心の中の世界、精神世界にある運命の園と呼ばれる一室で、俺はセイに最後の戦いを挑もうとしていた。セイは欠けたχブレードを構え、俺はみんなとの思い出が詰まったキーブレード――レイムチェーンを両手でしっかりと構えている。周りには誰もいない。ここなら周囲を気にせず思う存分に力を発揮出来る。
「…………運命を変えてやる!」
そう強く叫ぶと、瞳の色が変わった。前のような金色ではなく、右目が何時もよりも煌めいている青色で、左目がセイのよりも禍々しい金色のオッドアイになっていた。
「なんだ?その目は……?」
セイが俺のオッドアイを見て、表情を変えた。引き締まったその表情からは、油断という文字など無い。ただ全力で戦うのみ。そう語っているようだった。
「この目は……、この目は、君と共に消える運命を変える力の…………象徴さっ!!」
俺は2色の目を輝かせてセイに叫んだ。その瞬間セイの表情からは完全に油断などという物は消滅し、物凄いスピードで斬りかかった。
しかし、不思議な力に防がれた。その瞬間にχブレードを片手で受け止めていた。
「何だとっ!?」
「はあぁっ!!」
χブレードの刃を掴み、χブレードごとセイを投げ飛ばした。吹っ飛ばされているセイだが、見事に着地した。その後、レイムチェーンを強く握り、セイに向かって全力で走る。そして高く飛び上がり、セイの真上から攻撃を仕掛ける。
「らあぁぁっ!!」
その叫びと共にレイムチェーンが不思議な光をまとい、虹色に輝き始めた。そのまま攻撃し、セイを攻撃するが、その一撃はχブレードにガードされた。二人はそれぞれ後ろに下がり、距離を測る。
「(もしここで攻撃をすれば、セイは恐らくχブレードの魔力を利用して攻撃してくるはず!)」
「(先程レイは攻撃をしてきた。だから、思いっきり畳み掛けに来るはず。だから、その瞬間に魔力を利用して!)」
二人はお互いを睨みあいながら思考を巡らせる。二人とも真剣な眼差しで対戦相手を見ている。この戦い、どちらが勝とうが俺は消える。何故ならχブレードが生まれる際に素材となった心も一体化、一心同体となり、χブレードの消滅は二人の死を意味するからだ。もし俺が負ければχブレードの一部となって死に、勝てばχブレードの消滅と共に死ぬ。だが、セイを放って置けば世界に再びキーブレード戦争が起きてしまう。それだけは絶対に避けなければならない。だから今の俺に考えている余地など無かった。
「行くぞセイっ!!」
「来いレイっ!!」
お互い何も考えず、ただひたすらに攻撃を続ける。いつの間にかこの二人、この戦いを楽しんでいる。世界の命運が掛かっていると言うのに、両者とも楽しそうな笑顔である。
「やっぱり…………!」
息切れをしながらもセイを見て言った。セイはその『やっぱり』の言葉を不思議に思い、表情を曇らせる。
「やっぱり……心は生まれるんだよ。どんな物にでも。道に咲く1輪の花にも……物1つ言わない人形にも……風に揺れる木々も君みたいな純粋な闇の存在にも……何にだって心が芽生えるんだ」
俺はいつの間にか落ち着きを取り戻しており、何時もよりも爽やかな笑顔で叫んだ。セイはその言葉に心を打たれ、自身の中にある光の心の存在を、今まで自分が否定し続けた物を、今初めて認めた
「そうだな。何にだって、心は芽生える可能性はある。闇だけの俺にも、光は必ず…………出来るっ!」
「セイ!」
俺と同じ顔のセイが、笑った。何時もの狂気的な笑顔ではなく、明るく純粋な笑顔だった。自分の中の心の光を初めて認めた時、セイは初めて心から笑えた
「レイ。ありがとう!この言葉を最初に俺に言わせたのは……………、お前だっ!」
セイが涙を流しながら、何時もの狂気的な声ではなく、とても優しい口調で言った。俺はセイに対して、とても大きな笑顔を見せた。そして改めてキーブレードを構え、
「じゃあ、χブレードを破壊しよっか…………。」
「あぁ。」
セイがχブレードを手放し、χブレードがステンドグラスのような足場に音を立てて落ちた。それをしっかりと見た俺はレイムチェーンに光の力を集め始め、その光はやがて七色に輝きを放ち始めた。そして光の巨大な剣の姿に変化し、身体が銀色に光を放ち始めた。
「行くぞっ!!!」
そう強く叫んだ俺は高く飛び上がり、セイが見守る中で、光の巨大な剣を凄まじい力で降り下ろした
「インフィニティ・RD・チャージ!!!」
その叫びと共に光の巨大な剣がχブレードを砕き、跡形もなくχブレードは消滅した。その後、空中で回転しながらゆっくりと着地した。俺は笑顔でセイを見る。セイは笑顔で頷き、
「ありがとうレイ。お陰でまだ可能性のある世界を壊さないですんだ。お前は世界を救ったんだ!」
セイが世界の可能性に
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