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CHAPTER52【特訓!ヒトミと闇】

謎の夢から覚めた爽やかな朝。クロナは窓を開き、あの眩しい朝日を見つめ、『一体何時までこんな朝が続くんだろう?』と思っていたりした。夢の中でルプクスとローグが言っていた。ダークエンドは復活しつつあると。詳しい事を知るためにはやはり自分の目で確かめるしか無いだろう。クロナはすぐに出掛ける準備をし、眠っているフウリ達を起こさないように外に出た。

向かったのはそよ風村の東にある地母神のほこら。クロナは地母神のほこらの前で祈っていた。

いつか、ダークエンドもアンチネスも消えて、元の楽しかった世界が戻ってくるようにと………。クロナがお祈りを終えて帰ろうとしたその時、クロナの前に一人の少女が現れた。

ヒトミだ。ヒトミもお祈りに来たのだろうか。クロナはそう思ったが、その予想は外れる事になる。

「クロナさん、ここにいた!」
「?」
「お願いがあるの!」

そう言うとほぼ同時にキーブレードが姿を変えた双剣を構えた。クロナはヒトミが頼もうとしている事を今の行動ですぐに感じとり、キーブレードを構える。

「わかった!」

その叫びと共にダッシュしてヒトミに近づく。そしてクロナはキーブレードを下から上に突き上げるアッパー攻撃を狙ったが、ヒトミはそれを読んでおり、双剣の特徴であるスピードをうまく利用してその攻撃を見事に防いだ。

両者がジャンプして後ろに下がり距離を取る。クロナは雷の魔法、サンダガを使い、雷をヒトミに当てようとしたが彼女が放ったある技によりその策略は砕かれた

「闇よ!」
「え!?」

突如ヒトミが右腕を天高く上げ、そこから闇のエネルギーを蓄えた紫色の巨大な右手が出現し、雷を受け止めた。

「ヒトミちゃん、なんで闇の力を………!?」
「わからないけど、この力は元から私の所にあったみたいなの。」

驚愕するクロナの問いかけに冷静に答えるヒトミ。自分自身でも何故闇の力が使えるのかはわからないが、このような力を使えるとなると、みんなの役に立てると考えた事からヒトミは真剣に闇と向き合い始めたのだ。訳もわからない自らの力と。

「炎よ!」

ヒトミが炎の魔法、ファイガの構えをする。しかし放たれたのは普通のファイガではなく、暗黒の炎、ダークファイガ。クロナも同じ炎属性である通常のファイガで迎え撃つが、闇の炎が打ち勝ち、クロナは吹っ飛ばされた。

「うわぁ!!」
「まだまだここから!」

ヒトミの追い討ちがクロナに襲い掛かるが、流石にクロナもやられっぱなしでは面目ないので、キーブレードを車輪のようにグルグルと回し、やがて回転の力で巨大な竜巻を巻き起こした。その竜巻は見事に突っ込んでくるヒトミを吹っ飛ばし、クロナを守った。ひと呼んで『ストームバリア』。クロナは新しい技を習得した。

その特訓の様子を、一人の人物が遠目に見ていた。

「ほう、キーブレード使い同士の特訓か……。これだから人の心理とは面白い……。」

以前クロナに不思議な言葉を残し去っていった謎の研究者キルアント。相変わらず研究テーマに関連のありそうな事に興味津々のようだ。

「君達。」

キルアントがクロナとヒトミを呼び止めた。

14/08/01 12:44更新 / レイラ
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