ダーク、白凰、黒凰に続きソラと紫音まで6皇帝に戦いを挑み、メンバーから離脱してしまった。これまで辿ってきた道を振り替えって見てみても、そこにあるのは心配と空しさだけ。俺達にはもはや振り向く事も、引き下がる事も許されなかった。ディアがボーッとしている俺を呼び掛け、俺は軽く頷き一同に追い付こうと走る。そう、彼らは前を向いて進む事しか許されていないのだ。
やがて俺達はこの摩天楼の中でも一際大きいビルの正面入り口にやって来た。不自然な事に扉は開いており、すぐに誘っているとわかった。これは罠だ。だが今ここで進まなければこの浮遊島がいつ暴れ出すかわからない。罠だとわかっていても、俺達は迷わず進む。
ビルの中に入ってもロビーに人は居らず、ましてやサービスカウンターらしき所にもいなかった。そう、ここは無人のビルである。その為空気がどんよりとしており、唯一の明かりさえも無い、暗闇の廃墟と言った所だろう。
だが、何故かはわからないが、同時に何か違和感のようなものも感じた。まるでこの無人のビルで、何かが蠢いたような、そんな気がした。アンチネスならば戦わなくてはならないのだが、当のアンチネスも全く姿を現さず、それ以外の何かかもしれないという考えが密かに浮かんだ。
奥に進んでいくと、他よりも一回り大きい扉を見つけ、開いてみるとそこはなんと真っ黒のプールだった。いや、そもそも水自体に色は無いのだが、この部屋その物が全て真っ黒な為プールの水さえも真っ黒に見えてしまう。現に底が見えているので、水は普通の水である事が確認出来る。
レイ達がその部屋に足を踏み入れた時、向こう側から突然何者かが凄いスピードで泳いできて、大きな水飛沫と共にこちらに飛んできた。泳いでいた人物の正体はベクセスだった。何時もと違い、赤と黒の不気味なギョロ目マーク入りの水着を着用していた。
「ようこそ、私のステージへ。」
「ベクセス!」
ベクセスはその雪のように冷たい目で俺達を見る。その中でも特にフィオの事を見つめていた。フィオを見たベクセスは俺達にもはっきりと見えるくらいに微笑み、自分の前髪を少し弄る。
「みなさんよく来たわね。特に……『フィオ』は。」
ベクセスは何故かフィオという文字を強調して言った。当然フィオはそれが気になり、俺を通り越してベクセスの前に立った。
「特に僕って……どういう事だ?」
「貴方にお礼をしてなかったからね、紫音を……ミカをここまで連れてきてくれた事を。」
フィオはベクセスの発言にはっとした。なんとベクセスは紫音の元の姿であるミカの名前を知っていたのだ。
「どうしてその名前を!?」
「どうして?フフッ、良いわよ、教えてあげる。」
そう言ってベクセスはアンチネスを2体ほど呼び出した。恐らく自分が話している間に自分を倒させないようにしているのだろう。
「紫音は元々、機関の城から奪われたデータを元に作られた改造人間。記憶も本物と同じように作られるはずだった、でも何故消えたのか?それは簡単な事よ。私が彼女を襲撃したからよ。」
「「「何だと!?」」」
衝撃的な発言に驚きを隠せない一同。なんと紫音の記憶喪失にはベクセスが関わっていたのだ。今の言葉だけで信じろと言われたら難しいが、逆に誰の妨害も無しに記憶を失ったとは考えづらい。ベクセスの言葉は正直信じられる物ではないが、フィオには聞く権利がある。自分の大切な人に関わる話を聞くことを。
「あのとき、化学者はミカをカプセルに入れた状態で異空間に飛ばした。最初はトワイライトタウンに流れ着く予定だった。だけど、そこに私が待ち構えていたの。機関の命令でね。私はアンチネスを使ってミカの入っているカプセルを攻撃し、ミカの身体に大きな負荷が掛かってしまった。カプセルも攻撃を受けて墜落。そしてアースについた頃には負荷が大きすぎたショックで記憶を失ったって訳。」
「じゃあ…………、」
ベクセスの話を聞いたフィオは悔しそうに涙を流しつつ、右手に握り拳を作った。
「じゃあ………紫音の記憶を消したのはお前だって事なのか!?いやそれだけじゃない!!カイリちゃんの闇落ちもそうだし、デスティニーアイランドの襲撃や、ナミネちゃんを傷つけたのもお前だって言うのか!?」
「そうだとしたら?」
「ベクセス!!僕と戦え!!決着をつけよう!!」
「良いわ、貴方の無力をわからせてあげる。」
そう言うとベクセスは何故か奥の扉をアンチネスに開かせ、プールに飛び込んだ。
「貴方の勇気に免じてレイ達は行かせてあげる。貴方一人をいたぶるのも面白そうだし。」
「いいや一人じゃない!!」
突如叫び飛び出して来たのはライガだった。ライガの表情は今までになく真剣な物だった。
「何よ?キーブレードも持たないメンバー1の弱小の癖に?」
「確かに俺は
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