突然カルデアにカチコ…押し掛けたリズ達の欲望を晴らすために開催された闘技大会。
これまで6回戦い、現状の勝敗は3:3と引き分けとなっている。
「さあ、いよいよ最終戦! 泣いても笑ってもこれで最後だー!」
スズノヨミの掛け声と共に湧き上がる歓声。フィナーレとなり、最後の勝者がどちらのものになるのか。
周りの期待を受けながら、藤丸もまた立ち上がる。
「バーサーカー枠は俺の最強の存在、ヘラクレス!!……と言いたい所だが、違うんだなぁこれが」
自信満々に言い放ったが、なぜかフフンと得意げに鼻を高くする。
ヘラクレスはバーサーカーではあるが、12回殺さないと死なないと言われる逸話を持っているので、耐久性に優れたサーヴァントとなっている。原作もあり、彼を愛用するマスターは少なくない。
だが、それよりも最強のバーサーカーがこのカルデアには存在するらしい。
「じゃあ、誰?」
「お前ら、喜べ。しかして刮目せよ…」
首を傾げるリズに、スズノヨミが意味深の笑みを浮かべる。そして、藤丸は入り口を指す。
「俺のカルデアのバーサーカー枠最強キャラは――謎のヒロインXオルタだーーーーーー!!!」
ハイテンションで叫ぶと、まるでどこぞの宇宙の悪役のダークスーツを身に纏ったアルトリアがやってくる。ご丁寧に、饅頭を口に頬張りながら。
「わー!! アルトリア! アルトリアだよグラッセー!!」
「確かにアルトリアだけど…何か違うような…?」
とうとう見知ったアルトリアに会えて興奮するリズとは裏腹に、違和感を隠し切れないグラッセ。
謎のヒロインXオルタ――長いのでオルタXと呼称する。この登場に波乱が起きる中、マシュが驚きの声を上げる。
「先輩!? どうしたんですか、このサーヴァントは!? 6人目の星5な上に期間限定でしか登場しないレアキャラじゃないですか!? まさか、とうとう課金を…!」
「いや。バレンタインのオルタXピックアップガチャで金サーヴァント当てた大先輩マスターに爆死スクショ送ろうとやけくそで10連ガチャ回したらなぜか当たった」
「ついでにタマモキャットとニトクリス(三枚目)も一緒にやってきた」
当時を思い出したのか、虚ろな目をする藤丸とスズノヨミ。
あれはまだ2月の事だ…すり抜けで星4サーヴァントを当てた先輩にあたる友人マスター。一方こちらは普通に爆死記録更新中。その時送られた言葉は「回せば当たる」…この無責任な発言でキレた。
なけなしの石でガチャ画面を表示し「このやろ自分の幸運Eクラス見せてやる! 憐みの目でも言葉でも投げつけやがれぇ!」と全てが星3狙いでガチャを回した所……なぜか予想を反するようにやってきたのだ。おまけにレアキャラ二体引き連れてである。
「先輩の幸運は本当に何が起きるか分かりませんね…」
流石のマシュも、マスターの良いのか悪いのか良く分からないガチャ運に言葉を失くしてしまう。
だが、主力を当てた事には変わりない。気を取り直し、スズノヨミはマイクを持って宣言する。
「さて、このアルトリア…いや、オルタXと戦うのだ一体誰だ!?」
「もちろん、私がいくわ! 最後の最後にアルトリアと戦えるとは思わなかった!」
本命(厳密には違うが)の対戦相手と戦おうと、ウキウキ気分でリズが前に出る。
何時でもかかってこいと言わんばかりにキーブレードを構える姿を、オルタXは黙々と饅頭を頬張りながら見ている。
「もむもむ…戦闘ですか…ごっくん。はあ、めんどいです…」
心底めんどくさそうに言いつつも、その手からは聖剣…っぽい形の赤いライトセイバーを取り出す。完全に見た目はダークなヴィランである。
かたや鍵の剣。かたやライトセイバー。変わった武器なためにシュールな光景にも思えてくるが本人達は真面目だ。
「それでは、ラストバトル…始め!」
藤丸が手を上げて合図を送ると、先に走り出したのはリズだった。
「おらぁ!」
「ふっ!」
突進するリズにオルタXは、バッと手を突き付ける。
すると、翳した手から赤い電撃が飛び出した。
「電撃ー!?」
剣を使わずにビームを出すとか思ってなかったのだろう。慌ててリズは避ける。
そこを狙い、オルタXは今度は聖剣を手に攻撃するが、その武器の形状を次々と変えて振るっていく。
「ダブルセイバーとか二刀流とかチェーンソーに変えたぞ!?」
「なにその聖剣!? キーブレード!? キーブレードなのそれ!?」
「どう見ても聖剣でもキーブレードでもなく、ライ〇セイバーだけどな!!」
驚くムーンとリズに、とうとう隠す事をせずに発言してしまうグラッセ。
まあ、このアルトリアは見た目からしてダース〇イダーと似ている。そもそもクラスがバーサーか
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