暗黒に包まれた空に現れたのはダークエンドドラゴンであってダークエンドドラゴンではなかった。あれはまるで光と闇、天使と悪魔、聖騎士と魔王、二つの力を取り込み、左右両方に四本の首と羽を持っており、合計八つの首と羽で、さらに前の姿よりも巨大化している。あの巨大な竜からは光の力も闇の力も感じる。
「あれは………ダークエンドドラゴン!?」
「いや………あれは………、」
俺はこの時、リアスが言っていた言葉を瞬間的に思い出した。ダークエンドドラゴンには隠された姿があると。あの言葉の意味は恐らく、あの姿の事だろう。
「光と闇、二つの力を持っている…!」
「あえて呼ぶなら、【カオスエンドドラゴン】って所か。」
ダークエンドドラゴンが鈴神を吸収する事で進化を遂げた姿、カオスエンドドラゴンは光側と闇側からそれぞれ1つずつ頭を出し、二つの口から強大なエネルギーを放つスパーク状の弾丸をアースの海に飛ばした。
その弾丸が海に直撃したとき、大きな音と共に大津波が発生し、アースの島々に激流となって襲いかかった。アースの住民達は大パニックに陥り、逃げようとするがいつの間にか現れたアンチネス達に阻まれ、いとも簡単に攻撃され意識を失ってしまった人が絶えず出たという。しかも全ての世界は今、浮遊島の力によって1つにされようとしている為、アースを攻撃するということはもはや全世界を攻撃する事と同じだった。
アースの住民はもちろん、他の世界の住民達も大混乱に陥っている為、この世の終わりを嘆く者もたくさんいたとか。今この瞬間、数々の悲鳴がこの世界に響き渡り、人々はあの伝説に出てくる竜を思い出した。
かつてこの世の全てを破壊しつくした伝説の破壊神、暗黒竜ダークエンドドラゴン。今まさに、過去の災いが再び起こっている。
「早く!みなさん逃げてくださいっ!」
「こっちです!!」
現在フウリやライヤ達が人々を避難させているが、助けられたのはほんの僅かであり、惜しくも無くなってしまった命の方が多いという現状はフウリ達をとても悔やませた。
「くっ………駄目なのか………もう、世界は………!」
その絶望的な状況を見たリクは空に浮かぶあの浮遊島を見上げる。
地上には大津波や大量のアンチネスと、大パニックが起こっているが、俺達はこれを止めるただ一つの方法をわかっている為、とても落ち着いていた。そう、あのカオスエンドドラゴンを倒す事である。全ての元凶であるカオスエンドさえ倒せば、大津波は止められなくともアンチネスは完全に消滅させられるはず。だがカオスエンドは空を飛んでいる。キーブレードライドで向かっても戦いづらく、結局は破れてしまう為、どうするのかわからずに立ち止まっていた。
早くしなければ地上は崩壊し、全ての世界が滅びてしまう。全員が諦めかけたその時、またあの声が聞こえた。
――諦めては駄目です!――
「母…………さん?」
――希望はまだ残っています!――
「でも、どうやって……?」
――レイ、貴方は強い子です!――
――貴方のその名前の意味は、みんなの心を照らす優しき光!――
――さぁ、みんなの為に今一度輝いてください!!――
ケミアの声が聞こえなくなると、突如俺のみが不思議な光に包まれ、カオスエンドのいるあの空へと飛んでいった。それを他のメンバーは心配そうに見送る。この時、まだ誰もわからなかった。彼にもう会えなくなる事を………!
それを外で見上げていたヒナタは衝撃を受け、手に抱えていた書物を開き、その文を読む。
「光の勇者は………他人の心を強く照らし出し、心を通わせる……!そして、心の繋がりを頼りに、仲間の心を一時的に借りることで複数のキーブレードを使いこなす………!それは、光の勇者を受け継ぐ者にも秘められし能力……!」
やがて俺を包み込んだ光はカオスエンドのいる空に飛び出し、光は少しずつ俺の背中に羽のように変化しくっついた。そして俺はカオスエンドを見て、強く叫んだ。
「………うおぉぉぉぉぉぉぉぉっーーーーーーーーーー!!!!」
その大きな叫び声と同時に俺は銀色の光に包まれ、普段着が全体的に銀色に変色し、俺の背中からなんと四つのキーブレードがその姿を現した。それを掴みはせず、なんと普通に浮かせている。ケミアの影響か、超能力まで使えるようになっているようだ。
「すげぇ…………!」
「あれは……一体?」
――これが、ファイブ・ブレード光の勇者の力――
――さぁ行きなさい、レイ――
「みんな!!俺に最後の力を貸してくれっ!!!!」
カオスエンドの激しい雄叫びも物ともせず、俺は四つのキーブレードを自由自在に使いこなし、カオスエンドの首を攻撃した。そのダメージは絶大で、カオスエンドはもがきながらも四つの頭で攻撃を仕掛けるが、全てキ
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