みんなもここまで散々言ってるけどさ……また記録書いてんの?
面倒臭いな〜。
えっと、一応ジン・フリィースです。
兄さん……流石にあの駄洒落はないよ……。
それとフィオナの記録に兄さんの名前出過ぎっていうか、これで本人は隠してるつもりでいるのかな?
まさか本人も自分の気持ちに気付いてないってことはないよね?
でもこのパーティは天然が多いからな〜……。
そんな訳で、今回はフィオナの動向を追ったものを記録としてまとめようと思う。
そっちのほうが面白そうだしね。
まずフィオナは操縦室に向かった。
確かそこには漆黒の翼のメンバーしかいないはずだけど……。
どうやらギンナルに相談があるらしい。
でも何でギンナル?兄さんに相談すれば良いのに、やっぱりそこは天然ってことか。
で?その相談内容は……は?好きの種類?
フィオナの記録にも書いてあるけど、兄さん本当に告白したの!?
でも兄さんもアレはアレで天然なところがあるからどっちなのか分っかんないな〜。
フィオナが悩む気持ちも分かるよ……。
まっ、でもギンナルの言うとおり本人に直接聞いたほうが早いし確実かもね。
たまには良いこと言うじゃん。
じゃあまずは兄さんを探さないとね。
さっき船室に向かうところを見たけどまだ居るかな?
フィオナも同じ考えだったみたいで船室に行ったんだけど、居たのはカイン君だけだった。
カイン君が言うには兄さんはキッチンへ向かったらしい。
なるほどお菓子作りに行ったのか。
それにしてもカイン君のあの不気味な顔は何だったんだ?
キッチンへ行ってみるとルルとニノンとマオがツマミ食いをしていた。
あの2人も仲良いな〜。
でも兄さんはいなかった。
さてはカイン君嘘ついたな……。
怒り心頭のフィオナは置いといて、でもそれじゃあどこ行ったんだろ?
フィオナが怒ってるとルルがカインに甲板へ行ってくるって言ってたことを教えてくれた。
カイン君が行き先も知ってたことを知ったフィオナ顔がすごいことになってた。
フィオナ怖いよ……。
甲板か〜、相変わらず兄さんはそういう所好きだよな〜。
ていうか素直に甲板へ向かえば良いのにフィオナはナイラを呼び出して怪しいやりとりをしていた。
何やってんだろ?
甲板に出ると案の定兄さんはそこにいた。
だけどフィオナが話しかけようとした瞬間にピピスタ港へ到着してしまった。
あ〜ぁ、結局聞けず終いか。
ピピスタ港に到着した俺達だけだったけどどうやら海賊がここら辺の海域をうろついているらしく漆黒の翼は帰れなくなってしまった。
しばらくピピスタにいるみたいだけど……何ていうか、ご愁傷様。
ピピスタに帰ってくるなりすぐに骨董屋へ行くと既に機体は完成していると言われた。
早速俺達は職人に案内されるまま街の裏へ行くと銀色の機体がそこにはあった。
あとはエンジンを軽くして積めば完成するらしくて、ニノンがエンジンにフォルスをかけると風船みたいに浮かび上がった。
あれだけで一日浮き続けるっていうんだから凄いよな。
職人とカイトが最後の仕上げに入ってる間に俺達はピピスタで一泊することになった。
明日に完成っての凄いと思うよ。
夜、フィオナじゃなくて意外にも兄さんが動いた。
フィオナにレモンパイの差し入れを職人達に持っていくよう頼んでいた。
でもその後に塔へ来るよう約束もしていた。
これはまさか!
尾行しようと思った俺だったが夜の街の外は危険だからとアニーに止められてしまった。
何だよも〜!
ていうか結局アニーとカイン君は行くんだろ?不公平だ。
そして普通ならレモンパイは2つで足りるのにフィオナに3つ持たせたのが謎だ。
あれからしばらく経って兄さん達は帰って来たんだけど、何故か兄さんから母さんの香りがした。
何でだ?ていうか何があったんだろ?
翌日、再び街の裏に集まると機体は完全に完成した。
しかもカイト曰く名前もあるらしい。
えっと何だっけな?
セレスティアルレムナント?
略してレムナントって呼ぶらしいけど……ダッサ!!
でも兄さんは大層気に入ったらしい。
まぁ兄さんが気に入ったならいっか!
こうして俺達は空を飛ぶための手段を手に入れた。
後はアイテムとかを準備するだけなんだけど、ピピスタでアニカマルが荒れているという噂を聞いた。
すぐに直行したい俺達だったけど、職人をまず故郷に返す約束もしていた。
そこで兄さんが未だに街にいた漆黒の翼に職人を故郷へ送っていくようとりつけてきた。
あの人達便利だな〜。
海賊も離れたらしいし、すぐに漆黒の翼もすぐに出発できそうだね。
そういうことで俺達はアニカマルへ向かう。
レムナントの名前は兎も角乗り心地はまぁまぁかな。
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