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CHAPTER63【二人のキーブレード】

「お前は絶対許さないだと?」
「あぁ、絶対に倒してやる!」

鋭い眼光でクラクションを睨み付ける。その目は殺意で満ち溢れていた。どれだけブラックパラデスの影響を受けようが、自分は自分だったのだ。負傷していたはずの右腕も怒りと共に回復し、右手にブラックパラデス、左手にクロナから託されたシャインセイバーをそれぞれ構え、1度目を閉じる。

「?」

目を開けると、右目は何時もよりも明るい青色で、左目は普段よりも邪悪な金色に変わっていた。ブラックパラデスを手にしてからしばらく使用していなかったカオスアイの能力を発動したという事だ

「そう言えば聞いたことがあるな………カオスアイは心に強い光と闇が同時に存在しなければ発動出来ない。ブラックパラデスを手にしてから心のほとんどは闇だったが、クロナのキーブレードを手に取ったから、一時的に光が戻って、カオスアイが使えるようになってるって事か。」

ライガが恐る恐る俺を見て語ったカオスアイの主要。シャインセイバーは強い光の力を持つキーブレード。それを手にした事により、ブラックパラデスによって塗り替えられていた部分が反応し、一時的ではあるが元の状態に戻っているという事だろう。

「フッ、カオスアイで来るとは………相当本気だな。ならば、」

なんとクラクションも突然目を閉じ、俯いた。

「な、なんだ?」

それを見たライガは突然の事に驚きを隠せない。俺に続きクラクションまでも何かの能力を使ってくると言うのか。そう思った次の瞬間、クラクションが顔を上げた。

なんと髪が白髪になって全体的に逆立ち、目の白黒部分が反転、更には目の色が赤く変化、左目の辺りに不思議な印のような物が出来た。

「な、なんだその姿は!?」
「恐れ戦け、愚民ども。これが俺の本来の姿だ!!」

クラクションの今の姿、それはまるで白い悪魔のようだった。クラクションが言うにはこれが本来の姿だとか。恐らく6皇帝達は本気を出す時のみ、あのような姿をさらすのだと思われる。しかし、ヘルツだけは何故か常に目の白黒部分が反転していた。操られている為か常に闇の力をアラワにしているだけなんだろうか。

「レイよ、お前のその目がカオスアイなら、俺達6皇帝の使うこの能力は、【シャドウアイ】と言った所だろう!さぁ、混沌と暗黒………どちらが上か決めようぜ!」

なんとクラクションは混沌(カオスアイ)vs暗黒(シャドウアイ)の対決を提案してきた。だがレイはそれには一切動揺せず、クラクションの問いには行動で答えた。



一時的ではあるが二刀流となった俺の連続攻撃が止まぬ雨となりクラクションに襲いかかる。それらをクラクションは全てメタルボールを駆使してガードしており、まるで効いていない。それを見かねた俺は更に攻撃の雨を激しく、素早くする。流石にそれは防ぎきれなかったのか、クラクションは拠点の門まで吹っ飛ばされ、音を立ててぶつかった。

「やりやがって……!」

クラクションはすぐに立ち上がると、新たなメタルボールを出現させ、軽く踏んだ。するとメタルボールのあらゆる所から針のような物が飛び出し、クラクションはそれを見てフッと笑った。

「これこそが俺の『ニードルボール』だ!さぁ、世界最強と詠われた俺のシュート………喰らうがいい!」



クラクションがそのボールを蹴ったとき、凄まじい音がこの世界に鳴り響くと同時に物凄い旋風も起こった。その大量の針を装備したメタルボールは先程クロナに命中した物よりも凄まじいスピードで俺に向かって飛んでいく。

「レイ!!」

一体どうやったらあの刺ボールを蹴れるんだよと突っ込む暇も無く、ライガは自分の名前を叫ぶ。

このままではニードルボールは直撃し、最悪の場合、大怪我ではすまさないかもしれない。止めるにしても、あんな凄いシュートを人の手で止められるだろうか。結論を言うと普通は無理だ。ライガがそう思ったその時、俺は軽く笑った。

「こんなシュート、普通の人の手なら取れないな……。」
「フッ………。」

クラクションがどうだと言わんばかりの顔で俺を見て笑う。だが、次の発言によって、その笑顔は驚きの顔となる事になる。

「でも、もし普通の『手』が駄目なら、身体全体を使えばいい!!」
「何だと!?」
「正気かレイ!?ニードルボールは全体に刺がついた鉄球も同然、当たれば大怪我だぞ!!
「確かにそうだな。身体全体を普通に使えば大怪我、いやそれ以上。でも、『身体全体』と『キーブレード』を使えば問題ない!!」

そう叫んでクラクションが放ったニードルボールをなんと打ち返した。ニードルボールは俺の方とは逆方向にいるクラクションの方へ飛んでいく。

「そんなバカな!!」

そう叫んだのも束の間、弾きとばされたメタルボールはそのままクラクションの顔面にヒッ
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