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SONG14【始まりを告げて】


アースのレイベス地方にあるあまり目立たないことで有名な若干矛盾している気がしないでもない街、ドナイタウンにシュージ先輩の家がある。そこに行けば現状が分かるらしいが、また良くない事でも起ころうとしているのだろうか。にしてはアースの空気が平和すぎるし、何よりハートレスらしき気配も一切感じない。これは単に自分を歓迎するために家に招いてパーティーと言う雰囲気でもない、ならば何なのか。それは先輩の家の扉を開いた時ハッキリするだろう

「着いたぜ、ここがシュージん家だ」

「そう言えば、クロナちゃんはここに来るのは初めてだったよね」

「えぇ。一応通りかかった事はあるけど、直接来たことは無いかな」

「シュージ、入るぜ」

殆ど忘れられがちだがシュージ先輩とは同年代であるダーク君は家に入ることを許されているのか、それとも私が目覚めたら連れてこいと言われているのか定かではないが、彼に着いていく形でブレード家にお邪魔した。入ってすぐに出迎えてくれたのはしっかり整った黒髪の先輩、シュージ・ブレードだった

「やぁクロナ、久しぶりだな」

「先輩も、元気そうでなによりです」

「あぁ。本来ならここで再会を祝してパーティーとでも行きたいが、残念ながらそうも行かないんだ」

「っ……と言う事は、やっぱり何かが?」

「……これを見てくれ」

私の質問には言葉では答えず、単刀直入なその台詞と同時に複数枚の写真を手渡された。それは何かが起ころうとしている事をまるで否定しておらず、写真に写っていたのは謎の5人組の少年少女達や仮面を着けた白い少年の、そして謎の男と言った人物らの合計3枚の写真を見てすぐに何かを感じた

「知り合いの旅商人からもらったんだ。クロナ、この写真に写っている場所を覚えているか?」

「……存在しなかった世界、ですよね」

「あぁ。]V機関が支配していたあの世界で、彼らは取引をしていたそうだ。しかもその時に5人組のリーダーが気になる事を言ったそうだ」

「……確か、未来から来ただっけな。そんなことを言ってたらしいぜ」

「未来から!?」

ダーク君の口から放たれた台詞に驚きを隠せなかった。この5人組は未来から来て、その人達と謎の男は謎の契約を交わした。だがそんなことよりも気になることは彼らの言い放ったその言葉だ

「しっかし……どうなってんだ?確か時間移動って普通は出来ないんだろ。だったらなんでやつらはいるんだ!?」

たった今ダーク君が言った通り、本来なら時間移動など出来るはずがない事だ。時間移動をする為には幾つもの条件があり、それらは全て常人では不可能とされる。まさか彼らは生身でそれらを満たしたとでも言うのだろうか。だがそんなことをしたところで時間移動をした者にはその時代で起こることは変えられないと言う制約がある。だからこそこの時代の人間に頼んで、自分達の手を使わずに歴史を変えようと言う魂胆だろうか

「そして、この仮面の男……どう思う?」

「……」

シュージ先輩に言われ白い仮面の少年の写真に目を落とした。その少年は見れば見るほど不思議な雰囲気を放っており、それは写真を通してでもハッキリと伝わった。そして彼は5人組の味方にも見えなければそれに手を下すようにも見えず、敵でも味方でもないように思えた

「何て言うか……独立してる感じ、ですかね」

「その通り。どうやら彼は、この5人組の仲間ではないようなんだ。そして独自に行動し、様々な世界を彷徨っている。しかし、彼なら……この5人組について何か知っているかもしれない」

「確かにな……だけど、その5人組が何かしようとしてるっつーことは事実なんだよな……」

「あぁ……間違いない。この世界に、新たな驚異が迫っている可能性がある。それも、この5人組と謎の男の契約によってな」

確かに彼らからは身の毛も弥立つほどの驚異を感じ、先程聞いた情報だけでも彼らがこれから世界に何かをしようとしていることなど明確だった。ならばやることは1つ、謎の5人組に会って真相を知ることだけだ

「……先輩」

「クロナ?」

「私、決めたよ。私が、彼らを止める。そして“彼”を探すよ」

「……そう言うと思ったぜ、クロナ」

「僕達も協力するよ!」

「……ありがとう、二人とも」

こうして以前にも夢の世界を冒険した初期メンバーが揃い、不思議と勇気が沸いてきた。もし私がキーブレードの勇者ことソラ君だとするなら、この二人はドナルドとグーフィーだと言い切れるほどの安心感を噛み締め、再び戦う決心をした

「ならまずは仲間を集めないとな。流石に3人だけじゃ、もしもの時に対応出来ないだろう」

「確かに……」

「白凰と黒凰の二人が今プラズマイトにいる。あいつら、この謎の5人組の事を聞いて居ても立ってもいられないと意気込ん
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