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HEARTS35【二人の夜】

その夜、グミシップは星の海をオートパイロットで走っていた。明日には次の目的地であるポートロイヤルに着きそうだ。

俺達は俺の部屋に入って行ったクロナを待っている、入るなと言われた為仕方なくメインルームで待機している。そしてやっと来た。ブラックプリズンの時はボサボサだった髪がしっかりと整い、後ろ髪の長いハーフアップで、白と水色を中心とした不思議な服に身を包み、とても可愛らしい姿になった。

「どう?レイ君」

顔が真正面に来たので流石に驚いた。顔が近い、それだけで何故か緊張してくる。俺の顔が完全に赤くなる前にクロナから目を反らし慌てて言った

「う、うん…良いと思うよ……」

この時きっと俺の顔は赤かっただろう、勘でわかる。どうやら俺はクロナを見ると緊張するらしい。改めてクロナの目を見てみると、透き通った青い瞳がそこにあった。まるで見ているこちらが吸い込まれてしまいそうだった。その内にボーッとしてきた。

「レイ!」

ドナルドの声がしたと思ったら早速杖で頭を叩かれた。思わず『わっ!』声を挙げ正気に戻った。

「どうしたのさ?」

ドナルドの質問に俺は優柔不断に答えた

「何でも………無いさ…」
「「「「?」」」」

四人はその言葉に疑問を持つ。そして俺は一足先に自分の部屋に戻っていった。

夜、それは全てが静まり返る時間。真っ暗で、だからこそ星達が輝き、月の光に見とれてしまう物だ。俺も昔は現実でも夢でもよく月ばかり見ていた。だが今となってはすぐに寝る方向性にある。

「………」

もうすでに爆睡状態になっている。その部屋にクロナが突然入ってきた。静かにドアを閉めたので俺は気づくよしも無く眠り続ける。

「レイ君、久しぶりに会えたんだし、この夜は二人で……」

そう言ってクロナはなんとベッドに入り込み、俺の左隣に寝た。どういう訳か俺を抱き締めながら。

「レイ君……!」

当然気づかない。だが無意識なのか寝相なのかよくわからないが、クロナを抱き枕のように抱いた。

「きゃっ」

クロナはつい小さな悲鳴を上げてしまったが、クロナにとっては嬉しいかぎりだっただろうか。彼女はその日、やっと会えた幼馴染みの腕の中で眠りについた。この無意識の内の行動は多分俺の心の内が現れた物だと思う

15/08/08 05:38更新 / レイラ
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