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HEARTS32【ただ会いたかったから】

俺達が降り立ったのは、とても大きく真っ黒の要塞の中だった。しかも窓から外が見える。その光景はなんと黒い雲がたくさん下にある物だった。恐らく浮遊要塞と言う事だろう。落ちたら人溜まりも無さそうだが、幸い俺はキーブレードライドが使えるので、2手に別れて行動する事になった。

キーブレードライドに乗り、要塞の上の方を目指す。今回ばかりは急いでいるので思わず鎧を装備し忘れていた。そして1つの鉄格子に窓が封鎖された部屋を見つけた。恐らく監禁部屋だ。

俺はその部屋に目掛けておもいきり突っ込んだ。

「いっけえぇぇぇ!!」

要塞の壁が破られる音が激しく響いた。突き破った際、あまりの反動の強さに吹っ飛ばされかけたが、地面に落ちるその時に前転、ドッジロールをして見事に上層部にたどり着いた。

「さてと、何処だろ?」

辺りをキョロキョロと見回しながら冷静にその言葉を発する。その時、後ろから声が聞こえた。

「…………その声は、レイ君?」

その言葉を聞いて振り替えると、そこにはあの脳裏に写し出されたビジョンの中にいた紫色のロングヘアで透き通るような青い目の少女がいた。

「やっと見つけたよ……クロナ!」
「………うん!」

やっと見つけた。そう、今まで夢の中に出てきて、尚且つ俺の大切な人こそがこのクロナ。10年前までは一緒にいたのだが、あの影に飲まれて以来、その姿を消していた。俺が外の世界、デスティニーアイランドに来たのも実は彼女を探すためであり、そのためにキーブレードライドを独学で覚えた。そしてイエン・シッド様から旅に出てほしいと頼まれた際、俺にとっては好都合だったのである。そして、やっと会えた。

「ねぇレイ君。これ………、」
「?」

再会を喜ぶあまり忘れていたがクロナはさっきから黒い鎖に拘束されている。

「ほどいて……」

軽く頷き了承し、キーブレードを容赦なく鎖に振るった。そして、鎖は破壊され、クロナはやっと解放された。

「ふぅ………」

手足がやっと自由になり、そしてなんとクロナは俺に勢いよく抱きついた。

「ありがとう……!助けに来てくれて!」

涙を流しながらクロナは言った。何も言わずに俺はクロナを優しく抱き締める

これからは、また一緒に、

私達はまた一緒いられる。

二人はそう心の中で会話をしていた。だが、その幸せの時間も、この要塞には無いようで、俺達をアンチネス達が囲んでいた。俺は咄嗟にクロナを離し、キーブレードを構えた。

「邪魔すんなよ!」

アンチネス達にそう言い放った。今の状態は俗に言う目が決意で溢れていると言う物だろうか

15/08/08 05:37更新 / レイラ
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