第一演技「十二の試練」
「最初はヘラクレス戦かぁ…」
6月に始まった復刻ネロ祭。数年前に行われた高難易度に本格的に挑戦すると言う事で、先輩ことマスターは、過去の攻略方法を見ながら編成を行ってた。
その隣で、マシュも補佐として情報を閲覧している。
「ギミックとしては、ガッツが12回。そして開幕アーツ性能ダウンが発生します。幸い、後者は解除可能ですが」
「解除可能なら、キャストリアは入れておこうか。そしてマシュも前線に入れて…後は、アタッカーのメンバーだよなぁ。フレンド、特攻礼装入れているの少ないし……あ、でも弱体とかは効くのか。ならエウリュアレ……いや、エウリュアレは耐久が低い。それなら…」
歓声響き渡るコロシアム。本命の前に待ち受ける敵軍が行く手を陣取っている。
立ち向かうスタメンは、マシュ、キャストリア、そして弓を番える野性味あふれる大男。
「頼むぞ、フレンドの超人オリオン!」
マスターの声援に、サポートとしてやってきた人としてのオリオンは大声で笑う。
「おう、任せな! いやー、両手に女の子。これはお得ぎにゃー!?」
マシュとキャストリアに鼻の下を伸ばした瞬間、背後から高速の光の矢が襲い掛かる。
呆れながらマスターが振り返ると、そこには怖い笑顔を浮かべたアルテミスと、彼女の頭の上で震えあがっているマスコットのオリオンがいた。
「ダーリン? 目の前で浮気は許さないわよ?」
「何でアルテミス編成してるのー!?」
後方にいるアルテミスに悲鳴を上げる超人オリオンに、同じく後方に待機しているクーフーリン(槍)は思わず修羅場から目を逸らす。
「まあ、男性特攻持ちだからなぁ…」
「しかも、この前宝具2になりましたしね…ぐぬぬ、私だってマスターの幸運EXで…!」
バーサーカー対策として編成した主力のフォーリナー、ヒロインXX。過激な痴話喧嘩を前にしても変わらぬマイペースである。
そうこう騒いでいるうちに、バーサーカーによる前哨戦が始まる。
「雑魚戦が全部バーサーカーで厳しいけど、どうにか…オリオンも宝具使って強化出来た! ヘラクレス戦だー!」
マシュとキャストリアの守り、そして超人オリオンの『月女神の無垢な愛(アルテミス・アグノス)』の強化を受けて、ガッツが12回も付いているヘラクレスへと対峙する。
最初はマシュとキャストリアに守られながら、超人オリオンのクリティカル攻撃で着々とHPやガッツを削ったが…。
「あっ…!」
「マシュ!? やばい、マシュがやられた!」
攻撃力を強化したヘラクレスの攻撃で、マシュの体力が大幅に削られて退場となってしまう。
「任せて! 私とダーリンでヘラクレス倒しちゃうんだからー!」
「おい、アルテミス! このメンバー、防御は出来ても回復出来ないメンツだからな!」
颯爽と前に出るアルテミスに、超人オリオンが注意する。
ヘラクレスの猛攻は厳しいが、男性特攻と言うアルテミスの長所で着々とガッツを削っていく。
「どうにか、残り7回まで削れたけど…オリオンもアルテミスもボロボロだ…! 2人ともガッツがあるけど、連続で喰らったら終わる…!」
相手のガッツを減らしたのはいいが、守るのに必死でアルテミスの回避は既に使っている。アトラス院による魔術礼装の無敵も既に使った後だ。唯一残っているのは、キャストリアのスキルの無敵のみ。
マスターが戦況を確認していると、ヘラクレスのチャージがMAXになっている事に気づく。
「まず、宝具来る!? キャストリアのNP溜まってない! だ、誰に無敵を…!」
焦るマスターに、超人オリオンが叫ぶ。
「マスター、キャストリアを守れ! 俺とアルテミスがいなくなっても、キャストリアさえ残っていれば後の二人で削れるはずだ!」
「――オリオンごめん!! キャストリア!!」
「はい!」
スキルを発動し、キャストリアに無敵を付与させる。
そして、ヘラクレスの宝具が発動する。狙われたのは――キャストリアだった。
「があああああああああ!!」
「キャストリアに来た! あ、あぶねぇ!!」
ヘラクレスの猛攻を防ぎきったキャストリア。このナイスな判断にマスターは叫びを上げる。
だが、ヘラクレスの攻撃はこれで終わらず、何と瀕死の超人オリオンにトドメの一撃を喰らわせた。
「ダーリン!?」
「…はっ、これくらい、何てことねーよ…!!」
「ガッツで耐えたー!!」
スキルで発動していた超人オリオンのガッツに、またもやマスターは心から叫ぶ。
「ガアアアアアアアアア!!」
「しまった、アルテミス!!」
だが、防御が疎かになった瞬間を狙われ、今度はアルテミスがやられる。
マスターが悲鳴を上げる中、アルテミスは
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