「グワァー。」
暇そうに昼寝しているのはドナルドだった。このディズニーキャッスルの庭で気持ち良さそうに寝ている。
しかしその時突然白いゲートが開き、ドナルドを叩き起こすかのようにそこから出てきた何かが彼の頭に何かがぶつかった。
「っつ!」
「グワァァァ!!」
突然ぶつかってきたのは俺だった。リアスの開いた回廊が運悪く庭に開いてしまい、真っ先に飛び出した為にドナルドとぶつかった物と思われる。
「もう何すんだよ!」
ドナルドは振り向き、怒った声で言うが俺の顔を見て、驚いた。
「レイ!無事だったんだ!」
「まぁな。」
雰囲気が変わっている事に気付き、少し同様するドナルドだが右手を引っ張り、走った。
「ちょっと来て!」
そのままドナルドに引っ張られ、ディズニーキャッスル城内に入っていく。その後をリアスがやれやれというような顔をして追いかける。
ここはディズニーキャッスルの会議室。ここでは現在起きている事態についての会議が行われており、ミッキー、ソラ、フィオ、ダーク、クロナが出席している。
「そしてアンチネス達の事については………」
ミッキーが何か言おうとしたとき、扉が荒々しく開かれ、ドナルド共々会議室に入った。
「「「「「レイ(君)!?」」」」」
「う、うん……」
一同は俺が入ってきた事に驚く。みんなの変わらぬ表情を見て少し安心し、会議に参加する事にした。
「なるほど………。」
これまで会議で出された話題を理解し、自分の頭の中を整理していた。
「つまり、なんにもわかってないんだ………。」
「あぁ。何せ、アンチネスの正体や機関の目的、そして、新たな驚異が来るかどうか、だな。」
自称相棒ことダークの言う通り、まだわからない事が多く、俺達はスタートラインから一歩も進んでいないランナーのようだった
「それにしても、世界で一番強い闇であるセイを倒したのにアンチネスがまだ世界中に存在しているのって、何だか謎だよね……」
俺の大切な人であるクロナ曰く、世界で最も強い闇に付き従うアンチネスがセイがいなくなった今でも健在する事があまりにも不自然だった。確かにと思い黙って頷く
「しかも、機関の目的はキングダムハーツらしいけど、セイを通してカイリを誘拐して、俺を利用しようとした。でもそれは失敗に終わった。」
普段からは想像も出来ないほど冷静な声でキーブレードの勇者ことソラが言った。以前ナタ姉が言っていた通り機関はキーブレードを利用してキングダムハーツを完成させようとしていた。そしてそれに加担していたセイがカイリを誘拐したが、そのまま逆に裏切っていた
「それに聞いたところによると、機関よりももっと上の存在がいるらしい。そいつが機関を突き動かしているとか………」
みんなの会話を聞いても、謎は深まるばかり。世界で一番強い闇であるセイが消えてもアンチネスはまだ世界中に存在していたり、ХV機関の行動の全てが謎だったり、これからいつ何が起きてもおかしくはない。
「あ、あのさ。」
俺はみんなの会話の中に割り込み言った。
「俺ってあのあと、どうしたんだ?」
その言葉を言い切ると、座っていたクロナが立ち上がって俺の所まで歩いて来た。その表情は何処か不安を含んでいた
「レイ君はあのあと、カイリさんと王様に助けられた。だけど……」
「だけど?」
クロナが少し俯き、言った。
「その後アンチネスが数匹現れて、王様達を襲った。でも王様達にはまともな戦力は残ってない。だから仕方なく、手放すしか無かった。そしてアンチネス達がレイ君を変な黒い穴に放り込んで、レイ君は行方不明になって……。」
「それで俺は闇の世界に………。」
クロナの話を聞いて、少し目を閉じる。すぐに開き言った
「どうでもいいけど、何か変化は?」
その台詞に全員が驚愕し、質問にはこのディズニーキャッスルの王様ことミッキーが答える。
「最近、何か怪しい集団が出没してるって噂なんだ。」
「怪しい集団?」
その言葉を呟くと、クロナがレイに教える。
「DED。ファイブ・ブレード伝説に出てきた暗黒竜【ダークエンドドラゴン】を神と信じる宗教団体だよ。」
更にクロナが話を続ける。
「なんでも、その組織は、ダークエンドドラゴンに捧げる命を求めて、日夜人々をアンチネスに変えているの。」
DEDは様々な人々から心を奪い、アンチネスに変えてからその心をダークエンドドラゴンに捧げて、ダークエンドドラゴンの復活を目論んでいる。しかし、今だかつて謎が多すぎる組織であり、アンチネスともっとも関連性がありそうな存在である。
「じゃあ、詳しい事がわかったら、連絡するよ。」
ミッキーの言葉にみんなが頷く。みんなが部屋を出ていく中、何時になく真剣な表情のクロナはレイに呼び止めら
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