「いきます!」
ナイフを投げると同時に開口一番に少女は叫び、身の丈に合わない筈の長い槍を垂直に構えて突進してきた。
「幻影閃」
三人へと襲い掛かり、斬り裂く様に矛先を振るう。広範囲の攻撃をそれぞれが転がったりジャンプしたりして回避すると、遅れてナイフが足元に突き刺さる。
レクトは、杖を持っているにも関わらずナイフを投げて攻撃する。それに疑問を感じるソラとルキルだが、ツバサは考える事はなくニルヴァナに向かっていた。
「エアリルブレイク!」
「闇障壁」
ツバサの放つ強力な一撃を、槍の切っ先から放つ闇の障壁で防ぐニルヴァナ。見た目はツバサより若干小さいが、動きは手慣れている。
二人はニルヴァナをツバサに任せ、魔導士でもあるレクトへと狙いを定めた。
「ルキル、一緒に! ソニックレイヴ!」
「ああ、ダークオーラ!」
「さーて、みーんな守ってちょーだい。ほほいっと」
怒涛の突進攻撃を行うなり、レクトは妙な言葉と共に自身の周りに障壁を張り巡らせる。
二人の攻撃が障壁に当たると、反射してその分のダメージが襲い掛かって大きく吹き飛ばされた。
「「うわぁ!?」」
「もー、俺はこれでも貧弱な魔導士なんだから。あんまり大技ぶつけないでよねー?」
「貧弱な魔導士がナイフ投げなんてするかぁ!! てか、何だ今の気の抜ける言葉は!?」
「え? 普通に自分にリフレク使っただけだけど?」
「あんなふざげた方法で俺達の攻撃防がれたのか!?」
「へー、魔法って凄いんだなー!」
「凄いよ〜。なんなら教えてあげようか?」
「いいの!?」
「ソラ、目を輝かせるな! そしてお前はツッコミで俺を過労させる気かっ!!」
「父さんもソラさんも、もっと気を引き締めて! レクトさんあんな性格だけど魔導士としては一流だから!」
「レクトさん、真面目にしてください……相手はキーブレード使い、です……!」
「あー、はいはい。ごめん、ニーちゃん…っと!」
キーブレードと槍で打ち合いをして真面目に戦っている女子二人に注意され、逸早くレクトはナイフを投げる。
叩き落そうと身構える二人だったが、投げたナイフは全てソラ達の方ではなくあらぬ方向へと刺さった。
「どこに投げてるんだ! ダーク――」
「違う!」
挑発交じりにルキルが魔法を発動しようとしたのと同時に、ツバサから否定が上がる。
次の瞬間、ソラとルキルを中心に白い魔方陣が展開される。とっさの事に驚く二人に、レクトは今まで使わなかった杖でカンと地面を叩く。
「サークル・スパークライト」
それが発動条件だったのか、魔方陣から白い雷が発生して二人に襲い掛かる。
「チェンジ、スピード・モード!――からの、ロックライズ!」
しかし、ツバサが一瞬で素早さ特化のスタイルに変化する。二本のキーブレードを携えて一瞬で二人の傍まで移動すると、雷が直撃する前に岩を発生させる。これにより、攻撃は全て岩に当たり直撃を免れた。
「ありがと、ツバサ!」
「まだっ、第二陣来るよ! ミラージュ・モード!」
ソラのお礼をそこそこに、今度はミラージュ・モードへと変えるツバサ。今までは変化させる度に予備動作が必要だったが、強化されてからは自在に変化が出来るまでに成長したらしい。
今まで通り、姿を透明化させて消える。それと同時に、今度は青い魔方陣が現れて氷の礫が降り注ぐ。
けれど、ツバサが姿を隠したまま二人をリクレガで守る事で、この攻撃も無傷で済んだ。
「サークル・ブリザドレイン、まで……!!」
「…へぇ。すごいねー、キミ。まるで『俺の技を知っている』みたい」
驚くニルヴァナに対し、レクトは目を細めつつもツバサがいるであろう方向に話しかける。
「何か話してよー。これ、俺の独学で習得したようなものなんだけど――何で『知ってる』のかな、キミ?」
そうして、レクトは再び地面を叩く。そうして現れた魔方陣は、黒色を宿して。
「ッ――!」
「サークル・ダークデスペル」
レクトの背後へと出現し、黒い光が弾け飛んだ。
だが、地面の一部が爆発するように抉り取られる。黒い光は急速に衰え、代わりに隠蔽の魔法が解けたのかツバサが現れた。
「ええ!?」
「ツバサ!?」
「隠蔽の魔法はちょっと反則だからねー。解かせて貰ったよ?」
「バニッシュかけてても、ボクの位置掴んでいる時点でどうかと思うけど――ね! エアロガ!」
「させ、ない! 風陣守備!」
レクトに対して暴風を巻き起こすが、ニルヴァナも負けじと槍を地面に突き立てて結界を張るように風を起こす。
「わー、さっすがニーちゃん。頼りになる〜」
「言ってる場合、じゃないです!」
風の結界が消えると、即座にニルヴァナが槍を横薙
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