「さてリューザ、キーブレードについてだったな」
全員が一通りの食事を終えた所でディアがいよいよ本題に入り、リューザ及び鈴神の表情が変わった。いくらウェンヴィスの頼みとは言え、流石のディアも自身の友人のノーバディの為に手を尽くしたいのだろう。現に瞳がいつになく真剣になっている
「そう言えば、何処まで聞いたんだ?」
「えーと、ノーバディの事だけ……」
「そうか、ならまずは“ハートレス”について説明しなくてはな」
前にウェンヴィスにノーバディについて解説してもらった際に何度も出てきたハートレスと言う単語、リューザはずっとそれが分からなかったのでハートレスについて教えてもらえるのは非常にありがたかった。1度戦った相手とは言え、リューザ自身は何一つやつらの事を分かってはいない
「心の闇が具現化した存在であり、心を奪おうとする闇の存在、それがハートレスだ。
自らの心に闇を抱え、その闇に心が完全に染まるとハートレスは生まれる。相手の心の闇に反応し、また本能的に相手の心を奪うことでその数を増やしていく。
心を持たない“心無き者”とも呼ばれるが、心が無い訳ではなく実際は心を無くした者から生まれた心のみの存在。
輪郭は丸みを帯びていて、動きは中々面白いものが多い。目は黄色で丸く、黒い顔や体を持つ者が多い。見た目は同じでも色や大きさが異なる派生種も多い。 ボスクラスのハートレスは“大型ハートレス”と分類される。ちなみにノーバディもハートレスも例外なくキーブレードが有効とされる」
今まで不明だったハートレスの詳細が明らかになり、幾つか繋がる所があると思われたが逆に新たな疑問が浮上した。自分がノーバディならばレイと言う存在は心の闇に飲まれ、ハートレスとなったと言う事。しかし今まで自分が見てきた夢の中で、レイは1度もハートレスになっていなかった
「でも、レイは一回も……」
「確かになっていない。しかし、あいつは例外に例外を重ねた“ハイイレギュラー”だ」
「……ハイイレギュラー?」
「そもそもあいつには、闇の心は無い」
「えっ!?」
その言葉には驚かざるを得なかった。誰の心にも光と闇は存在すると言うのに、レイには闇が存在せず光のみが彼の中に居座っていると言うのだ。それではハートレスが生まれる訳がなく、ますます意味が分からなくなってくる
「理由は不明だが、あいつの心は2つに分割され、分かれた闇の心は自我を持ってこの世に降り立った」
「それが……セイ」
「その通り。レイは自身の闇と向き合い、精神世界にて決着を着けた。その際に闇の存在を自分に同化させたが、それはセイと言う存在の心が出ていくと言う事。当然セイは闇その物、ハートレスにならない訳がない」
「なるほど……でも、セイは後に復活するはずなのに、心がハートレスに?」
「すでにその時、新たな存在としての心があったのさ。心は何にでも芽生える。例え、過去に闇の存在であった人物でもな……」
「話を戻すぞ。闇の存在としての心はハートレスになるか消滅するのみなのだが、それはアンチネスと言うハートレスとほぼ同一の存在となった」
「これで、ハートレスが生まれた……」
「そして残ったセイとしての身体は消滅寸前にアンチネスが生まれるとほぼ同時に自我が芽生え、何処かの世界に降り立った」
「それが……俺……」
ここでディアが静かに頷いた。自身は例外に例外を重ねたハイイレギュラーな存在のイレギュラーなノーバディであり、ノーバディなら普通人間時代の記憶があるはずなのだが、かなり特殊すぎる方法で生まれてしまった為かそれが無い。それどころか実質的にレイの闇の心のノーバディと言う事になる
「まさか、君だったとはな……」
ディアは何処か辛そうな表情で唇を噛んだ。何故ディアがこのような悲痛な悲痛を見せるのか分からず、リューザは困惑の一言を言い放った
「えっ、ディアさん?」
「リューザさん。そのセイの新しい心が芽生えたのが、ここにいるディアさんなんです」
その鈴神の一言はリューザを驚愕させるには充分だった。今目の前にいるこの少年こそレイの心の闇だった存在であり、そして実質リューザの本体。つまりリューザは、事実上ディアのノーバディと言う事になる。しかしリューザが生まれる媒介となったのはあくまでもセイとしての身体であるため、ディアは本体と言う事にはならない。その為やはり自分はレイのノーバディなんだと痛感した
「……すまない、隠すつもりは無かったんだが……」
「良いですよ、別に」
「そうか、ありがとう。じゃあ、改めてキーブレードについて教えよう」
「鍵の形をした伝説の武器、それがキーブレード。単に鍵と呼ばれることもある。
これから覚えておいて損は無い、最大のキーワー ドだな。
キーブレードそのものには善悪の概念はなく、条件
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