俺の名前はレイ・ディアス。基本的には下の名前で呼ばれる事は無いけど、たくさんの友達にも囲まれて今は仲間と共にこのデスティニーアイランドで暮らしている。
仲間と過ごす日々はとても楽しい物で、これからも変わることなく続いてほしいと思っていたが、それはある日を境に変わった。
2月13日の夜に届いた、あのメールが切っ掛けだった。
『明日、大切な話があります。一人で高台まで来てください
クロナより』
俺の幼馴染みで一番の親友であるクロナ・アクアスからのメールの内容は明らかに何時もと違った。普段ならまるで俗に言うマシンガントークのように大量な内容なのだが、今回ばかりは珍しく一言しか書かれていなかった。
「俺、何かしたかな?」
明らかに何時もと違うメールの内容に俺の不安はざわつき、俺はさっさと布団の中へ入りその日を終えた。
次の日の朝、デスティニーアイランドの俺の家はアースにある実家程では無いが広く、軽く五人家族ならごく普通に暮らせそうだ。少し前までこの家に慣れていなかったなんて今ではとても信じられない。
そう言えばクロナのメールには詳しい日時などが書かれていなかった。幼馴染みだからこそわかるがクロナは普段七時に起きる俺よりも早く起きていたはず。それほど大切な話ならもうすでに起きて高台へ向かっているのだろうか。
朝食は簡単な物を作り、急いで仕度して家を出た。扉の鍵を閉めて暫く歩くと、何時もの二人に出くわした。
「よっ、相棒!」
「お早うレイ!」
藍色逆立ち頭の自称俺の相棒ことダークと、小学生並のルックスに定評のあるフィオ。クロナほどではないが長い付き合いの親友だ。
「お早う二人とも、これからどっか行くの?」
「いや、お前を誘いに来たんだよ」
「とかなんとか言って、本当は宿題手伝って欲しい癖にー」
ダークの発言は呆れるフィオの言葉ですぐに嘘だとわかった。いや、一応本当なのだが、普段宿題などの課題をやらず俺達といる事の多いダークの事を考えるとやはりフィオの言った通りになるだろう。
「う、うっせ!それよかソラ達もくっからさ、お前もどうよ?」
「ごめん、俺大事な用事があるから」
俺を誘う親友二人に素直に頭を下げた。何時もなら断る理由など無いのだが、今回ばかりは話が別だ。人生で最も付き合いの長いクロナの様子が何時もと違うとなると気になって急ぎたくなるのだ。現に暑くもないこの気温の中額から流れる汗がそれを物語っている。
「まだ八時なのに、それほど大事な事なのか?
「もしかして、学校の補習?」
「そ、そうそう!」
ダークとフィオはやはり怪しんでいるようで、俺はフィオの話に合わせることで誤魔化そうとしたが、すぐに突っ込まれた。
「補習?お前しょっちゅう85点取ってただろ。そんな優等生が何で補習なんだ?」
「こ、今回は赤点だったんだよ!」
流石は相棒を自称する男。ダークはかなり観察力が良いようだ。実際俺がそのような点数を取っているのは本当だ。低くても65点ほどなので仲間達からはよく誉められていたのだが、逆に覚えられていたとは思わなかった。
「ふーん、じゃあなんで制服じゃねーんだ?」
「確かに、これから学校行くのに私服な訳無いもんね!」
永遠に終わらないダークの質問責め。しかもさらにそれをフィオが後押しするように付け足す。ここで素直に言えばこの質問のスパイラルは止まるだろう。しかしクロナの事を正直に言ってしまって良いのだろうか。彼女なら駄目と言うだろう。
「も、もう行くね!」
「「あっ!」」
流石に質問責めに耐えきれず俺は走って逃げ出した。幸い二人は追ってこず、ポカンとした表情を浮かべるのみだった。
「なんだあれ?」
「……さぁ?」
なんとか二人を振り切り、俺はやっとのことで高台にたどり着いた。ここは俺とフィオとダークが三人でよくアイスを食べたり語り合ったり、遊んだりした場所であり、ここから見える町の景色は絶景その物だ。特に夕暮れではそれがさらに輝くのは言うまでもない。
この高台は山の近くにある。その近くで俺はとりあえず何時も通りアイスを購入し、この場所へと来たのだが、やはり彼女はいた。高台の丁度真ん中辺りに立っていたのだ。
「レイ君遅いよ」
「ご、ごめんクロナ」
「一時間十二分三秒遅刻だよ!何してたの?」
「一々細かいよ!て言うか正確な時刻書いてなかったよね!?」
あまりにも一方的に怒るのでそう言ってやると、クロナはすぐに気付き、頭を下げた。
「ごめんなさい、あまりに大事な事だったから忘れてたわ」
「良いよ、で……話って何?」
その言葉を言い放った時、クロナは一瞬頬を赤らめた。それに疑問を抱いたのも束の間、クロナは俺に背を向け、右腕をもう片方の手で後ろで取り、顔のみがこちらを見た。
「レイ君、
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