演目の話し合いに用意された別室の一つ。
そこには呆れるリズと、思いっきり落ち込んでいる暗いオーラを漂わせているロクサスがいた。
「ねえ、ロクサス。いい加減立ち直ってよー。レイシャもルキルもあっちに戻ったんだよ?」
「立ち直れる訳ないだろ…!! なんで、なんでよりによってあんなシーンを選ぶんだよ…!! どうせなら剣術稽古とか、決闘とか、そう言うシーンの方が…!!」
「それだと人数少ないし、決闘だと大人数でしなきゃいけないじゃない。大丈夫、ロクサスならやれるよ!!」
「そう言う問題じゃないんだよ…!!」
娘であるリズの輝かしい笑顔を見せられても尚、どう言う訳かロクサスは立ち直る事はなかった。
さて、みんなが集まっている大広間へと視点を戻そう。
その入口から前回別の部屋で作戦会議をしていたラック達一行が戻って来た。
「ただいまー! って、あれ…?」
元気よく声をかけて入って来た瞬間、ラックはその場で固まってしまう。
「さすがは姉さんです! あの華麗な戦闘、見事でした!」
「ふふ、そう言ってくれて嬉しいわ。私も久々に身体を動かせて楽しかったし」
「格闘にキーブレード、更にあのような斧まで使えるとは。なかなか見どころがあるな、俺でよければ指南してもいいぞ」
「え、遠慮させて貰うわ…」
「凄いね、カイリ! 何だか小悪魔っぽくて可愛かったよ!」
「ありがとう、私も演じてて楽しかった!」
ウィドと会話するスピカ。レクセウスに言い寄られるクウ。目を輝かせるシオンに笑いかけるカイリ。そんな彼らの周りに人が集まっているのは、まあ至って普通だ。
部屋の片隅で膝を抱えて座り込んでいるグラッセの姿を見ない限り。
「……何で、誰も俺の事を言ってくれないの…? 姿なかったし一言だけだけどさ…それでも誰か一人くらい…!」
「グラッセくん、大丈夫ですか…?」
今にもキノコが生えてきそうなオーラを纏うグラッセに、さすがにジェダイトが声をかける。
そうこうしていると、ようやくリラがラック達の存在に気が付いた。
「あ、ラック。戻って来たって事は…」
「ああ、演目についての話し合いも軽い練習も終わったよ! それで、この後誰もいないならアタイ達でいい?」
「構いませんよー。丁度一組終わりましたから」
ナナが許可を出すと、ラックは笑いながら腕を組んで後ろにいたソラ達に指示を出した。
「よーし! さあ、あんた達! 急いでステージに上がって準備しな!」
「なんか緊張するなぁ…!」
「ちゃんと出来るかな…!」
「「あぁ…とうとう悪夢の時間が…!」」
「二人とも落ち込むなって。すぐに終わるだろ」
緊張を露わにしつつも嬉しそうにステージに上がるソラとヴェンに対し、リクとテラは絶望しきった表情で上がっていく。そんな二人をアクセルが宥めている。
まさしく光と闇を象徴している光景に、ウラノスは不安そうに彼らを見送った。
「…何だ、あの対極のオーラは?」
「ところで、ラック。何をするの?」
リラが質問すると、ラックは自信満々に胸を張り出した。
「ふっふっふ…それは、コレさぁ!! ジェダイト!!」
「はい!」
グラッセの所から戻って来たジェダイトに声をかけるなり、いつの間にか手に持った大きな紙を広げて中に書いてある文字を全員に見せつけた。
『『『ア…アイドルゥゥゥーーーーーーーーーー!!!??』』』
予想を上回ったラック達の演目に広間一帯に絶叫が上がる。
すると、ラックがどこからかメンバーの顔写真が張り付けられた団扇やらТシャツ。更にはペンライトや鉢巻などのグッズを大量に取り出した。
「そうさ! グッズもジェダイトが作って用意したよ!! 欲しい人はアタイの所に「「「「くださーーーーいっ!!!」」」」ってぎょええええええええええ!!?」
(((女ってすげぇ…!!!)))
ラックの台詞が言い終わらない内に、カイリ、アクア、オパール、リリィが我先にと飛び付いてグッズを奪い取り始める。
やがて彼女達の暴走が収まると、ラックは少々ボロボロになっていたがどうにか立ち上がった。
「あ、あいだだ…――さぁて、それでは歌って貰うよぉ!!! 曲名はもちろん、《マ○LOVE1000%》!!!」
「尚、読者の皆様。歌の方は宮野・藤原・置鮎・鈴村・入野・内山ボイスで好きなようにご想像ください。あ、知らないなら適当で全然構いませんので」
「ジェダイトがとんでもない事をぶっこんできたぞオイ!!?」
ジェダイトのメタ発言にムーンがツッコミを入れていると、ステージのカーテンが開いた。
ステージは既に、先程演出したあちこち破壊された宮殿の中ではなかった。
背後には大きなスクリーン。そして
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