「お願いします!パワークラフト!」
ブライトを囲むようにアニーはオレンジ色の陣を描く。
これによりブライトの銃弾の威力が上がると、地面に当たっただけで床のレンガを砕くようになった。
当たれば一撃で致命傷になりかねない。
それでもジルバは構わず走り続ける。
「確かにヤバそうだね。だがそれは当たればの話さ!」
「旋空閃!」
ルルは如意棒を回転させながらジルバに接近する。
目の前で振り回しているため防御にも使えるこの技だがジルバは鞭を伸ばすと如意棒に絡ませ引っ張ることで回転を止める。
「ふん!」
そこで更に力一杯引っ張ることでルルの手から如意棒を奪う。
「ぁあっ!」
ルルは如意棒を目で追うがその間にも距離を詰めるジルバがルルの目の前で右足のヒールをカツンと地面に踏み込み、身体を回転させ左足でルルの腹部を蹴り飛ばす。
ヒールが腹部に突き刺さり、ルルはその場にうずくまる。
だが同時にルルに攻撃をくりだしたことで足が止まったジルバにブライトから銃弾の嵐が襲い掛かる。
「使わせてもらおうか」
銃弾の嵐をジルバはルルから奪った如意棒を振り回すことで全てガードする。
「か、返して……!!」
アイテム袋からピーチグミを取り出し食べながらルルは立ち上がる。
「ふんっ、こんなもの邪魔でしかないよ」
ジルバはルルへ如意棒を放り投げる。
{ブライト!!」
ユージーンがブライトの名を叫ぶ。
ジルバの仕草に集中していたブライトだったがまさかと思い頭上を見上げると光の粒子が今正に降り注ごうとしていた。
「何時の間に!?」
先程ブライトの銃弾を如意棒でガードした時に照準を設定していたのかと推測しながらもブライトはとにかく範囲外に飛ぼうとする。
だが、光の光線は容赦なくブライトへ降り注ぐ。
そのはずだった。
「バーンストライク!」
ヒルダと共にユリスを担当していたマオがトンファーを掲げると炎の球が光の粒子の更に上空から降り注ぐ。
炎球は粒子と衝突すると誘爆を起こし、シャイニングレイを回避するためにヘッドダイビングしていたブライトは上空からの爆風に煽られ地面を何回か転がった後膝を着き停止する。
「マオ!てめぇはユリスに集中しろ!無駄遣いしてんじゃねぇ!」
「え〜?あのままだったらブライトまずかったと思うんですケド……」
ブライトに怒鳴られたマオは唇を突き出し拗ねた。
が、すぐさま次の詠唱に入る。
「ちっ」
仕損じた事にジルバは舌打ちをうつ。
その隙にルルが返してもらった如意棒で突く。
ジルバは身を捻ることで回避し、接近してくるカインとユージーンを月閃光により牽制する。
そして踵を返すとブライトの銃弾の嵐が到達する前に走り始める。
* * *
濁流に飲み込まれたユリスをジークとティトレイが追撃する。
「絶・霧氷装!」
ヴェイグは大剣にフォルスを込めると、錬術により通常攻撃を含むすべての攻撃において氷の属性を付加させる。
真横でそれを見たジンが問いかける。
「ねぇヴェイグ。ユリスってフォルス能力とかってあんのかな?」
「いや、考えたことが無かったな……。恐らく無能力か、もしくは月のフォルスのどっちかなんじゃないか?」
1年前、ユリスがまだ不完全だった頃、ジルバと同じように多種多様な導術を繰り出してきた。
そのことからもしユリスにもフォルスという概念があるのなら『月』のフォルスの可能性が高い。
「そっか。じゃあやっぱ弱点とか期待できそうにないね」
ジンは苦笑いを浮かべてからジーク達を追う。
「あぁ」
ヴェイグも頷いてから走り出す。
「飛燕連脚!」
ジークが跳躍しながらユリスの顔面を蹴り飛ばすとメキッという音がする。
更に、二回、三回と蹴った後着地するとユリスはよろけたものの体勢は崩さずジークに向かって拳を振り上げる。
その前にティトレイがユリスの脇腹に拳をめり込ませる。
「このッ!」
ユリスは虫を払うようにティトレイへ向かって腕を振り回す。
ティトレイは腕でガードするがミシミシミシッと腕の骨が嫌な音を立てる。
(防御にならねぇ!!)
ティトレイが顔を歪ませている間に反対側からジンの蒼破刃がユリスの背中に命中する。
ユリスは振り返りがてらジークを吹き飛ばすために腕を振り回すが、既にジークはバックステップで距離をとった後だった。
とにかくユリスはジンへ突進する。
が、ユリスの眼前に突然岩壁が隆起すると勢いを殺すこともできずユリスは岩壁に衝突する。
「ストーンブレイク!」
ヒルダが腕をクロスさせている。
ユリスが衝突した岩壁を始めとして円を描くように岩が隆起し、最後に円の中央からユリスを下から突き上げながら岩が突起する。
ユリスの体が宙を舞う。
ストーンブレイクにより隆起
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