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DREAM90【そしてありがとう】


現実世界の狭間に位置する世界の中心部に当たる真っ白な部屋には二人の男性がおり、一人は部屋の中心に立ってもう一人を見上げており、そのもう一人は妙に高い位置にある椅子に腰をかけていた

「どー思うよこの事態さぁ?あのベネトナシュがやられたんだぜ、何処の誰だってんだよったく」

中心に立つ男は大変お喋りかつ陽気な性格のようで、声からして20代後半辺りだろう。どうやらベネトナシュを知っているようで、その存在が消滅した事すら筒抜けのようだ

「……一人、思い浮かぶ人物がいる」
「誰だよ?」

もう一人の男が低く不気味な声でそう言うと、陽気な性格の男がそれを問い質した

「クロナ・アクアス」
「はぁ?おいおい冗談よせよ“レギアル”。あいつぁベネトナシュと夢の繋がりがあって、ベネトナシュがやられたんなら、もういないはずだぜ?それに自分を殺すなんてバカな行為すると思うか?」
「ならばその目で確かめて来るがいい」

レギアルと呼ばれた謎の男にそう命令され、陽気な性格の男はフッと鼻で笑うと頭を掻きながら言った

「わーったよ。他ならぬお前の頼みだ、引き受けてやるさ」
「お前ならそう言うと思っていた。よし、ベネトナシュの後任はお前に任せる」
「よしきた!任せときな!しっかりお役目果たして来るぜ」

そう自信を持って言うと陽気な性格の男はその部屋から出る際にレギアルにある事を訪ねた

「そうそうレギアル、あいつら使って良いか?」
「……“レジェンドマスター”の事か?」

陽気な性格の男は右手で“その通り”と言うサインを出すと、レギアルは静かに頷いた。陽気な性格の男は鼻で笑い、その部屋を後にした



























































その頃、私の意識は再びあのステンドグラスのような世界におり、そこにまた彼は現れた

「クロナ、久しぶり」
「レイ君!」

あれ以来完全に存在が回復していない為にこの精神世界にいる私は時々ではあるが、ここに来てくれるレイ君に会うのを心待ちにしていた。このレイ君の正体は最近まで分からなかったが、今なら分かる

「ありがとう、今まで導いてくれて。私をここまで先導してくれたのは、レイ君なんだよね?」

今回の夢の世界での冒険は彼が導いてくれた物だと最近は思うようになり、精神世界に現れるレイ君こそが現実世界でのレイ君が直接語りかけてくれる想いその物だったと、私は信じる

「……君が信じた答えがそうならば、そうなんじゃ無いかな?決めるのは、君だよ……クロナ」

何時かのように抱き締めあい、レイ君から励ましてもらうように頭を撫でてもらうと、彼はこう言った

「もし現実世界へ戻ったら、君は君の目的の為に走り出すだろう。その先で俺に会っても、それは俺じゃ無いかもしれない。それでも、行くの?」
「もちろんよ。だって、約束したでしょ?」

キーブレードの出現と共に笑顔を見せ、精神世界の神聖な輝きがさらに神々しくなると私は何時か言っていた誓いを彼の目の前で告げた

「私が、君を守るから」

それを聞いて安心したのかレイ君は笑顔で頷き、真っ直ぐ瞳を見つめて こう言ってくれた

「じゃあ、クロナ……一緒に」
「うん……」



新たな明日を、新たな未来を信じ、私は暫く眠りにつく。それがどれだけ続こうとも彼を想う気持ちは未来永劫変わる事は無い。私と言う存在は消滅の危機を免れたが、それは助かったと言う訳では無い。私はまだ、生きなければならない。だから、一緒に……

「扉を開こう!」



















キングダムハーツ【Five・Blade】
第3期 夢の世界編
The End
14/11/19 20:09更新 / レイラ
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