i-mobile
CHAPTER75【ヴィヴァードの正体】

「わわっ!!」

突如大きく地面が揺れ、思わずふらつく一同。しかしギリギリの所で踏ん張った。

「なんだ今の音!?」
「わからない。だが先に進むしか無さそうだ。」

先程前の部屋でフィオが覚醒した為、大きな音が発生し、何かあったのかと不安になる俺だが、ディアに呼ばれやむ無く先に進む事にした。

一同はこの暗闇のビルの廊下を走り続ける。一歩進む毎にスピードを増していき、少しでも早くあのダークエンドを名乗った謎の人物の元へたどり着く為に。俺達は何処までも進むしか無いのだ。

「なぁ、レイ。」

後ろについて走っているシュージが俺に話し掛けた。その表情は何か思い詰めたような物だった。

「走りながらで悪いが、聞きたい事がある。」
「何?シュージ先輩。」

俺は決して振り向きはせず、ただ前を見て走りながら答えた。今の彼はただ進む事しか目的としていない為、常に真顔である。

「お前達は以前、クラクションから6皇帝のメンバーを紹介されて、その中にヴィヴァードって名前があったんだよな?」
「うん。」
「これまで、6皇帝達は何度か俺達の前に姿を現して来たが、今までに現れたのはヴィヴァードを除く五人だけ。始めにアレクセイが現れてから今に至るまでヴィヴァードは一切姿を現していない事になる。」
「確かに………。」
「俺が気になったのは、もしそのヴィヴァードが姿を変えて俺達の誰かの味方のふりをしているなら、俺達光の勢力のメンバーの誰かである可能性が高い。」
「まさか、今離脱しているやつらの誰かか?」

二人の会話の中にディアが乱入してきた。ドナルドは流石に理解が難しいのか、黙って走っているのがやっとである。

「あぁ。その中でも、怪しいやつは明らかにいた。」
「それって………?」
「行ってみないとわからない。俺の予想が正しければ、恐らくヴィヴァードは、」

シュージがずっと向こう側にある扉を指差し、叫んだ。

「あそこにいる!!」

その叫びとほぼ同時のタイミングでシュージは小型のメテオと言うべき魔法、ミニメテオを連発し、扉を破壊した。俺達はそのままその部屋に入り、さらに先に進むとまた扉があった。しかしその扉もすぐにシュージにより破壊され、一同は他の場所よりも特に薄暗い廊下に出た。そこにとある人物が突っ立っており、その人物を見たとき、俺達は驚いた。

「やぁ、ついにここまで来たんだね。ディアス君。」

なんとリアスだった。存在しなかった城の時以来行方がわからなくなっていたはずだが、その彼が何故ここにいるのかわからなかったが、少なくともドナルドを除く三人にはわかっていた。

「おや、驚かないのかい?僕がこんなところにいても?」
「………驚かないね。だって、君はずっと仲間のふりをして、俺達に近づいてきた。それに、ブラックパラデスの事だって君だ。そう、君は俺達を騙していた。そうなんだろう……………ヴィヴァード?」

俺の最後に言った単語を聞いたリアスは小さく微笑み、目を閉じた。するとリアスの左目の辺りから不思議なマークのようなものが現れ、開いたリアスの目も白黒部分が反転していた。リアスは自分のキーブレードであるカオスレッグスを構え、俺達を見た。



「その通りさ!僕の本当の名はヴィヴァード!6皇帝最強の戦士だ!!」

そう強く叫んだリアス、いやヴィヴァードはキーブレードを力強く地面に突き立て、俺達を謎の緑色の空間に引き入れた。アレクセイとは違い、何処までも広がる広大な宇宙のような広さを持つ空間で、俺達は何が起きたのか理解出来ていない様子。

「ここは君達の墓場となる場所!ここでの敗北は死と同じだ!!」
「何!?」

ヴィヴァードの口から放たれた言葉。それはここでバトルに破れれば、それは生命の終わりと同じという事。この空間に閉じ込められた俺達がここを脱出する為には、ヴィヴァードを倒すしかない。

「レイ・ディアスよ!僕を倒さぬ限り、ダークエンドの元へはたどり着けない!さぁ戦うのだ!!」

ヴィヴァードの言う通りだった。確かに倒さなければならないのだが、彼は俺をこれまでサポートしてきたリアス。戦うのには躊躇いが生じる。俺はヴィヴァードを目の前にしているにも関わらずキーブレードを構えない。いや、構えられないのかもしれない。

「どうした?何を躊躇っている!?君には帰ってくる事を約束した友がいたのでは無かったのか?その友の為にかつての友を切り捨てる事が出来ないのか?」

俺はしばらく黙って俯いていたが、約束した友『クロナ』の事を思い浮かべ、あることを決意すると共に顔を上げた。

「……………わかった。俺はお前を倒す!」
「………良いだろう。来い!!」

俺は両手にキーブレードを出現させ、ヴィヴァードに向かって全速力で走る。ヴィヴァードの前に来た所で飛び上がり、高
[3]次へ
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想

i-mobile

TOP TOP
掲示板一覧 掲示板一覧
ゲームリスト ゲームリスト | ゲーム小説掲示板
サイト案内 サイト案内 | 管理人Twitter
HOME HOME