麗らかな朝の日差しがこのアースの都会を照らし、空は爽やかな雲一つ無い青色に染まった。レイベスから遠く離れたこの都会“ボウフ” にある八階建てのマンションの505号室に住む一人の少年は午前10時まで寝返りをうっていたが、幸いこの日は日曜日である為学校も無く誰にも怒られはしない。今頃になって鳴り響く携帯のアラームを寝相だけで止め、少年は仰向けとなって夢を見た
瞼の裏に映ったのは何処かの城下町であり、町の真ん中にある不思議な門では様々な姿に変化する人々が一際目立っていた。その城下町の中でも次に目立っていたのが最近設立されたであろうドームであり、内部は大量の観客で賑わっていた。ドーム内部の中心部にあるモニターには『Qurona』と言う文字が表示されており、私は中心のステージに立った。その瞬間に歓声が挙がり、観客達に一例をした
「……行くよ!」
音楽が流れ出すと共にスポットライトに照らされ、全身が光に包まれると同時に踊り出した。その最中に左腕を挙げると手元にマイクが現れ、そのまま歌い出す
――私の名前はクロナ。1年前に行方不明となった大切な存在である“レイ君”を探すべく仲間と共にこの夢の世界へとやって来た。その冒険の中で私は仲間の大切さやその力を知りながらこの世界を脅かしていた驚異を退け、その際に自身の存在が壊れかけてしまった。あの戦いから数ヵ月経ち、16才となった私はその存在を大分回復出来ていた。しかし現実世界に戻るにはまだ不充分らしく、夢の世界の代表こと次期レイディアントガーデン市長となったローグの提案で完全に回復するまでの間大観衆の前で歌って踊るアイドルとして活動する事になったのだ
全身を包んでいた光が解け、水色のリボンが特徴的であった白い巫女風の服が変化を遂げていた。全体的に白と金色を基調としていながらも原型は留めており、横髪を金色の髪飾りが纏めている事とオーバーニーソックスが黒色に変化している事が大きな違いだった
ローグから提案された時は驚いたが、1度やってみるとどういうわけか意外と好評であり少なくとも3回目のライヴの時には人気になっていた。今回で10回目のライヴであり、このような大きなドームでライヴを出来るようにまでなっている
今日のライヴが終わり控え室から出ると、そこには水色の髪の大人びた青年の容姿をした夢の民であるローグがいた。現在は私ともう一人のマネージャーも兼任しており、彼は出迎えて早々にドリンクを投げた
「ほら」
「ありがとうローグ」
それをキャッチして一口飲むと、ローグが呆れたような表情でこう言った
「おいおい……一応俺はお前のマネージャーで、次期市長なんだが……」
多分ローグはあの戦いでの活躍が認められ自身の地位が上がっているにも関わらず、接し方が普段と何一つ変わっていない事に少々不満を抱いているのだろう。『まあ、何時もの事か』と鼻で笑うと、ローグは自身のメモ帳を取り出した
「そうそう、アディアから聞いたんだが……お前の存在が完全に回復する日が分かった」
「何時なの?」
「10日後だ。その頃にはすでに現実世界で走り回れるほどに回復するらしい」
「本当!?良かったー!」
10日後には自身の存在も回復し、再びみんなにも会えるしまたレイ君を探す事が出来る。それまでは何時も通りアイドルの活動をしていれば良いし、何の退屈も無く楽しみに待つ事が出来る
「じゃあ、俺はアンセムさんに呼ばれてるからこれで」
恐らく次期市長になるが為に仮にもレイディアントガーデンの城の中心人物であるアンセムさんに色々とレクチャーしてもらうのだろう。荷物を纏めて城に戻る道中に桜色の髪をした少女に出会った
「あっ、クロナさん!」
「ループ!」
彼女の名前はルプクス。ローグと同じく夢の民であり、当初は儚げな雰囲気であったがあの戦いが終わってからは明るくなれた。その際に夢の民のみんなからはその勲章として“ループ”と言う愛称が広まった。無論そのアダ名は私も使っており、今ではループは私のライバルアイドルである
「今日も大盛況だったね!ライヴどうだったの?」
「うん、とても楽しかったよ。今日歌った歌詞も個人的にお気に入りだったし」
今回の歌は少し大人びた雰囲気でありながらも何処か希望を秘めた内容の歌詞だった。『この胸に聞こえてくる 君は一人じゃない』と言う歌詞が特に私は気に入っており、あのときの戦いで学んだ事を思い出す
「そう言えばクロナさん。マネージャー……もといローグから聞いたんだけど、今度私達でデュエットするって!」
「えっ?それなんか楽しそう!」
先程会った時には言っていなかった為多分ループに先に伝えておいて私には後で知らせようとしていたのだろう。後に控えるデュエットイベントが何時開催されるのかそれを訪ねた
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