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DREAM6【七つの星】


「そう言えば、『あの二人』は?」

私――クロナはこの世界に来る前にあの二人を連れてくるように頼んだが、一向に二人が姿を現さないので、ローグに聞いてみた。ローグは数秒ほど欠伸をしてから言った。

「ルプクスが二人を説得してくれるらしいが、もしかしたら、もうすでに城の方に来ているのかもな。」
「わかった。じゃあ行こう!」

私は羽を広げ、城の方へ飛んでいった。それを見たレンは何となく呆れた表情をして追いかける。ローグは相変わらずのポーカーフェイスで歩き出す。

僅か数分で城門前にたどり着いた。そこにはルプクスと、私が呼んだ二人――フィオ君とダーク君がいた。しかし私と違って二人の姿は変わっていなかった。

「あっ、クロナちゃん!」

フィオ君が私を指差して驚く。この様子だとまだこの世界に来たばかりで、何がどうなっているのかわかっていないのだろう。

よく見るとその隣にいるダーク君も理解に困っているような表情をしている。まぁ夢の世界自体、難しい事ばかりなんだけどね。

「え〜と、何処から説明しようかな……。」

どう説明すればわからない様子だったが、ルプクスはフィオ君とダーク君にこの夢の世界の事、今この世界に何が起こっているのか、何故この世界に来たのかを簡単に説明した。

「じゃあ、俺達がここにいるのは、クロナに呼ばれたからって事か。」
「うん、ごめんね、勝手で。」

勝手に二人を連れてきた私は、申し訳無さのあまり頭を下げた。寝ている途中に突然連れてこられて頭が混乱しているはずと考えると、さらに申し訳無くなってくる。

「良いよ別に、僕達だってレイを探したいし。」
「あぁ、俺達には、あいつに会って話さなくちゃ行けない事がある。」

二人の言葉を聞き、私は俯いていた顔を上げ、二人の顔を見てみた。二人の表情は迷いの無い、光に満ち溢れた純粋な物だった。私はそれを見て安心感を覚え、一ヶ月ぶりに本当の笑顔を見せた。

「ありがとう。」

二人の行為に言える事はこの『ありがとう』だけだった。自分のワガママに付き合ってくれた二人には感謝してもしきれないくらいに。

「そう言えば気になったけど、なんで二人の姿は変わってないの?」

私は思わず二人の姿の事が気になり、聞いてみた。だが二人がそれをわかる訳もなく、二人の代わりにルプクスが説明してくれた。

「二人はクロナさんと違って、夢の世界の事を何にも知らない状態でこの世界に引き込んだから、せめて姿だけでもそのままにしておこうと思って。」
「……なるほどな。」

フィオ君は何がなんだかわかっていないようだけど、ダーク君は理解出来た。流石は私達の中ではマトモな人って所かな。マトモだからこそ何時もフィオ君達にいじられる苦労人でもあるんだけどね。

「おっ、全員集まったな。」

後ろの方からローグとレンが来て、私達はやっと合流する事が出来た。私は一通り両者の紹介をし、ダーク君はローグと、フィオ君はレンとそれぞれ握手をした。

みんなお互いの事をわかった所で、ローグが『どうしても教えなくては行けない事』があると言って城の中へ入っていった。ローグの後を追いかけて行くと、奥に大きなモニターがついていて、真ん中に細長いテーブル、それを囲むようにして置かれた大量の椅子、全体的に水色の壁と言う、会議室らしき部屋にたどり着いた。

ローグが何か端末のような物のスイッチを押すと、モニターに聞き覚えの無い文字が写った。私はその文字を読み上げる。

「【七星座】?」
「そう。この世界を脅かす、驚異だ。」

ローグの放った言葉はあまりにも衝撃的だった。新たな驚異がこの世界に現れていると言う事は、今この世界は相当危機にさらされているのだろうか。そう思ったその時、ルプクスが七星座について語り始める。

「七星座は、この夢の世界を壊す事を目的としている七人の使者の事で、ナイトメア達を操る事ができるらしい。恐らくさっき町を襲おうとしていたナイトメアは、七星座が差し向けた物ね。」

「何故七星座が夢の世界を恐そうとするのかはわからないけど、やつらが世界にナイトメアをばらまくせいで、現実世界の子供達は夢を奪われ、この世界の崩壊が近づいて行ってしまっている。」

「やつらの企みはまだ不明だけど、それを止めなくてはならない!」

私達三人はもちろん頷いた。この世界が壊れれば、現実世界の子供達は二度と夢を見る事は無く、未来への希望を抱けなくなってしまう。それだけは避けなければならない。

「七星座の情報は無いの?」

聞いたのは私だった。もし何の情報も無いまま七星座とぶつかったら、恐らくあっさりとやられてしまうと思っての行動である。ルプクスは頷き、答えてくれた。

「残念ながら、メンバーくらいしかわからないのよ。」
「それでも教えて!」
「……
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