全員がいる大広間から離れたとある客間の一室。
そこに、あるメンバー達が集合していた。
「さーて、全員集まったね!」
呼び出した張本人であるラックとその補佐役のジェダイトの前にいるのは、ソラ・ヴェン・リク・テラ・アクセル・デミックスの六人だ。
集められた六人は不思議そうにラックを見るが、会合一番にデミックスが手を上げた。
「あのさー、このメンバーでどんな演劇するんだ?」
「それは…アタイ主催でお送りする【――――】って奴さ!」
「「なあぁ…!!?」」
ラックが提示した演目内容を聞いた瞬間、リクとテラに戦慄が走る。
だが、残りの人達は真逆の反応を見せていた。
「何それ!? ちょー俺好みの演出じゃん!!」
「俺もやってみたい!!」
「そうでしょう? 少なくとも誰も考え付かないアイデアですし、いい線行くと思うのですが…」
やる気に満ち溢れるデミックスとソラに、ジェダイトは案が通った事に嬉しそうに笑い出す。
「確かに一理あるな。それにちーっとばかし、興味がある」
「でも、俺でも大丈夫かな? ダンスは自信あるけど…」
乗り気になっているアクセルの横でヴェンが不安そうにしていると、ラックが笑顔で肩を叩いた。
「そこは練習やらあの舞台でどうにかなるもんさ! さ、そうと決まれば練習開始だよ!!」
案も決まり、さっそく本番に向けた練習を始めようとするが。
「ま、まて!? 俺はやるとは一言もいってない!!」
「そ、そうだ!! 俺には、そんなものをやり切れる自信が…!!」
不安と言うよりは、明らかにラックの提示した演目を嫌がっているリクとテラ。
何としてでも断ろうとする二人に、親友と弟分が近づいた。
「えー!? リク、一緒にやろうよー!!」
「俺、テラとなら何だって出来る気がするんだ!!」
「「う、うううぅ…!!?」」
キラキラとした純粋な目から放たれる眩い光線を浴びるリクとテラ。程無くして二人の心が折れたのは言うまでもないだろう…。
「うううううぅぅ…!!!」
一方、ステージのある大広間でもリクとテラと同じように呻き声を上げて、床に撃沈して泣いているグラッセがいた。
なぜ彼がこうなっているのかは…前回を参照して頂ければ分かります。
「……俺らが出て行ってる間に、何があったんだ?」
完全に落ち込んでいるグラッセを見てちょっとした話し合いで出て行ってたクウが訊く。
すると、作者であるナナが答えた。
「気にする事ないさ。かるーくグラッセを弄っただけだから」
「お前他人のキャラになんつー事してんだよ!! グラッセがあまりにも不憫すぎるだろ!? ただでさえ本編じゃ主人公って割に酷い扱いばっかりなのによ!!」
「クウ、あなたの言い方もどうかと思うわ…ウィドも少しやり過ぎよ」
「すみません、つい」
同じくクウと一緒に戻って来たスピカが注意すると、姉思い(シスコン)のウィドは素直に謝る。
こうして話が纏めに差し掛かっていると、ナナがまた口を開いた。
「まあまあ。って言うかぁ……前回のアレ、実は結構マシな方なんだよ。リラさんから最終話の内容と一緒にグラッセの人生聞いたんだが――目を逸らすしかないって言うかー」
「一体何を聞いたらそうなるんだよ!? と言うか死亡エンドより目を逸らすしかない話って一体俺に対して何を考えてんだぁ!!?」
何やらとんでもない大きなネタバレ事項に関する事に、グラッセが復活した。
「いや〜、それほどでも〜」
「ラストアルカナムゥゥゥ!!!」
「ぼぎゃあああああぁ!!? それボツ技ぁぁぁ!!!」
そうして、笑みを作って頭を掻くリラに魔術師とは思えない怒涛の連撃を見舞わせる。
広間にリラの悲鳴と殴りつける音が響き渡る中、ウィドは気になってナナに訊いた。
「それで、本来はどんな話なんですか?」
「ん」
その瞬間、なぜかナナはちょいちょいと人差し指で呼びつけ始める。
ウィドだけでなく、クウとスピカも興味を持ってナナに近づくと、三人の耳元に口を寄せて何やらゴニョゴニョと小さい声で話し出す。
話を聞き終えた直後、大人三人組はリラの処刑を終えたグラッセに近づくなり肩に手を置いた。
「グラッセ、今度一緒に町でナンパしに行くぞ。女性の口説き方について手取り足取り教えてやるから」
「クウさーん!?」
「これ、学園世界での転校届です。私の受け持つ生徒を紹介してあげますから、いつでも来なさい」
「ウィドさん、その憐みの目は何!?」
「世の中にはね、リズより強い人物がいるの。だったらリズよりいい女がいる筈よ」
「スピカさんまで!? 何で俺こんなに憐まれてるの!?」
クウだけでなくウィドやスピカまでもが生温かい目でグラッセを
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