「ブリザガル!」
竜騎士となったミゾール――ここではミゾールドラグナイトと呼ぶ――が私の放ったブリザガルを飛行する事で避け、彼の愛竜であるタキオンクローが炎弾を幾らか放ってきた
「風よ、エアロガル!」
しかしそれは私に当たる直前でレイ君の放ったエアロガルに阻まれ、さらに彼はキーブレードの矛先を向けて赤色の光弾を大量に放つあの技を放った
「ラグナロク……RD!」
レイ君の得意技ことラグナロクRDはこの夢の世界でも健在のようで、本物さながらのそのスピードでタキオンクローに直撃し、竜の目が眩んでいる隙を見計らってミゾール本体に攻撃を仕掛けた
「サウザンドレイピア!」
無数の刃が雨の如く襲いかかるかのように見えるほど光速で連続攻撃をするレイピア“サウザンドレイピア”は確かにミゾールドラグナイトに直撃したが、彼の持っていた大太刀はそれを一部ではあるが防いでおり、タキオンクローが復帰すると空を飛び始め私は降り下ろされた
「くっ……」
着地してすぐにどういうわけか身体の傷が癒えているのを感じた。どうやらレイ君がケアルガをかけてくれていたようで、先程降り下ろされた時のダメージが帳消しとなった
「ありがとうレイ君!」
「うん、このまま行くよ!」
そう言ってレイ君はプロメッサやフィオ君と言った人達と同じように力を外に放出し、自らの聖獣であるエルシオンを召喚した。現実世界でも使用していたその白いグリフォンのような神々しい姿は光に満ちており、主に風の力を操る事が出来る
「エルシオン!」
レイ君がその名前を呼ぶだけでエルシオンは光を纏った爪“フラッシュクロー”を繰り出し、タキオンクローとの激しい召喚獣大戦を始めた。双方の爪が混じりあう音が周囲に響き、その隙にレイ君はエルシオンに乗ってタキオンクローの背中に飛び移り、ミゾールを攻撃した
「はっ!」
「ぐっ……」
大太刀とキーブレードと言う武器同士の当たる鉄のような音が響き、一見すると不利に見えるレイ君がその気力のみで重いはずの大太刀使いであるミゾールを押していた
「ふぅん……何も守れない愚か者の割りには、意外とやるじゃないか」
「黙れっ!」
レイ君の感情が高ぶると同時にエルシオンの攻撃力も増し、タキオンクロー共々ミゾールドラグナイトは押されていく。しかしあちらもこのままで終わる訳がなく、ミゾールもレイ君と同様聖獣を繰り出してきた
「来るがいい、青龍!」
出現したのはタキオンクローとはうって変わって青色の竜であり、蛇のように長い身体をしていながらも中に浮いていた
「やれ!」
エルシオンはタキオンクローを押さえており、レイ君もミゾールの相手をしていて思うように動けない。そんな中で青龍が着々とレイ君に近付いていく。
「しまった!」
「レイ君!」
私は彼を助けようと駆け出した。だが聖獣を使える訳でもない私が行って何かが変わるのかと言われたらそれは無理な話だ、だが厳密には違うとしても目の前で大切な人がピンチなら誰だって助けたいに決まっている。例えそれが、出来ない事だとしても
「助けるんだ……今度こそ、私がっ!」
その瞬間以前に二度も発生した感覚に襲われ、また謎の力が沸き上がってくるのを感じた
「ぐっ……!!」
このままでは何も助けられずにまた気を失ってしまう、それでは今までの苦労が全て無駄になる。だが今の私はこの現象の対処法が分からず、どうしようも無いと思っていながらも諦めきれなかった
「……やだっ……私は、私は……諦めたくない!」
意識が薄れそうになりながらも必死に足掻き、自分自身に問い掛ける
「このまま終わって、どうするの?私は決めたんだ……“私が、君を守るから”って……」
青龍が間も無くレイ君を攻撃するまさにその時と私が意識を失いかける時が丁度リンクし、その瞬間私の回りが眩い光で包まれた
「むっ!?」
「クロナっ!?」
そしてその時、何故か彼女の声が聞こえた
『貴女の決意は、大切な人を守る力へと変わる。さぁ、今こそ……』
「扉を開こう!」
その一言を叫ぶと同時に意識が完全にはっきりとし、私の背後にはいつかの青い影がいた。しかしそれは青い影を切り裂き、新たな姿となった。全体的に白を基調としながらも青や水色など氷を意識した色をした不死鳥と言った風貌であり、氷のフェニックスと言った所か。私のレイ君に対する愛の感情が守りたいと言う想いに代わり、その想いが決意となり、謎の現象の際に度々現れていた青い影の正体であるこのフェニックスを自身の聖獣とする事が出来た。愛の感情から生まれた聖獣、それは私に心強い味方となってくれた
その聖獣は一瞬にしてブリザードを巻き起こし、タキオンクローを凍らせた挙げ句青龍すらも地上に凍らせた上で叩き落とした
「何だと
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