「第三試合! この対戦サーヴァントクラスは、ランサーだ!」
「槍使いが相手か――だったら俺が出る。さーて、一体誰が相手だ?」
三回目の試合となり、まだ戦っていないムーンが腕を伸ばしながら前に出た。
コロシアムの反対側から出てきた人物は…。
「ランサー枠の最強? そんなの、この俺に決まってるだろ!」
長い青髪を後ろで一つに括り、全身青タイツの衣装を纏った男性。その手に握る朱い槍の名は、ゲイ・ボルグ。
ケルト神話の半神半人の英雄にして、ステイナイトの元祖ランサー。クー・フーリンだ。
「あ! こいつ知ってる! 魚屋でバイトして、喫茶店でバイトして、花屋でバイトしていた青毛の人だー!」
「別世界の俺何やってんだよ!? なんでフリーターになってんだ!?」
「聖杯戦争に参加したのに即刻退場とか、自害されるよりはマシじゃないかなぁ…?」
リズの偏った知識にツッコミを入れるクーフーリン。スズノヨミが何かを呟いたが、その声はマイクには入っていなかった為、誰も聞こえなかった。
「ちょっと待ってください!! ランサー枠代表はこの私、ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンニャ・リリィです!!」
名前を噛みながら乱入したのは、サンタ風な衣装と槍を持った少女。ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィだ。
不満げにクーフーリンを睨む少女を、小馬鹿にしたように笑いだす。
「はん。俺は星3だが舐めんなよ。こっちは時間神殿での最終メンバーにだって選ばれたんだからな」
「ただ単に攻撃避けるだけだろう」
「言ってやるな。犬はしぶとい性分なのだ」
少し離れた場所で白けた目で見る、黒い馬に跨りながら聖槍を握るアルトリア・オルタとエミヤ。
二人の言葉と視線に、クー・フーリンはいい笑顔を浮かべてメンチを切り出す。
「おう、こいつらの前にテメーからやってやろうか?」
「上等だ」
「金枠の私達に喰ってかかるとはいい度胸だ。真のランサー代表として、我が聖槍の力を思い知らせてやる」
「だー! 3人とも喧嘩しない! 令呪使うよ!?」
対戦者ではなく身内同士で戦おうとする三人に、藤丸がストップをかける。
「全くみっともない。このカルデアのランサー代表と言えば、さく…パールバルティー以外に存在しません。自己強化だけでなく回復も出来る、更に宝具は魅了効果もついているのです。これほど優秀なランサーのサーヴァントなど、彼女以外に存在しませんええそれはもう!」
「ふふ、ありがとうライダーさん」
どこから現れたライダークラスであるメデューサが熱く語る人物…パールバルティーがニコニコとやってくる。
アーチャーよりも混沌としてしまった状況に、藤丸は思わず叫んでしまった。
「ランサー代表だけど、槍ニキでもジャンヌ・オルタ・リリィでもアルトリア・オルタでもパールさんでもないから!!」
「喜びなさい! ランサー代表は、サーヴァント界のトップアイドルにしてアーティスト! 特異点冬木の召喚からずっと存在する、このあたし! エリザベート・バートリーよ!!」
長い赤髪に、カチューシャを模したような二本の黒い角と尻尾。手に持つのは、どこか禍々しさを感じる黒い槍。
高らかな宣言と共に現れた少女は、エリザベート・バートリー。吸血鬼となる前の少女だ。
「す…すっごーい!! トカゲ! トカゲの尻尾があるよあの子! それに角も!」
「竜よ! これは竜の尻尾!」
興奮して指を差すリズに、エリザベートはすかさずツッコミを入れる。
一方、意外な人選だったのかマシュは不思議そうに藤丸を見る。
「先輩、エリザベートさんですか?」
「彼女は記念すべき初ガチャで出てくれた金枠サーヴァントだからね。何だかんだで、スタメンにもなっているし」
「ええ、ホント。何の因果か働いたのか、私まであの子と一緒に召喚されたんだもの。あなたどういう運してるのよ?」
背後から鋭い眼差しを送るのは、アサシンクラスのカーミラと呼ばれる女性。生前は残忍な方法で沢山の少女の血を浴びていたと言う事から、血の伯爵夫人と言う名を持っている。
そんな彼女とエリザベート。実は同一人物で、エリザベートが成長した姿がカーミラなのだ。
更に言うと、初ガチャの時にエリちゃんの後に何故かカーミラ様も一緒にやってきたのだ。当時は二人の因果関係なんて全く分からない状態で、である。おかげで、当時は色んな先輩マスターから驚かれたものだ。
「俺が知りたい!! てか、俺の先輩は息するように無課金で星4も星5も関係なく新サーヴァント当てまくるんだぞ!!」
「そうだ!! なんでたまにしか幸運は爆発しないんだよ!! 推しじゃないレアが当たるんだよ!! 他の人はいるけど、自分はいらないコレジャネー発動すんだよ!!
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