昨日と同じ今日。
今日と同じ明日。
世界は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。
だが、人々の知らない所で。
世界は、大きく変貌していた―――。
20年前、「レネゲイト」と呼ばれるウイルスが世界中へとばらまかれた。
未知のウイルスは人間へと浸食し遺伝子を書き換え、常識を超えた力を与える。
ある者は光を自在に操り、その姿をかき消す。
ある者は重力を使いこなし、時すらも掌握する。
ある者は電流を発生させ、身体を機械に融合する。
ある者は自らの血液をコントロールし、血の従者を作り出す。
ある者は獣へと姿を変え、強靭な身体を手に入れる。
ある者は肉体を変幻自在に変形し、自分のみならず肉体の一部を相手に浸食させる。
ある者は最速の力で行動し、操る振動は波長を増幅させる。
ある者は無から物質を作り出し、大量の砂を操る。
ある者は万能の天才で、その知識を武器にして戦う。
ある者は領域を自在に変化させ、大地すらも力とする。
ある者は熱を支配し炎を生み出し、相対する冷気で凍らせる。
ある者は薬品を体内で生成する事で、味方に薬を敵に毒を投与する。
現在確認されている12種類のシンドローム。共通する致死量すらも回復する治癒能力。超能力を得た彼らは、超人―――オーヴァードと呼ばれた。
だが、レネゲイドによって与えられる力は常に理性を蝕む。レネゲイドに浸食されれば最後、人の心を失った化け物――ジャームとなってしまう。
力を暴走させ、欲望のままに動く。そんな彼らを止められるのは、同じ力を持つオーヴァードだけである。
人と超人の狭間に立ち、世界を守ろうとする者。彼らは人、超人の双方からこう呼ばれていた。
裏切り者―――“ダブルクロス”と。
これは、決して表に出ない日常の隣り合わせで起きた『裏側』での一つの事件。
変貌した世界の、裏切りと絆、覚醒と衝動の物語。
日常の裏側へと足を踏み入れた学生―――氷結の輝き《コールドダスト》
「いえ…いずれはこうなる運命だったんです。レネゲイドの力がなくても、俺は誰かを不幸にするしか出来ないんです…」
「俺達も行きます! 協力している身ですし、人数は多い方がいい!」
「俺は、もう人間じゃない。だけど、最後まで人でありたいんだ!!」
レネゲイドの力を隠しながら日常を過ごす戦闘員―――月食の獣《ムーンビースト》
「ありゃ相当怖がってるな…よっぽど酷い目にあったんだな」
「正直敵側だから、信用は出来ない…が、あんたはどう考えてる?」
「これでも、この町やお前らには凄く感謝しているんだ。この町に来なかったら、俺は人として歩む事なんて出来なかった…」
守る者から壊す者へと寝返った復讐者―――紅の刃《ブラッドエッジ》
「裏切り者で結構だ。俺はてめぇらUGNなんか信用しちゃいねーんだよ!!」
「へぇ、FHは世界の敵だからやっつけるって訳か? いいな、その傲慢で偽善者のような考え……殺し甲斐があるってもんだ!!」
「もう人間じゃねーよ。レネゲイドの力を――オーヴァードとなった瞬間から、俺達はここにいる奴らとは違うだろ? いい加減自覚しろよ、中身は化け物の甘ちゃん」
世界を変貌させたレネゲイドの集合生命体―――雷光《ライトニング》
「あ、ありがと…えへへ、怖い人かと思ったけど優しんだね」
「でも、見つからない可能性はゼロじゃないよ。あの二人…多分この町の何処かにいるから」
「衝動のままに動いても強くはならない。ボクはそれを知っている…人じゃないからこそ、知っているんだ」
戦いの中で激しく能力を駆使し飛び交う技。
「させるか!! これが俺の盾だ!! 熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)!!」
「うおおおぉ!! 獅子戦孔ぉ!!」
「喰らいやがれぇ!! カーネージシザー!!」
「いっけぇ!! 超電磁砲(レールガン)!!」
「――駆けろ閃光、シーンドライブ!!」
「おっと。君のダイスはここで“打ち止め(ラストオーダー)”だ」
物語を紡ぐ中で、ダイスに翻弄される者達
「これはヒドイ」
「言うな…言うんじゃない…!」
「とりあえず低いな」
「パルパルパルパルパルパル…!!」
「やばい!? 嫉妬のあまり憎悪の眼差しで俺達を見てる!?」
「何でまた2個とも1だぁぁぁ!!? もっと数字出せやぁぁ!!」
「イエーイエフェクトレベルアガッタドー!! もう《リザレクト(復活)》出来ないー!!デモダイスボーナスゲットダゼー!! ジャーム化怖くてダブクロ出来るかー!!」(泣)
「あかん、こいつらダイス目の所為で暴走してるぞ…」
「もう止めてあげてください!! スピカさん泣きかけてますよ!?」
「泣い
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