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CHAPTER80【Wish Story キミの願い】

「うぉぉぉお!!」

俺の叫びとほぼ同時に四つのキーブレードがカオスエンドドラゴンの残り1つの首に向かって飛んでいく。だがその攻撃は何かに阻まれた。なんとカオスエンドドラゴンの頭には混沌の力を感じるバリアが張られていた。よく見るとカオスエンドの八つの羽が輝いている。恐らくあの羽がバリアを作り出しているのだろう。

俺は頭を狙う前にまず羽を切り落とす事にし、まずは白い方、光側から切り落とす事為に一旦下の方に降りた。

「いっけぇぇ!!」

俺は四つのキーブレードを構え、なんと四つの羽を切り落としながら上に駆け上がっていく。この瞬間バリアの力が弱まり、残る動力源は闇側の羽だけとなった。闇側の羽も同じように攻撃し切り落とした。

カオスエンド・ドラゴンの大きな叫び声。この痛みにもがき苦しんでいるのだろう。全ての羽と七つの首が切り落とされても尚空中に浮遊している。どうやらカオスエンドを浮遊させているのはあの羽ではなく、もうすぐカオスエンドの一部になろうとしている鈴神の吸収した力だろうか。あの場所から少しずつ鈴神の力を吸収し、羽が無くとも浮かんでいると考えるのが打倒であろう。

「なっ!?」

この瞬間、俺は衝撃を受けた。なんと今まで切り落としたはずの首が再生し、先程消滅させたはずの羽までも回復した。やはりカオスエンドの腹の口に囚われている鈴神の力を吸収してあの姿を保っているのだろう。鈴神は元々光の住民。それを取り込む事で光と闇を調律し、光でも闇でも無い、混沌の力を手にいれた。

鈴神を動力源とし、再生を行っている為、カオスエンドから鈴神を切り離さない限り、幾ら攻撃しても何度でも再生してしまう為切りがない事に気が付いた俺はカオスエンドの腹の口にもうすぐ完全に取り込まれようとしている鈴神を助け出す事にした。


「鈴神!」
「………レイ……?」

もうすでに鈴神の下半身が取り込まれていた。しかももうすぐで上半身までも吸収されそうである。俺は鈴神の手を取り、腹の口から引っ張り出そうとするが、それをカオスエンドは阻止しようと五つの首で妨害を心見るが、俺のキーブレードの内3つによって阻まれた。残り一本は俺が鈴神を引っ張り出すのを手伝うように鈴神を拘束している触手のような物を斬ろうと動いている。

「…んん………鈴神…!」
「何故です?何故そこまでして?」

鈴神は何故自分を助けようとしているのか理解出来なかった。そもそも先程までカオスエンドに吸収されようとして気を失っていた為、自分が動力源と化している事に気付いていないが、それ以前に裏切ったにも関わらず敵であるはずの自分を助ける事など理解しがたかった。

「わからないの?……決まってるでしょ……?」

俺は渾身の力で鈴神を引っこ抜こうと踏ん張りながら、叫んだ。

「それは………鈴神 毎夜が仲間だからだ」
「仲…………間?」

俺は見事に鈴神を助け出す事に成功し、腹の口の中から脱出に成功した。鈴神は俺に抱えられており、二人はカオスエンドを見上げた。

カオスエンドの身体は少しずつ灰と化しており、苦しそうな叫びを上げながらどんどん下に落ちていき、凄まじい音と共に海の底に落ちていった。それをしっかりと確認した俺は鈴神の顔を改めて見る。それは何かに絶望したような顔だった。

「……終わりです。」
「えっ?」
「もう私の理想は叶わない。」
「……………そう言えば、ダークエンドと契約してたって言ってたけど……望みって何だったの?」
「…………私は……見たかったんです。誰も争う事の無い、誰もが何時までも笑っていられる世界を……だから私はダークエンドにそれを叶える代わりにと協力しました。でも………それももう叶わない………!」

鈴神は悔しさのあまり涙を流す。イエン・シッドの所にいた頃からずっと理想の世界を求めて活動してきた彼女だからこその願いであり、例え今の世界、人々を滅ぼそうとも未来に生きる人々の為に今回の事件を起こし、行動したが、契約を交わしたダークエンドもたった今俺に倒され、望みは絶たれたと思い絶望しかけたその時、俺が言った。

「違うよ。」

鈴神は『何故?』と言うような顔で俺を見た。俺はずっと無表情のままこの空を眺めながら語り出す。

「違うよ鈴神………いや毎夜。確かに理想の世界を創る事はみんなの願いだけど……それを毎夜一人で抱え込む必要は無いんだ。それに、ダークエンドに協力してそれを叶えたとしても、未来の人達はそれを望むと思う?どれだけ世界をやり直しても、人々の心が腐敗したままなら、結局は同じなんじゃないかな?」
「なっ…………。」
「毎夜………もし君が本当に世界を救う事を望むなら………みんなと、クロナ達と一緒にそれを創るんだ。何時になるかはわからないけど、きっと創れるよ。」

そう言うと俺は鈴神を
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