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SONG20【僕の名はホワイトだ】



「貴方は……一体……」

「……僕の名はホワイトだ」

レジェンドマスターのメンバー達と共に写真に写っていた仮面の少年ホワイト、それは私の目の前にいる彼そのものだ。様々な仮定は立っていると言ってもまだ真実を知っているわけではないので、当然彼の正確な立場は分からないが、少なくとも今こうして助けてくれた所を見る限りはこちらに敵意はないのだろう

「ホワイト……何故、私を助けたの?」

だからあえてこちらからレジェンドマスターの名を出さずに接することで敵意を出させないようにし、あくまでも然り気無く真相を聞き出す。最もレジェンドマスターと本当に協力関係にあるのなら、キーブレード使いである私達の事は当然警戒して狙ってくるはずだ。現に写真に写っていた世界とは違う世界であるこのデスティニーアイランドにいる時点で、世界や鍵の事も相当熟知していると見える

「キーブレード使いで世界の心を司る巫女、可能性の子……それをここで失ってはならない。それだけさ」

「……どうやら、色々と知っているようね」

最早こちらから聞き出すまでもなく様々な事を知っている事を示してくれたホワイトがまだ警戒体勢を見せていない事を考えると、あくまでも手を貸しているだけで実は誰の味方でもないと言う事だろうか。先程のハートレスのように世界の秩序を乱すものを退治し、それに関わるものを調べている。流石に行き過ぎだと思うが、大体こんなところと推定して良いだろう

「君の名前を聞いても良いだろうか?」

「クロナ・アクアス、キーブレード使いよ」

「クロナ……良い名前だね、覚えておくよ。
さてクロナ。もっと君とは話してみたいが、今はそれ所ではないようだ」

再び得物を抜いて町の方角に彼が顔を向けた時、その言葉を理解した。まだ私にはやることが残っていて、それさえもこのホワイトは見抜いていたのだ

「君の仲間が、まだ戦っている」

「っ……みんな!」

この場所を後にし、急いで仲間達が守っている本島町前へと向かった。その道中ではホワイトも同行し、その目に見えないほど早い抜刀術で迫り来るハートレス達を全て倒していた。キーブレードでもないのにここまでの実力を見せ付けられると何処か夢の世界での出来事を彷彿とさせ、彼の正体がさらに不明となる事態に歯車をかけていた
やっと戻ってきた時にはシャドウの数は初期よりも減っていたが、一体どういう冗談かネオシャドウが3体も出現しており、それらによってダーク君達は苦戦を強いられていた

「ダーク君、みんな!」

「クロナか!まずい事になった……どっからともなく沸いてきては、戦況が変わっちまったよ……」

「もしかして、最初のネオシャドウは……」

「罠って事ッスね……!」

最初に現れたネオシャドウは一見町を襲撃するために現れたリーダー格で誰もがそう思わされていたが、実はそれは罠で隠れていたこの3体こそが真の敵将だったのだ。隠し玉は戦争などでも見られる事はあるが、今回はよりにもよって3体ものインターセプトである。それに不意を突かれしかも敵将と言う事もあって苦戦は必死のようで、流石の仲間達も先のシャドウ達やネオシャドウ3体による不意打ちの為に何時も以上の消費を強いられていた

「それにしても、シャドウってここまで頭が良かったか!?」

「いや、ハートレスとは本来本能のままに活動する。故に知的な行動など出来ぬはずだ……しかし、こやつらはどういう事か統率性がある!」

「しかも、たかがシャドウなのに強いしね。これならアンチネスと戦ってた方が楽かもしれない」

たった今黒凰がさらっと言ったが実際まさにその通りで、このハートレス達は私達の知るそれとはまるで真逆を行くような一団だった。本能のままに活動を繰り返すはずがネオシャドウと言うリーダー格によって統率され、全員が1つの目的を成そうとしている。]V機関がハートレスを操っていた時もそうだったが、今回に限ってはあのネオシャドウそのものが指揮を取っている

「……でも、諦めちゃいけない
私達はまだ“彼”に会っていない。それまでは、立ち止まる訳には行かない……さぁ、みんな!行くよ!」

「「「「「おー!」」」」」

デスティニーアイランドをハートレスの襲撃から防衛するため、今一度私達は彼らに立ち向かう。
まずウェンヴィスがもはやお馴染みと化しているスピードレイヴを繰り出して翻弄し、その隙を遠距離からの射撃によってフィオ君が追い撃ちを仕掛ける
白凰と黒凰による白黒コンビとダーク君のチームプレーによりネオシャドウの一体は大きな決定打を喰らい、さらにそこに奇襲を仕掛けたのがなんとホワイトだった

「僕もここは手を貸そう」

「何だかよくわかんねぇが、助かるぜ!あんた、名前は?」

「……ホワイトだ」

それだけ吐き捨てるように
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