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HEARTS28【闇の使者】

戦いが始まってもう数分が経過した。いつもの敵なら優勢なはずなのだが、セイはこれまでの敵とは別次元の領域で、苦戦を強いられている。

「はぁ…はぁ……」

もうすでに体力が限界のだ。セイの闇の力に手も足も出ない上に逃げようにも、それほど体力が残っておらず、そもそも俺は逃げる事を嫌っている。だが、やられるのも時間の問題である。

「!」

セイのキーブレードによる攻撃であっという間に吹っ飛ばされた。地面に這いつくばり、落ちているキーブレードを拾おうとする。

「まだその程度か………」

だがセイが俺に呆れたような台詞を吐き捨てながら近づいて来る。

「機関には背く事になるが…良いだろう……」

何やら意味深な言葉を吐き捨て、セイはキーブレードに闇の力を集め、だんだん大きくなった闇は大きな闇の球体となった。

「お前の役目はここまでだ………!」

セイは闇の球体を向かって放ち、それは俺に向かってダイレクトに直撃した………、

ように見えたが、間一髪避けた。いや、助けられたと言う表現が正しいか。セイから見て右側の方に倒れており、近くには一人の少年がいた。茶髪でツンツン頭、俺とよく似た服装の少年だ

「大丈夫か!?」

その少年は俺に訪ねる。だが、立ち上がる程の体力が今は無い為応える事は出来なかった。それを見かねた少年はキーブレードを俺と同じように出現させ、回復魔法、ケアルラを使って俺の傷を癒した。ケアルラによって意識を取り戻したので再び立ち上がる。その様子をしっかりと確認した少年は、セイの方を向き、キーブレードを構えて言った。

「何でキーブレードを持っている!?キーブレードは、人を傷つける物じゃない!」

その質問にセイは答えず、無言だった。少年は少し腹が立ったのかこう言った

「俺が相手だ!」

何処かスタンダードな形状のキーブレードを構えて言った。その時俺もキーブレードを出現させ、前線に立った

「俺も一緒に!」

キーブレード使いがこれで二人。セイは不利になったにも関わらず、まるで何も言わない。

15/08/08 05:34更新 / レイラ
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