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HEARTS26【光と闇の激突】

俺はキーブレードライドに乗って異空間を走っていた。俺の鎧はかつてのキーブレード使いの物を参考にした最新型で、走っている際に温度調整してくれる優れものなので、一見暑そうだが、非常に涼しい。



その時、黒い何かが走り去っていったのが見えた。邪悪なオーラに身を包み、この異空間を自由に走っている。

「なんだあれ!?」

その黒い何かを追いかける事にし、キーブレードライドを走らせる。

黒い何かを追いかけているうちに謎の何もない荒野にたどり着いていた。キーブレードライドから飛び降り、鎧を解く。そして辺りを見渡し、

「何処へ行った………?」

その時、後ろから凄まじい気配を感じた。振り向くとそこには、黒と赤のみの色の筋肉スーツ、黒いフルフェイスメットを着けた謎の少年がいた。その見た目はかつてマスターゼアノートと共にいたとされるヴァニタスそっくりだった。身長は俺より5p大きいくらい。静かに静止しているその少年と俺の間に暫く沈黙が続く。

「…………」
「…………」

俺は少年を強く睨んでいるが、少年の仮面の奥から感じる視線は、明らかに俺の目よりも強く睨んでいる。

「……………にらめっこはもう終わりにしないか?」

口を開いたのは仮面の少年の方だった。高いが、明るくは無い。狂気的と言った方が良い声は殺気さえ感じる。

「俺は……、」
「レイだろ?」

驚きを隠せなかった。なんと少年は俺の名前を知っていたのだ。少年は少し間を置いてから言う

「俺はセイ、セイ・ディアス」
「……同じ名字!?」

俺は彼の右手の甲を見てみた。そこには俺と同じ紋章の姿があった。俺はディアス族と呼ばれる種族の末裔で、ディアス家の人間なら必ず身体の何処かにディアスの紋章が刻まれる。このセイという少年もディアス族の末裔なのか?

俺はこの時、不思議な物を感じていた。

こいつ、心から光を感じない………?

「光を感じないか」

再び驚愕せざるを得なかった。自分の考えが読まれたのだ。

「それに対し、お前からは闇を感じないがな」

この事を自覚してはいるが口に出した事は無い。だが、セイはそれさえも読み取ったのだ。

「お前の欠けた闇こそが今目の前にいる俺さ!」
「何だって!?」

セイの信じられない発言に困惑し、あのときの事を思い出した。

それは俺の心が生まれる前の事。精神世界と呼ばれる人の心の世界で、俺はある人の声を聞いていた。

そして俺はあのとき、その誰かによって、心を光だけにされた。そして闇は何処かに消えた。

その闇は今、俺の目の前にいた


15/08/08 05:33更新 / レイラ
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