舞台はリングのある会場。その周りでは大勢の観客が歓声を上げている。
彼らの視線の先は、赤と青のグローブを嵌め、上半身裸で無言で殴り合う二人の男。ゼアノートとアンセムだ。
お互いに殴り、殴られ、時たまクロスカウンターがヒットする。二人がボロボロに殴り合う中で、カンカンカンとゴングが鳴り響く。
「試合終了ー!!」
審判役であるルクソードが間に割り込み、殴り合う二人を止める。
アンセムは反対側の席に運ばれ、シグバールも駆け付け声を駆ける。そんな中、ゼアノートは天井に設置された眩しい程の照明を見上げていた。
「もえた…もえつきたよ…」
今にも掻き消えそうな声で呟き、目を細める。
「まっしろにな…」
「どうだ、このネタ。懐かしいだろってハナシ」
リング状の舞台から元の白いステージに戻るなり、監督風だったシグバールも元の衣装に戻って作者二人にニヤニヤと笑いかける。
説明が遅れたが、今やった演目はあ○たの○ョー。これに役者として出たのはシグバール、ゼアノート、アンセム、ルクソードの四人である。
「チョイスしたのはあんたか…オッサンらしいと言えばオッサンらしいけど」
「実写版映画じゃKHでの歌手も携わっているとはいえ…古いネタだから若者、あんまり分かってないですよ?」
演じたのは有名な台詞所とは言え、リラが苦笑する横でナナは首を傾げている一部の若者を指差す。
「だがその他は分かっているんだ。別に問題ないってハナシ。なあ、ゼアノー…ト?」
シグバールが主役を演じたゼアノートに振り返ると、急に凍りつく。
そこには、原作の如く真っ白に燃え尽きて座布団に座っているゼアノートの姿が合った。
「おい、何やってんだ…!? 立て、立つんだ○ョーーーー!!?」
「む? 少し殴り過ぎたか」
「殴り過ぎた所の問題じゃないよねこれ!?」
「これヤバくない!? 誰か救護はーん!!」
演目は終わったと言うのにこのままラストまで突入してしまいそうな雰囲気を醸し出すゼアノートに、作者達も大慌てしたそうな…。
「さて、ゼアノート組も落ち着いた所で――まずはKHV新PV及び新衣装発表おめでと〜!!」
ゼアノートの治療も終わり、ナナは用意していたクラッカーを鳴らす。
いよいよ新しい情報も出始めたKHV。今回少しでも宣伝したいと、新衣装を着たソラが前に出た。
「今まで長かったけど、ようやく発売が見えてきたよなー」
「と言っても作者、未だにリマスタークリアしてないけどね」
「それを言うなら、こっちの投稿なんて数カ月ぶりだろ。ネタはあるのに本編重視に春夏の忙しいイベントに参加。おまけに別サイトでの投稿で完全にここ疎かにして…」
「それは言うなぁぁぁ!!!」
折角ソラが良い事を言ったのに、カイリやリクが余計な事を言う物だからナナは思わず絶叫してしまう。
だが、全て事実なだけに反論なんて出来る筈がない。ゲームは全てプラウドで挑戦中もあるが…さまざまなゲームに手を出したり、再度一部のアニメ放送に嵌りで少々、と言うかかなり疎かになった部分がある。
「ええい、地の分まで! ゲームに関しては昔の攻略本はあるしネットも使えるんだ!! その気になればちゃちゃっとクリアしてやるぅぅ!!!」
(((ああもうこいつダメだ…)))
一度クリアしているとはいえ完全に攻略法便りに、全員は心の中で呆れかえってしまった。
ゲームをしている読者の皆、遊び方は人それぞれとは言え何でもかんでも攻略サイトに頼る様な事は止めようね。
「ほら、折角の祝い事なんですからそこまでにしましょう」
「ええ。今日はお祝いの席なんだからみんな楽しくね」
「先生、それにスピカさん」
宥めるように声をかけたウィドとスピカの登場に、ルキルが振り返る。同じように他の皆も目を向ける。
「…って、何を持っているんですかそれぇぇぇ!!?」
二人の姿と共にあり得ない物体を見てしまい、ガイアが絶叫する。
それもそうだ。笑顔を浮かべるスピカの手には――皿の上に巨大な口をした赤黒い物体が乗っているのだから。
「何ってケーキよ。お祝い事には必ず食べるでしょ?」
『『『それの何処がケーキっ!!?』』』
どこからどう見ても食べ物ではない物体に全員がツッコミを決める中、リクは青白い顔でケーキと言う名の怪物を見ていた。
「何だ…このデジャヴは…?」
「それより何で料理なんて…!!」
恐る恐るジェダイトが訊くと、スピカはニッコリと笑う。
「『祝い事するならあいつらに料理を作ってやったらどう?』ってゼノが言ったの。だからウィドと一緒に作ったのよ」
「お前が原因かゼノーーーーー!!!!!」
誕生日企画ではガイアのおかげで一度は潰えた
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