同時刻、雷で構成された牢獄の中では激しい戦いが繰り広げられていた。
「サンダーブリッツ!!」
「ブラッティ・ウェーブ!!」
ウラノスが雷の突進を繰り出すと、クウは双翼を羽ばたかせ空中でキーブレードから闇の衝撃波をぶつける。
お互いに技を出し合うが攻撃はそれぞれ相殺される。ウラノスは僅かに残る闇を払うと、訝しげにクウを睨んだ。
「闇の力だと…?」
将来、闇や異端の存在を消す人物。そう少女から教えられたが、そうなれば闇の存在である彼も消えるのではないか。
そんな矛盾を感じていると、クウは更に上空に飛んでウラノスから距離を取り始める。
「おっと逃がさねえぜ!! スパークレイド!!」
即座にクウに向かって、電撃を纏った両手のチャクラムを投げつける。
この攻撃に、クウはとっさにキーブレードを盾にして防御する。
チャクラムが当たった直後、纏っている電流が武器を伝ってクウを襲った。
「っ!? や…ろっ!!」
痺れる身体を無理やり動かし、チャクラムを弾き返す。
だが、入れ替わる様に跳躍したウラノスが近づき、思いっきりクウを電撃が張り巡らされている地面へと蹴り飛ばした。
「うぐあぁ!?」
「オラオラオラァ!! 消し炭になれやぁぁぁ!!!」
「くそぉ!! ツッコミ所満載なのに暇がねぇ!?」
飛ばされたチャクラムを握って連続で斬り込むウラノスの攻撃に、クウはすぐに体制を立て直して地面に足を付かない様に浮遊しながら避ける。
(地面に足着いただけでも電撃が襲い掛かる…空中戦に持っていこうにも、こうも狭いんじゃやりにくい!! しかも電流纏ってる状態の武器を防げば感電しちまう!! オッサンよりも性質が悪いじゃねえか!!!)
ウラノスとの戦いに悪態を吐きつつ、昨日戦った一人の仲間を思い浮かべる。
あの時もフィールドは炎に包まれ、防いでも灼熱が襲い掛かると似た部分はある。だが、戦った相手は完全に回復しておらず、こちらには大勢の仲間がいたから勝てた勝負だ。
それに対し、目の前の相手は本気で殺そうとしており、味方は誰もいない。昨日と比べると、明らかに分が悪い。
「おせえぜ、スパークレイヴ!!」
「うぐぅ!?」
考え事をしている隙を突き、高速で何度も突進してクウを斬り付けるウラノス。
そうして止めを喰らわせようとしたが、最後の突進をクウはキーブレードで受け止めた。
「肉を、裂いて――骨を断つ!! ニゲル・プルートォ!!」
電流が襲い掛かるが、クウは防御しながら刻印に込められた『分離』の力を発動させキーブレードを双剣へと変化させる。
そうして一気に闇の斬撃を放つが、ウラノスはチャクラムを盾にして一撃を凌いだ。
「まさか、キーブレードを二本使えるとはな…やるじゃねえか、鴉野郎」
「本気で思ってねえだろ、電撃野郎…!!」
「バレバレか。まあ、俺は全然気にしないけどなぁ!! アングリーラッシュ!!」
そう叫ぶなり、ウラノスは目にも止まらぬ斬撃を繰り出す。
すぐにクウが翼で上に飛んで避けるが、頭上から雷を放たれる。
この追撃を横に避けていると、電撃の壁へと追い詰められている事に気が付いた。
「しまっ…があぁ!?」
気付いた時には既に手遅れで、ウラノスの放った雷が直撃する。
バランスを崩したクウに、ウラノスは一気に近づいて電撃の壁へと叩きつけた。
「ぐあああぁ!!?」
「こいつで沈みなぁ!!!」
そんなクウを、更にウラノスは電撃の張っている地面へと突き落とす。
全身が電流で痺れる中、クウはキーブレードを消すと右手に闇の力を込めた。
「――ダーク…サークル!!」
電撃の床に手を付けると同時に、クウを中心に黒の魔方陣を発動させる。
まるで上書きするように出現した魔法陣に、半ば転がる様に着地する。追加でダメージを負うのを防いだが、すぐに魔方陣の端が電撃に浸食されていく。
(やっぱり即席で構成したんじゃ全然持たないか…けど、これ以上ダメージを負わずに――)
本来、この技を発動させるには手間がかかる。それらを省いた状態で出しても、脆くなり壊れやすいのだ。
完全に魔法陣が壊れる前に立ち上がろうとした時、ポケットに入れていた銀のロケットが白い光を放って足元に転がっているのに気付いた。
「この光、まさか…っ!?」
「こいつで終わりなぁ!! クラッカーサンダガ!!!」
ロケットから放たれる光にクウが目を見開くと、上空にいたウラノスは雷の球体を放ってくる。
すぐにクウはロケットを拾うと、魔法を避ける為にその場で大きく跳躍した。
「ふっ!」
ジャンプしながら、拾ったロケットのチェーンをベルトに繋ぐ。
その間に魔方陣に球体がぶつかり、電撃が広がるように爆発する
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