第三演技「百殺夜行」
「今度のハサン軍団は、倒した後に即死とカードデバフを次々に繰り出すギミックか…」
「前回の二人と違うのは、即死効果の強化は解除が可能と言う点ですね」
控室にて、攻略情報を読むマスターとマシュ。
今度のハサン戦は37体を倒しきる必要があるが、倒されると厄介なデバフ、更に一部の敵には倒されると道連れで即死亡と言う、危険な即死効果が付く。対策をせずに倒してしまうと、どんどん不利になる構成となっている。
「強化解除となると…天草が適任だろうな。確実に入れておく必要があるが…念には念をで、今回は即死無効効果バフをつけられるフレンドのスカディをキャストリアの代わりするか…いや、どちらにせよ弱体解除にはキャストリア必須か…そうなるとコストが…うーん」
「それならば、私達にお任せを。同盟者」
頭を悩ませるマスターに、一人の女性が立候補する。
天空の神ホルスの化身であり、冥界の神のファラオ。ニトクリスである。
「私の強化されたスキルならば、回復も弱体解除も行えますから。キャストリア程ではありませんが、お役に立って見せましょう!」
久々に活躍出来る場が出来たからだろう。上機嫌で鼻を鳴らす。
ニトクリスの強みは、弱体解除スキル以外にも全体即死宝具と言う周回で役に立つ宝具を持っている。取り巻きを一掃しつつデバフを回復出来るのであれば、彼女は今回の適任者だ。
自信満々でニトクリスは自身をアピールする中、マシュは一つ気になる事があった。
「ところでニトクリスさん。さっき『私達』とおっしゃってましたが?」
「はい。もう一人適任者がいますから私が声をかけておきました!」
「「適任者?」」
戦闘が始まるなり、取り巻き含めた37体のハサン軍団が待ち受ける。
まず彼らと戦うのは、天草四郎・スカディ・ニトクリスの三名だ。
「おお…凄い! 天草の強化解除、ニトさんの即死宝具とスキルでの回復がぶっ刺さってる! しかもスカディ様のスキルと宝具で補助も出来てる!」
道連れ効果を持つ呪腕や百貌のハサンが出てくるが、天草の宝具でなぎ倒し、雑魚はニトクリスが一掃。それにスカディのサポートも入る為、着々と数を減らし続けている。
何度目かの宝具を打ち終わり、ニトクリスが状況を確認する。
「敵、残り20体まで到達しました!」
「よし、静謐のハサンが出て来た! ここだー、天草!」
「はい! 双腕・零次集束(ツインアーム・ビッククランチ)!」
先程の二人のように、強化解除を行いながら全体にダメージを与える天草。若干HPが残るが、それもすぐに追撃の攻撃で倒した。
要注意人物の三人を無事に倒し終え、マスターは拳を上げる。
「よし、残り15体! この調子ならいける!」
(…確かに、倒すだけならこのまま宝具で猛攻をかければ時期に終了する。ですが…)
善戦にも関わらず、苦い顔を浮かべる天草。
後ろにいるニトクリスを見ると、彼女もまた辛そうだ。
(その分、バステが重く圧し掛かる…! ニトクリスの弱体回復スキルも間に合ってません…ですが長期戦は禁物…! 流石にそろそろ私も厳しい…!)
取り巻きを倒せば倒す程、防御や攻撃にバステが積み重なる。纏めて倒すのだから、3倍ものデバフが一気に圧し掛かっている状態だ。今では相性有利であるはずの自分達はスカディよりも倍以上のダメージを受けている。
攻撃はまだ通るが、その前にやられてしまう可能性がある。その苦しい戦況は――ちゃんとマスターも分かっていた。
「そろそろかな――天草、オーダーチェンジ!」
「はい!」
カルデア戦闘服によるマスタースキルで後方に移動する天草。代わりに前線に立ったのは――1人の魔女だった。
「ほら、あと少しよ! 頑張りなさい、キルケーの教え!」
「ありがとうございます、メディア!」
デバフを回復しながらやってきたのは、メディア。彼女がニトクリスが声をかけた適任者である。
彼女の回復のおかげで態勢を持ち直したメンバーは、再びハサン軍団を減らしていく。
「残り6体、ここで畳みかけるぞ! 死溢るる魔境への門(ゲート・オブ・スカイ)!」
「はい、冥鏡宝典(アンプゥ・ネブ・タ・ジェセル)!」
スカディの宝具による即死無効効果と言う保険と、ニトクリスの全体攻撃で、敵はとうとう残り1グループとなる。
「よし、やっと最後! こいつの全体即死強化は発動しても防げる!」
「いいえ! せっかく登場出来たんですもの、最後くらい見せ場を寄越しなさい!」
メディアが前に出る。
この戦闘でメディアが適任である理由は、弱体解除以外にもう一つあるのだ。
「破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)!」
これこそが、彼女の強みである強化解
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