第三演技「流星、雨の如く」
「あのよー…マスター…。一つ良いか?」
「どうした? 今回の唯一のアタッカー、クーちゃんよ」
控室に呼ばれて待機していたクーフーリン(槍)。本来なら闘志を燃やすほど戦闘好きの彼だが、何故か渋い表情でどんよりとした空気を纏っている。
「今回のアーラシュ戦は何時もの戦闘と違って、耐久戦ってのは俺も理解している。無敵貫通のステラを受け切って生き延びなければ勝利出来ないってのも。けどよぉ…」
そこで一旦言葉は途切れ、耐えられないとばかりに後ろを振り向く。
「何なんだよ、このメンツ!? 敵はアーチャーなのに半数以上がキャスターじゃねーか!!」
指を差した方向には、キャストリア・孔明・アイリ・玉藻の前がスタンバっている。
サポート勢のサーヴァントの中に戦闘特化の自分がいると言う、どう見ても場違いなパーティに入れられたクーフーリンに、マスターは不満げに唇を尖らせる。
「しょうがないだろ。無敵貫通のステラ対策として今回はキャストリアが主軸なんだ、フレの孔明先生とうちの玉藻ちゃんでとにかくキャストリアの宝具を回して、5回のステラを受け切るのが勝利条件だ」
「万が一キャストリアちゃんの防御が間に合わなかったとしても、私の全体ガッツ宝具さえ発動すればみんな生き残れるわ。それに、この子もいるんだし」
「ガアアアアアアアア!!」
ニコニコしたアイリの後ろから、やる気満々なヘラクレスの雄たけびが響き渡る。
「ヘラクレスは完全に保険じゃねーか! むしろこれ、俺がいる必要ある!?」
「あるよ! クーちゃんには最初の取り巻き撃破して貰わないとなんだから! ちゃんと本命のアーラシュになったらオーダーチェンジ使って引っ込ませるし! もし打ち漏れで全滅した時はヘラクレスと一緒にガッツで生き残って貰うと言う、とっても重要な役目だってあるんだよ! ほら、クーちゃんは微妙だけど貴重な自己回復使えるし」
「悪かったな微妙で!! と、とにかくキャストリアがいれば俺はアーラシュの耐久戦に出なくて済むんだろ…頼むぜお三方」
マスターの指示間違い――基、自分の幸運Eが発動しない事を祈りつつ、試合開始を待つのであった。
試合が始まる。先峰メンバーは、クーフーリン・キャストリア・フレンドの孔明だ。
最初に現れた取り巻きはクーフーリンで倒し、本命のアーラシュ戦へと入る。
開始早々、永続無敵貫通を発動するアーラシュ。すぐさまクーフーリンと玉藻を交代し、宝具の備えを始めるが。
「うっわ! アーラシュがキャストリアに! しかもクリティカル攻撃!? 仕方ない。少々早いけど、次でNPスキル一部回復するしここで使おう。孔明先生、キャストリアにオーバーチャージ用の魔力を回して!」
「私の宝具だと敵のチャージが減少するが…ここで誰か一人でも落ちる訳にもいかん。いいだろう」
孔明とキャストリアによる連続宝具により、守りを一段階固める。
そして、待ちわびていた瞬間が訪れる。
「ステラーーー!」
最初の宝具が三人に襲い掛かる。しかし、キャストリアの対粛清防御のおかげで防御に成功する。
「よし、1回目耐えた!」
「さーて、HPもスキルも回復いたしますよ!」
「ていうか、さっきからアーラシュ、キャストリアばっかり狙っているような…」
玉藻で回復出来ているが、どう言う訳かキャストリアを集中的に攻撃しているように思えてくる。
そうこうして体制を立て直していると、再びアーラシュのチャージが溜まった。
「2回目のステラだ! みんな、防御準備!」
「「はい!」」
指示を出し、玉藻とキャストリアによる宝具準備をする。
再びステラを放ったアーラシュ。こちらは相変わらず無傷で、あちらは2回目のガッツが発動する。
「よし、残りあと3回! これはもう行けるだろ!」
「だな! お、来るぞ!」
受け流すコツも掴んでガッツポーズを作るマスターの横で、クーフーリンも観戦モードに入る。
そうして、3回目のステラが放たれる。
「よし、3回目のガッツは剥がれた。そして玉藻のおかげでスキルも良い感じに回復してる!」
「キャストリアさん、私の魔力回しますよ!」
「はい!」
アーラシュの宝具を放ってすぐに、玉藻の魔力を使ってキャストリアに再度宝具を張って貰う。
この行動に、同じく観戦モードのアイリが首を傾げる。
「マスターさん、アーラシュさんはステラを撃った直後なのに、もう?」
「もうだよ。4回目のステラは…」
アーラシュの番になった途端、ガッツと同時にチャージMAXとなる。
「この後すぐなんだから!」
間髪入れずに、アーラシュのステラが炸裂する。
こちらも即座に張ったキャストリアの対粛清防御
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