「まずは様子見してやるよ」
足立は俺達を挑発するように自身に能力を上げる技である『ヒートライザ』を掛け、あえて攻撃をしなかった。
「何のつもりだ……！」
「何のつもりも無いよ？僕は楽しみたいだけ〜。ハハッ、精々楽しませてよ？」
「イザナギ！」
自身のペルソナであるイザナギを召喚し、雷を相手に向けて落とす技『ジオダイン』を放った。だが足立にはまるで効いていなかった。
「もう終わりぃ？」
「まだ終わりじゃないよ！」
そう言って戦いに加勢したのはミッキーだった。ミッキーはキーブレードでマガツイザナギを斬ろうとしたがやつの持つ剣に受け止められた。
「へっ！」
「うわぁ！」
マガツイザナギはミッキーを弾き飛ばし、その隙を突いて攻撃しようとするが間に合わなかった。その直前に足立の銃に撃たれたのだ。
「ぐっ！」
「痛いだろ〜？それに何時もの仲間がいないと勝てないかい？ん〜？」
「……くっ！」
「探偵ごっこはもう終わり。つまり君の人生も、ここで終わるのさ」
そう言って足立は俺の額に銃を突きつけた。
「悠君！」
「じゃあね悠君、堂島さんに会ったら君が死んだって事伝えとくから。もちろんお仲間にもね」
「………くっ……！」
「ゲーム……オーバーだ」
その言葉と共に凄まじい音が響いた。しかし俺に別状は無く、今のは銃声ではなかった。いつの間にか目覚めていたヒトミが足立にタックルをして吹っ飛ばした音だった。
「ヒトミ！！」
「大丈夫だった？」
「お前こそ、目が覚めないかと思った」
ヒトミの乱入により足立はペースを崩し、その隙に俺とミッキーとで総攻撃を仕掛ける。
「ジオダイン！！」
「ホーリー！！」
二つの大技により足立は大ダメージを喰らい、なんと黒い灰となって消滅してしまった。俗に言う消えたのだろうが、先程ミッキーが言っていた事を考えると恐らく元の時代に戻ったのだろう。
その後俺達はヒトミから自身に何があったのかを話してくれた。彼女は思ったよりも記憶が鮮明であり、今この時空に起こっている事がわかった。
どうやらヒトミは足立をこの時空に呼び出した漆黒の影に誘拐されたらしく、首に謎のリングをつけられキーブレード等自身の力を封印された状態で暫く監禁されていた。だがある日気絶させられたと思ったら次に目覚めた時俺達が戦っていたと言う。
「と言う訳なの」
「どうやら、漆黒の影は少しずつ動き出しているようだね」
「うん、それに囚われてる間やつらは私の事“器”って呼んでた。よくわかんないけどやつらの計画が進行していってるって事なんだよね？」
「そう言う事になるね。自体は一刻を争う、早くリクやみんなと合流して漆黒の影を倒そう！」
「そうだな、行こう二人とも！」
まだ、わからない事は多い。だが少しわかってきた事がある。それはこの時空は普通ではない事。普段交わるはずの無い次元が交わったせいで時空は混乱し、俺達が出会えた。だがわからない、こんなことをして漆黒の影は何がしたいんだ？
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