今も尚続くイベントで大勢が集まっている大広間。
騒がしい部屋に近づく様に、廊下をクウとウィドが歩いていた。
「畜生…酷い目にあった…」
「酷い目とはなんだ、酷い目とは? あぁ、あちらこちらに存在する古い遺跡…どれだけ攻撃しても倒せない妙な生物が邪魔をしなければもっと詳しく調べたかったのに…」
「倒せないからって遥か彼方まで蹴り飛ばした奴の言う台詞かよ……そいつらもだが、見えない攻撃しかけたり急に変身する二人組と言い、お前に似た陰険眼鏡とか、妙な奴らに襲われてマジ大変だった…」
まるで苦労話のように語るクウ。戦った人物が実はとんでもなく有名で重要な位置に立っているのだが、この二人が知る訳などない。
そうこう話しながら、ようやくクウとウィドは大広間へと戻ってきた。
「よー、戻った…ん?」
クウが足を踏み入れた瞬間、我が目を疑った。
「フィールド上に存在する『深海の○ィーヴァ』に、『深海の○り』をチューニング! シンクロ召喚! 鋭き矛先で全てを貫く、『氷結○の龍グ○グニール』!」
「レベル7のシンクロモンスター!?」
「『グ○グニール』の効果発動! 手札を墓地に捨てる事で、捨てた枚数だけ相手フィールド上に存在するカードを破壊する事が出来る。私は一枚墓地に捨てて、『ガン○○ディア』を破壊する!」
「させない! 永続罠発動『マーシャ○○グ・フィー○ド』! このカードを墓地に送る事で機械属性のエクシーズモンスターを破壊から防ぐ!」
「くっ!」
「さらにこのカードが墓地に送られた時、あたしはデッキから『RUM-アー○ェント・カオス・フォー○』を一枚手札に加えるわ!」
「そんな!」
大広間の中央で、何故か決闘(デュエル)しているリリィとオパール。そしてその戦いを遠巻きに見る観戦者。
この光景に、ウィドは自然とある人物に顔を向けた。
「…リク、これはどう言う状況ですか?」
「どうして俺を見ながら言うんだ?」
そうリクは不満げに言葉を返すが、二人の喧嘩の元凶となるべく存在だと言う事に気付いていない。もはや性質の悪い天然だ。
「俺にも分からないんだ。二人がホワイトデーを迫って来たからみんなで食べれる様にと思って買ってきたクッキー缶を見せた途端、急にデュエルし始めて」
「100%お前の所為だろ!」
大きめのクッキー缶を見せるリクに、即座にクウがツッコミを入れる。
女心としては、好きな人から貰えるとしてもファミリータイプよりも個別がいいのだろう。
「カオスエクシーズチェンジ! これがあたしの最高傑作、『CX 超巨○○中要塞バ○ロン』! さーて、『バ○ロン』で『グ○グニール』に攻撃ぃ!!」
「させないよ! 罠カード発動!」
「見ていると熱い戦いですねー。理由は理由でくだらないものですが」
「だからどうして俺を見て言うんだ!?」
追撃とばかりに毒舌でウィドに言われ、リクは訳が分からないとばかりに怒鳴りつけた。
「さて、クッキーを賭けた戦いが行われていますが無視して次行きましょうか」
「ナナさん、意外と図太いですね…」
ホワイトデーのプレゼントを賭けた決闘を無視して演劇イベントを進行するナナに、リラは呆れを浮かべる。
そんな中で、一人の人物が手を上げた。
「次は俺達が行くぜ」
そう名乗り出たのはムーンで、彼の後ろにはシャオ・マールーシャ・レイア・ガイア・カヤ・ザルディンの7人がスタンバイしている。
「演じるのはアル○ネリ○3だ。折角だし、今の状況にピッタリのイベントシーンを演じるぜ」
「あ、あれですか? でもあれはボツだって…」
自信満々に説明するムーンに、ガイアが不安そうに呟く。
「いいのではないか? 元々候補には上がっていたのだ、状況に合わせての変更もよくある事だ」
「んじゃ、さっそくやるよー」
「ああ…」
マールーシャの助言により決定し、シャオが我先にとステージに上がる中ザルディンはなぜか青い顔で後をついて行く。
こうして役者がステージに上がるのを見送りながら、リラは首を捻らせた。
「一体何のイベントを演じるのでしょうか?」
「さあ?」
同じようにナナも首を捻らせる中で、ステージの幕が上がった…。
場所は巨大な施設の中。階段を上った最上階に、球状型の機械が幾つもの大きなチューブを接続された状態で置かれていた。
「…これが…」
「…DFP…」
「…何か、怖い…」
巨大な機械を見ながらムーン、マールーシャ、ガイアが思い思いに呟いていると、カヤが奥にあるコンピューターに小走りで近づいた。
「さあ、サ○さん。詩(うた)を…」
「…あ…はい。がんばりますっ!」
カヤが声をかけると、レイアが緊張しながら
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