【キングダムハーツ 始まりのチルドレン】 《最終話 ―安息の日々を―》
]V機関の起こした全ての事件も解決した、ディスティニーアイランドの離れ小島。
夕日に照らされる砂浜で、リズ・グラッセ・ムーンはある話をしていた。
『グラッセ…本当にいいの?』
『あぁ、もう決めたんだ』
不安げなリズに、グラッセは決意したように大きく頷く。
そして、目の前の二人に宣言した。
『みんなの記憶から、父さんやリクさん……それにさまざまなキーブレードの勇者に関する記憶を人々から消し去る。そうすれば、もう勇者とか血筋とか関係がなくなるだろ?』
『確かにキーブレードに関する記憶を消せば、持ち主だとしても二度とキーブレードは出せなくなる…いい判断ね、グラッセ』
『だが、始めからキーブレードの勇者として育てられたお前は、みんなの記憶から消える事になるんだぞ? 俺やリズも同類だ。狭間や闇の世界で生きる者達以外は、全員忘れる』
グラッセの意見に賛成なリズに対し、ムーンは不安を隠しきれずに念を押すようにグラッセを見る。
しかし、それでもグラッセの心は変わらなかった。
『構わないよ。リズやムーンが受けてきた苦しみや悲しみに比べれば、軽いもんだ。それに――』
ここで何かを言おうとするが、グラッセはすぐに口を噤んで軽く首を振った。
『――いや、何でもない。リズ、頼めるか?』
『…分かったよ、グラッセ』
グラッセの決意に、長年一緒だったリズは何を言っても無駄だと悟る。
そして、リズは両手を光らせて記憶を操る力を発動させる。
自分達に取って忌まわしき存在を跡形も無く砕く為に。
―――リズが記憶を操る…基、砕く力を発動させて数日が経った。
全ての記憶を壊した事に成功した事を報告しようと、ムーンは仲間の所に行っている。
そしてリズとグラッセの二人は、ディスティニーアイランドの夜の海岸で語り合っていた。
『結構時間掛かったけど……どうにか、皆の記憶からキーブレードに関する記憶を砕けて良かったよ。これで光の世界にキーブレードは二度と現れる事は無いし!』
『そうだな…――じゃあ、これで残るは最後の後始末だな』
『エ…?』
思わぬグラッセの言葉にリズが首を傾げると、キーブレードを取り出して…――そのまま自身の胸へと突き刺した。
突然の事にリズが固まっていると、グラッセから心が飛び出す。その場でグラッセは倒れるが、残る力を振り絞る様にその心に向かって…氷結の魔法を放ち、粉々に砕いた。
『グラッセ!? 何で…!!』
すぐにリズが駆け寄り、消えようとしているグラッセを抱き起す。
すると、身体が薄れる中でグラッセは弱々しくもリズへと笑いかけた。
『実質上、俺は、最後の光の勇者だからな……心を、粉々にくだけば…お前を怯えさせる光は…完全に…根絶やし出来る…』
『グラッセ…』
『闇を糾弾させる…光の血筋は…俺で、終わらせる……そう、決めてたんだ…だから、これでいい…』
最後までリズ達の事を思っての行動だと聞かされ、何時しか彼女の目に涙が浮かぶ。
それを見ながら、グラッセは笑顔を向けた。
『じゃあな、リズ……この新しい世界で…しっかり、いき、て…』
最後まで言い終わらぬうちに、グラッセはリズの腕の中で光となって消えてしまった。
『グラッセ…グラッセーーーーーーー!!!』
―――こうして一人の少年の心を犠牲にし、過去に起きたキーブレードの勇者の存在は人々の記憶から永劫に忘れられた。キーブレードも人々の前に、光の世界には二度と現れる事は無かった。
その代わり、彼は狭間に生きる者達に安息の日々を与えた。彼女達は、決して忘れないだろう。
グラッセと言う、最後のキーブレードの勇者の存在を…。
今 過去 未来も 僕らが願っている夢の欠片 掴み取るまで Challenge the GAME
(カードを指で挟んで立つリズを中心に作品内で登場する登場人物キャラがいる、ゆっくりとカメラがズームアウトして行きやがてカードの絵図になって銀河へと飛んでいく)
《レディゴー!!》
(掛け声と共に軽快な音楽が流れ、さまざまな登場キャラ達が登場しては消えていき、最後にアップでリズが映し出される)
打ち壊せないくらいの問題が
(学校の教室でリズの発言にグラッセの顔が真っ赤に染まっている)
僕らをまた 試している
(月夜のレイディアントガーデンの住宅街の中にグラッセが佇んでいる)
君が胸に 抱き続ける心
(トワイライトタウンの学校で笑顔のテルスと自信無さげのグラッセがアップで映る)
信じ抜いて それが力になる
(泣きじゃくるグラッセと握手するジェダイド、オリンポスコロシ
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想
TOP
掲示板一覧
ゲームリスト |
ゲーム小説掲示板
サイト案内 |
管理人Twitter
HOME