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天然巫女の誕生祝祭【奇跡を起こせるなら、涙を止めて】



They say when you become a drowning swallowed by the waves of a bygone been going season
If you're feel the breath of the trajectory over Tour of
No such hesitation anymore
(過ぎ去っていく季節の波に呑まれ、溺れそうになる時だって
めぐりめぐる軌跡の息遣いを、感じられるのなら。もう迷いなどないよ)

今から1週間ほど前、彼――レイ君が帰ってきた。彼の帰還に喜ばない者は居らず、中には嬉しさのあまり泣いた人もいた。この私だってそうだ、何せ自他共に認めるほど誰よりもレイ君を待っていたのだから。彼と出会い別れてから様々な季節が過ぎていき、もうすぐ新学期が始まろうとしている。この春から私達は高校1年生。まぁダーク君やライガは2年生だが、誰にとってもこの春は新たな始まりとなる。当然私は当然レイ君と同じ高校だが、他にはフィオ君に紫音さん、先輩としてライガがいる。ディアやダークは別の学校でヒトミちゃんはまだ中学生、鈴神さんは大人なのでダークエンドの事件の時は出来なかった仕事をやるつもりなのだろう。ああ見えて教師の経験があるそうだ。私の勝手な予想だが、恐らくディアの高校辺りの教員にでもなっているのでは無いだろうか

様々な思惑はあるがそれら全ては窓辺から差す夕日の光に照らされた時、ちっぽけな者に思えた。所詮はそれは自分の中の事でしかないと。窓辺から夕日を見つめていると、近くのテーブルにアイスコーヒー入りのカップが置かれた

「夕日……綺麗だね」
「レイ君」

以前までは見慣れていたはずの特徴的な髪型は懐かしく、決して格好いいとは言えない女子のような顔つきも1年の時が経ち大人のようになっており、もう誰も彼を女顔とは言えないだろう。身長も僅かだが伸びており、何もかも成長しきった私の“彼氏”ことレイ君の青い瞳が静かに私を捉えた

「こんな夕日……何時以来だったっけ」
「俺がダークとケンカした時かな」

あぁ、懐かしい。そう言えばそんなこともあったと当時の事を思い出した。アースの浜辺でダーク君が闇の力を使っていたレイ君に決闘を挑み、決着は着かなかったが見事にダーク君はレイ君を救った。その後私に会いに来てくれたっけ

因みに言いそびれたが、今私はレイ君の部屋にいる

「フフッ、懐かしいね。でも、もうケンカしないでよ?レイ君はみんなの光、全ての心を繋ぐ希望だからね」
「クロナ、買い被りすぎだよ。俺なんてキーブレードが無きゃ、ただの人だよ」
「“ただの人”ねぇ……違うよ、レイ君」
「え?」

確かに買い被りすぎだとは自分でも思う。だが自身の大切な人だからこそ常に誇りたい、みんなや私の希望であってほしい。それにそれらを除いたとしても、彼はすでに特別を越えている

「ただの人じゃなくて、“私の恋人”でしょう?例えレイ君が力を失ったとしても……」

そこで言葉を止め、彼の頬を両手で包み込んだ

「傍にいて、貴方を守るからね」
「クロナ……」

私の言葉を聞いて嬉し涙を流したレイ君が少し笑った時、突然彼に引き寄せられた。レイ君の顔を見ようとしたがそれは彼の胸に抱かれている為叶わず、彼の右手が頭を撫でる温もりを感じていた

「ありがとう、クロナ。けど俺だって守られてばかりいるつもりないよ?君って何時も危なっかしいんだから、この小さな背中に……背負いすぎるな」

そう言って私達は抱き締め合い、新たな始まりについて語り合った。レイ君はまだ詳しい進路は決めていないそうだが、私はもう決めていた。レイ君の決めた道に着いていくと。やっと再会できた、大切な人だから

それからも、楽しい時は過ぎていく

「そう言えば、ダーク君とフィオ君は?」
「あぁ、3日前に出ていったよ。どうやら本人達曰く、“今まで世話になりすぎた”んだってさ。まぁ、ナタ姉はまだいて良いって言ったんどけど……もう、家族がいない苦しみは乗り越えたんだって」

先程から二人がいないと思ったらどうやら彼らは自立したようだ。元々二人は家族が死に、1人取り残された過去を持つ。それをヒナタさんが救いの手を差し伸べ、このディアス家に住み始めた。今まで家族のようにこの家にいた二人だから、これから二人は居候としてではなく、“ダーク・デスト”と“フィオ・クラウン”として生きていくのだろう

「そっか……二人にも、思う所があったのかもね」
「そうだな」
「きゃっ」

その途端、レイ君が後ろから抱き着いて来た。突然の状況に口出ししようにも彼の好意に心臓が鳴りっぱなしで叶わず、さらに止めを刺すかのようにレイ君が囁いた

「実はさ、今日ナタ姉もヒトミも帰ってこないんだ
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