋人がいない三人の僻みに、クウは全身を震わせて青筋を浮かべてしまう。
こうしてプチン寸前の怒りを見せていると、隣にいたスピカだけでなくレイアも反応した。
「あらクウ、夜這いしに来るなら私は歓迎するわ。ちゃんと婚姻届も印鑑も準備もしておくから安心なさい」
「な、何かよく分かりませんけどクウさん!! 夜に何かしたいのでしたら私の方に!!」
「シグバール隊長、私達の中に抜け駆けを企む反逆者がいたようです」
「スケベ四人衆の掟で、反逆者は消滅ってハナシだ」
スピカとレイアの言葉に、黒いオーラを纏って武器を構えるテルスとシグバール。
もはや]V機関で裏切り者を抹消するメンバーに酷似している。
「羨ましがる要素が何処にある!? 手を出した瞬間に俺の残りの人生が強制的に決まるだろ!!」
まるでツッコミを決める様に、クウは婚姻届を持つスピカと何の事か意味を分かってないレイアに指を差す。
もし手を出したら最後、一方は結婚を迫られ、もう一方は犯罪者のレッテルを張られる事だろう。
「黙れ、裏切り者」
「よーし、分かったぁ!!! てめえら全員ぶっ潰す!!! いや、寧ろぶっ殺すっ!!!」
【KH2】でソラに吐き捨てたセリフを再現するデミックスに、とうとうクウはブチ切れてしまった。
この仲間割れの様子に、ナナは呆れたように手を叩いた。
「はいはい。漫才はそのくらいにして、さっさと攻撃しちゃってよ」
「これの何処が漫才に見えるってんだぁ!!?」
「それに、二股なんてまだ軽い方だよー?…後々とんでもない事になるんだし…」
「何をさせる気だぁぁぁ!!?」
何らかのネタバレと共に目を逸らすナナに対し、連続でツッコミを決めるクウ。この辺に関してはグラッセに負けず劣らずと言った所だろう。
「とにかく、冗談はこれぐらいにしておきましょう。じゃあ、ここは私がビシッと決めるわよ!」
二人の会話を尻目にテルスが杖を取り出すと、一歩前へと出る。
そして、杖の先端をキノコへと向けた。
「闇の波動よ、彼の者に制裁を与えよ…無に還れ! ヴォーパルストライク!!」
魔力を放つと同時に、闇の衝撃波のような闘気を飛ばす。
本編ではウラノスを一撃で制裁した技だ。当たれば満点は確実だろう。
「させる訳がなかろう!! ゆけぇい!!」
突然マスター・ゼアノートが叫ぶと共に、狙っていたキノコの周りの床に罅が入る。
直後、大量のキーブレードがキノコの周りに飛び出し、テルスの放った闘気は憚られた。
「そんな!?」
「おい、ジジイ!! 何をするんだってハナシ!!」
大量のキーブレードがキノコを守る壁となってしまう光景に、テルスは目を丸くする。
そんな中、シグバールはマスター・ゼアノートを睨むが、彼は鼻で笑って彼らを見下していた。
「儂だってキーブレードマスター。これぐらいやれて当然じゃ」
「ふはははは!! これでお前達は最下位決定だ!! 私達の代わりに野宿を堪能するがいい!!」
「わーん! あんな事されたんじゃ、もう終わりだー!!」
アンセムが高笑いすると、どうにも出来ない現状にデミックスが泣き崩れる。
マスター・ゼアノートの操る大量のキーブレードをどうにかしなければ、キノコに攻撃を与えるのはまず不可能だ。
「
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