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CROSS6【謎の“影”】


「リーダー、ただいま」
「お帰り、キリス」

レイ達のいる平原から遠く離れた城の一室に二人の少年がいた。一人は影に隠され姿が見えないが、もう一人のキリスと呼ばれた方は髪色や服装こそ白いものの、それ以外の特徴はキリトに類似していた。

「どう?SAOの次元のやつらは」
「対した事無かったな。とりあえず“黒の剣士キリト”は追放しておいたが」
「……“閃光”は放っといて良いの?」
「今のところ“閃光”には“黒の剣士キリト”が消えた事はバレてない。今頃平和ボケして気付いてないだろうさ」
「ハハッ、そりゃ傑作だね!」

リーダーと呼ばれた少年がキリスの話を聞いて高笑いすると、改まってキリスに聞いた。

「所で、情報は?」
「あぁ、エスナが30分前にペルソナの次元を歪ませた。そこに居合わせたペルソナ使い達も追放したらしい」
「良いね、どんどんこの次元に集まってくる…!」

その時、その部屋の入り口が開く音がした。部屋に入ってきたのはレイ達やキリトを襲撃した鳴冠だった。

「リーダー、只今帰りました」
「お帰り鳴冠。今日はもう休んで良いよ」
「はい、わかりましたが……その前に一つ質問をしても宜しいでしょうか?」
「なぁに?」

先程レイ達を襲撃し、彼らを切り離した鳴冠はどうしても引っ掛かる物があった。それを知っているであろうリーダーの少年と対面したとき、聞こうと決めた。

「何故……折角捕らえた“器”を手放したのです?“計画”に必要なら、何もやつらの手に渡さなくても……」
「あぁ、彼女の事でしょ?」

そう言ってリーダーの少年はモニターに写っているレイ、キリト、そしてリズを見て、その内リズだけを指差した。

「“器”は全次元の均衡を保つだけじゃなく、“次元の記憶”さえも覚える事が出来る。それも無意識にね。だからあえて目に見える所に離しておいて、この次元の記録を取る」
「その後に回収し、この交わった次元を破壊すると言う事か?」
「キリス、話が早いね。そう言う事。でもそろそろかな……あの器にまだ首輪ついてる?」
「はい、この目で確かめました」
「なら宜しい。あの首輪には本来の力を発揮出来なくなる作用がある、いくらマスターメイサーと言えど、戦う事は出来ないよ」

キリスはモニターに写る一同、特にキリトを集中的に見た。

「あいつの力、どんな物かな……」
「気になる?なら君が器を回収しに行ってきてよ」
「そうしようか」

リーダーの少年の頼みもあり、キリスは微笑みながらその場を去った。この薄暗い部屋にはリーダーの少年と鳴冠のみとなった。

「頼んだよ……キリス」

リーダーの少年はこれから彼らの所へ向かうキリスに向かってそう言い、見送った。

「所で鳴冠、“ダークペルソナ”の力はどう?」
「あぁ、最高です。この力ならば、オリジナルに負ける気がしません!」
「……鳴上 悠か……」

鳴冠が使っていたのは通常のペルソナではなく、ダークペルソナと言う物で、このリーダーの少年に与えられた人工的かつ闇に染まったペルソナの事。鳴冠は手にしたばかりの力に喜びを覚え、自らのオリジナルたる存在、鳴上 悠と言う人物に負けないと公言した。

「フフっ、楽しみだねぇ……さて」

リーダーの少年はモニターに写る映像を三人からリズだけに写し変えた。

「もう一度我らに囚われてもらおうか……」

14/05/29 19:09更新 / レイラ

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