心の中で彼にお礼を言い、暫く時間が経つと直ぐ様元の私に戻った。計ってみたら制限時間は2分半だった。予想していたよりも割りと長かったが、そんなに長くないのも事実だ。
「な、なんだよ今の!?」
みんなが駆け寄り、一番最初に話し掛けてきたのはダーク君だった。表情からしてかなり驚いている様子。
「D-リンクって言ったよな!?てか一体何したんだよ!?」
ごもっともなダーク君のコメント。だが私はアディアに言われたままにやっただけなのでこの力の詳しい詳細はわからない。そもそも心の繋がりや絆が関わっていると言う事くらいしか確かな情報が無いと言うのが現実である。
「わからない。私はアディアに言われてやっただけだし」
悩んだ末に正直に答えた。その際にアディアを見ながら言ったので彼女が頷き、補足するかのように語りだした。
「D-リンクは心の繋がりや絆を辿って相手の力を一時的に借りれるけど、誰でも使える訳じゃ無いんだ。お互いが本当に信頼し合い、強い絆で結ばれた相手がいないと駄目だし、何より心が強い人の中でもさらに強い心の持ち主じゃないと駄目なんだ」
「…うっわ、複雑だなぁ」
アディアの長々しい解説が終わり、整理がつかないダーク君を他所にディアが率直な感想を述べた。
「……まさに外道だな……!」
………。
暫くこの通路に沈黙が続き、とうとう私達は知らないふりに走り出した。
「じゃあ行こうか」
「そうだな」
「あれ誰だっけぇ?」
「さぁね?」
順に私、ダーク君、フィオ君、アディアの悪ふざけと共にディアの元からメンバーが去っていく。流石に他人のふりは悲惨すぎたのか、ディアは物凄いスピードで私達の前に滑り込みつつ土下座の体勢をとった(俗に言うスライディング土下座)。結局私達は全メンバーでこの先に進む事に。
やがてたどり着いた場所は見慣れない部屋だった。ただよく見ると天井に先程私達がいたピンク色の壁が目立つ喋るドアノブのいる部屋が逆さまで存在していた。その部屋であってその部屋ではない。あのネコの言葉はやはり正しかった。
「さて……七星座は何処だろう?」
アディアが先頭を歩き、警戒しつつ七星座を捜索し始める。だが正直な話こちらから探さなくても彼らの事だからあっちから出てきてくれると思う今日この頃。
「やはり来たか」
やはりと思い上を見上げると、電灯の上に七星座の一人であるドゥーハが腕組をして立っていた。高さ的にえらく見下されているような気がするのは気のせいだと信じたいが、そうもいってられない。
「ドゥーハ……」
「後少しでこの世界を破壊出来ると言うのに、そこでお前達が現れるとは…どういう風の吹き回しだ?」
「…こう言う風の吹き回しだ」
後少しで破壊出来たと言う事はすでに準備は整ったと言う事を意味しているのだろう。ディアはドゥーハとは初対面であるにも関わらずいきなり茶番を仕掛けている。ローグ達から話を聞き、彼の表情からドゥーハと言う人間をある程度理解したのだろうか。
「新しいメンバーがいるようだが?」
「俺の名前はディア・マークス。元純粋な闇だ」
「なるほど、お前が光の勇者の闇の部分か……」
「夢の世界でもそこそこ有名なんだな?」
この世界に来て最初の敵であるドゥーハと新しいメンバーであるディアが何故か話し込んでいるのを見て、何故だか話に入りにくくなってしまう。この二人はどういう訳か気が合うのだろうか。
「お前の事は聞いている。確か光になろうとして奮闘している……ナイトメアから情報を得た事がある」
「ナイトメアか……まさに外道だな」
いい加減に言うなよと言わんばかりに先程言った言葉を再び発言したディア。お気に入りの台詞かなにかだろうか。と言うかそもそも自分が外道的な存在である為、ある意味人の事が言えない台詞である。
「お前の事情はクロナ達から聞いた。仲間の為に汚れ仕事をやってるそうじゃないか」
「…何とでも言え。どんな犠牲を払ってでも死んだ仲間を甦らせると決めたんだ」
「ベネトナシュにそう言われたのか?」
「そうだ……」
「はぁ……姑息なのもいいところだな」
ドゥーハ達エージェントを唆したベネトナシュに対して姑息と言ったディアだが、これは決して間違いではない。姑息は一般的には卑怯だとかそこら辺の意味として用いられる事があるかもしれないが、本当は所謂その場しのぎと言う意味であり、今回の場合ベネトナシュが彼らを従える為にその場しのぎの嘘をついたと言う事である。
「だが、それを信じなければ俺達はどうやって生きていけば良い!?」
「チッ……」
ディアが一瞬舌打ちし、ドゥーハに向かって巨大な闇の炎、ダークファイガを飛ばした。それは見事に避けられてしまったが、それよりもディア自身の事が心配だ。光になる為にこれまで闇を
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