ここはデスティニーアイランド。ソラやリクの故郷であり、常に季節が夏と言えるほど気温が高い。ここの山付近にある高台に彼はいた。
「はぁ…疲れたー!」
俺――レイは勢いに身を任せその場に寝転がる。先程まで長時間に渡る作業をしていた為、眠気が一気に出てきてしまい、つい目を閉じた途端眠りについてしまった。
眠りの中、俺が誰かと結婚している夢を見た。紫色の髪の人が俺の隣にいる。クロナだといいと思うが、残念な事に夢はここで途切れてしまった。
「……ーイ、レイ君?」
眠り始めてから数分後、誰かに額を突っつかれた。目を開けてみると目の前にクロナの顔があった。
「うわっ!!」
驚きのあまり彼女の額にぶつかってしまい、痛みを堪えながら立ち上がった。
「いっつ〜!」
「ごめん、大丈夫!?」
「うん、そっちも大丈夫そうだね」
彼女の名前はクロナ。俺の幼馴染みで一番好きな人でもある。この高台は俺達にとっては何時もの場所であり、それでクロナも俺がここにいる事がわかったのだろう。
「それにしても…脅かさないでよ、もぉ〜!」
「そっちが勝手に驚いたんじゃん!レイ君の事だから寝てると思ったんだよね〜!」
俺達の他愛無い会話は続く。そもそもクロナは俺が呼んだのだが、デスティニーアイランドとだけ言ったので少々不安だったが、無事に出会う事が出来た。そして、そもそも何故デスティニーアイランドで待ち合わせしたのかと言うと……
「見てあれ!」
そう、パオプの実だ。デスティニーアイランドに生えてる木の実で、これを食べさせあった二人は必ず結ばれると言う言い伝えがあるらしい。所詮おまじないと馬鹿にする人もいるが、少なくともこの世界の子供達全員は信じているだろう。
「わぁー、おっきい木の実だね?レイ君、これは?」
「パオプの実って言ってね、不思議な言い伝えがあるんだ。それはね……」
「オーイレイ、クロナ!」
パオプの実の解説をしようとしたとき、丁度島に来ていたソラに出会った。茶髪でツンツンした髪型、青い瞳を持つキーブレードの勇者だ。一時期一緒に旅したこともあり、今では大切な友達である。
「あっ、ソラ君!」
「おはよソラ!」
「二人共朝早くからどうしたんだ?もしかして今日がバレンタインだからみんなでとか?」
「そう!それだよ!!」
「ははっ、羨ましいな」
「それは君もだろっ」
俺はソラを挑発するかのように肘で彼を突っついた。その途端にソラが顔を赤くしたのは言うまでもない。
「ソラ君、カイリさんからもらえるもんね〜」
「いや違うって!まだ決まった訳じゃないっての!!」
取り乱してクロナの意見を否定してはいるが、今の真っ赤な顔では説得力が無い。クロナはカイリとは仲が良いので、色々と聞いているらしく、彼女曰く『カイリはソラに作る』宣言していたらしい。ちなみにその時にソラ(と俺を含む男性陣)はいなかったので、全く知らない。一応俺はクロナを通じて知ってはいたので他のみんなが来るまでソラを弄りつつ競争をしたりして遊んだ。その時にクロナがパオプの木(人が数人座れるほど極端に曲がった木)に座って見ていたのはお約束。
そして、昼頃に全メンバーが揃った。と言っても、バレンタインに該当するメンバーのみだが。
結果ここにいるのは俺、クロナ、ダーク、フィオ、ライガ、ヒトミ、ソラ、リク、カイリ、紫音、そして意外にもディアがいた。
「えーと……」
「なにやってるんだレイ?」
あるものの割合を計っていた俺にライガが話し掛けてきた。彼は本編から離れてもやはりしっかり者であり、個性が強いこのメンバーの中、上手く注意しては振り回されている。
「男性七人女性4人…これじゃ3人余んない?」
「あぁ、男女の数数えてたの…」
そうとう俺の考えている事が深刻だと勘違いしていたのか、とてつもなく呆れてしまった。だがライガはすぐに立て直し、ダークに話し掛けた。
「なぁダーク、このメンバーで、どんなペアが生まれると思う?」
あまりにも単純な質問だった。誰と誰が結ばれるか、早い話それだった。このペースで行くと二人余る事になるが、確かに気になる所である。
「えっとそうだな…レイ
amp;クロナ組とソラ
amp;カイリ組は確定だと思うんだ」
「ほう」
「それでフィオ
amp;紫音組もありそうなんだが……後のやつがわからん」
「後のやつってあいつか?」
そう言ってライガはある人を見た。ヒトミだ。確かに彼女だけろくに候補が挙がらない。
「おい、俺はどうなんだ?」
二人の話にリクが割って入ってきた。その表情は何処か不安げであった。
「俺は誰とペア組むと予想する?」
「うーん、余る」
ダークの率直な意見。本編での出番も中途半端であったリクはここでも中途半端に終わってしまうのだろうか
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