部屋決めゲームも終わり、いよいよ女性陣にとって待ちに待った温泉が…。
「じゃ、早く着替えましょ♪」
そう言うなり、リズはその場で上着を脱ぎだした。
『『『ブフゥ!!?』』』
「リズ何やってるのよーーーー!!?」
健全な男性陣達が噴き出しながら背中を向ける中、ガイアが大声で下着姿のリズに叫ぶ。
「何って着替え」
「脱衣所で着替えなさい!!」
「えー、だって面倒なんだもん。いいじゃない、何処で着替えようが一緒でしょ?」
『『『一緒じゃない!!!』』』
顔を赤くしてアクアが注意するものの、リズは笑顔でとんでもない事を言い放つ。
これには女性陣達がツッコミを入れると、ラックが脱いだ上着を掴んだ。
「とにかく、脱衣所まで移動する!! 唯でさえ犯罪まがいの事をやらかすバカが四人もいるのよ!!」
「大丈夫、その前に撃退するから!!」
「威張って言うセリフじゃないわよ!!」
ラクシーヌも合わさって怒鳴っていると、冷え切った目をしたスピカがリズの前へと出た。
「リズ、話を聞きなさい」
「何よ、スピカ?」
「いい? ちゃんとした場所で着替えないと…――あそこの四人。いえ、バカ達と同じ目に遭わせるわよ?」
スピカの指した方には――巨大な氷結の中で氷漬けとなったスケベ四人の姿が。
これにはリズだけでなく全員が言葉を失っていると、レイアも杖を持ちながら黒い笑みを浮かべる。
「リズさんがそー言う事してると、彼女である私達が困るんですからねー?」
「わ、分かりました…!! ちゃんと、脱衣所で着替えます…!!」
二人の恐ろしさに、さすがのリズもコクコクと頷く。
こうして場が収まると、ナナが話を進めた。
「それでは、ゲームで決まった部屋に荷物置いてから温泉にしましょうか」
「そう言えば、決まった部屋ってチームのメンバーと一緒じゃないといけないのか?」
チームメンバーが大人数であるルキルが問うと、リラは首を横に振った。
「いえ、そんな事はないですよ。ゲームで決まった部屋のランクが同じなら、誰と一緒でも構いません」
「部屋数は多いから、その辺は自由にしていいよ。では、温泉まで一旦解散〜!」
ナナの解散の合図に、それぞれのキャラは荷物を持って割り当てられた部屋へと向かい出した。
各自割り当てられた部屋へと入った所で、それぞれの部屋を覗いてみよう。
まずは、【竹の間】。一般の旅館にあるような、普通のテーブルに普通の座布団付きの椅子、そして普通の薄型テレビとまさに普通尽くしの部屋だ。
そんな部屋に、ソラとカイリは荷物を置いて寛いでいた。
「どんな部屋かと思ったら、意外と普通の部屋だね」
「はー、それにしても温泉楽しみだよなー!!」
そんな会話をしていると、突然部屋の戸が開けられた。
「二人とも、いるー?」
そう言って顔を覗かせたのは、未だに荷物を持つヴェンだった。
「あれ? ヴェン、どうしたの?」
「ごめん、カイリ。良かったら俺も二人の部屋でいいかな? ヴァニタスとは敵関係だし、ゼクシオン達はあんまり関係性ないし、テラもアクアも別の部屋だから…」
「別にいいよ! な、カイリ?」
「う、うん…ソラが言うなら」
笑顔で承諾するソラに対し、カイリはやや複雑な表情を浮かべる。乙女心としては、邪魔者はいて欲しくないようだ。
そんなカイリの気持ちなど知らずにソラはヴェンを上がらせ、楽しそうに話をしていた。
「ところで、リクは一緒じゃないの? 三人って仲良しだし、てっきり一緒の部屋だと思ってたけど?」
そんなヴェンの疑問に、二人はどう言う訳か黙り込んだ。
「ん」
「何この筒?」
いきなりソラが手渡した何の変哲もない筒に、ヴェンは首を傾げる。
すると、カイリはどう言う訳か隣部屋を隔てる壁を指した。
「ん」
「もしかして…こうすればいいのか?」
恐る恐る筒を耳に当てながら、隣部屋を盗み聞きするようにくっつけた。
『何するのよー!!?』
『だまらっしゃい!! そんな怪しい液体リクに飲ませるなんて明らかに殺す気でしょ!?』
『怪しい液体ってなによ!! そこのティーパックで入れた緑茶なんだから!!』
『オ、オパール…助かる事には、助かるんだが…どうして、俺とシオンの部屋に…?』
『ッ――り、理由は何だっていいでしょ!!? とにかく、あたしもこの部屋にいる事に決めたから!!!』
『決めたって…何勝手に…』
『うっさい!! 危険人物がわんさかいる上に、あんた未だに女のままなのよ!! ここは年長のあたしがビシッと――!!』
『すっかり忘れてたな。シオン、そのポッドからお湯を注いでくれ』
『はーい』
『人の話を聞けぇぇぇーーーーーーー!
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想
TOP
掲示板一覧
ゲームリスト |
ゲーム小説掲示板
サイト案内 |
管理人Twitter
HOME