ユージーンが途中で投げ出すなんて珍しいな……。
まぁあの時はミルハウストのことで精一杯だったからな、無理もないか。
ここまで何回か名前が出てきたジーク・フリィースだ。
記録を書く前に、いくつか謝らないとな。
まずはマオ。
バルカ港まで一緒に歩いている時、そんなことを思っていたんだな。
俺はむしろ黙って歩くのが普通だったから気付かなかった。
これからはなるべく話すようにする(話のネタ、考えないとな……)
次にフィオナ。
最初は途切れ途切れにしか聞こえなかったから何言ってんのかよく聞き取れなかった。
まっ、さすがにお化けとは思わなかったけどな……。
そうだな、奢るのは無理だから今度何か作ってやるよ。
そして最後にこれは皆になんだが、説明不足で本当にすまなかった。
これから少しずつ人見知りの性格を治していくからもう少し我慢してくれ……。
(簡単に治れば苦労しないがな)
で?ミルハウストの容態がって、ところからだな。
アニーが言うにはあまりのんびりしていると命に係わるらしい。
だがそこへ、漆黒の船が表れた。
日も大分暮れていたから夜の海と混ざって分かり難かったが、バカっぽい声も聞こえたからすぐに分かった。
そのバカ3人は船から飛び降りると自分達を漆黒の翼と呼んだ。
開国でもしに来たのか?
漆黒の翼もまたヴェイグ達と知り合いらしい。
彼等はバルカに用事があったためバルカ港に入ろうとしたが封鎖されて入れなかった。
だからバビログラード港へ一旦寄ったらしい。
どちらにしろマオに用事があるしかったから、結果オーライみたいだけどな。
だがこれは俺達にとってもチャンスだった。
どうやら漆黒の翼が乗ってきた船は彼等の所有物らしく好きに動けるらしい。
そこで俺達は事情を説明し、漆黒の翼が拠点としているノルゼンへと乗せていってもらうことにした。
そして船の中で俺とルルはブライトからそれぞれグローブと如意棒を受け取った。
俺達が普段ブライトの授業とかで使ってる武器がこれなんだが、フォルスが変わってからというもの、拳で戦うのが怖くなったんだ。
俺はまだ自分のフォルスの制御ができていない。
いつ発動するのかも分からないフォルスで戦うのは仲間にも危険を及ぼしてしまう。
その証拠に登山道で休憩した時、皿を割ってしまったのもフォルスが無意識に発動したからだ。
まぁ確かに、姉さんのことを考えてボーっとしてたけどよ……。
だから俺は遠距離からフォルスを使わずに攻撃できるブライトの銃を勝手に持ってきたが、それも取り上げられちまった。
でも確かにこれからはフィオナを守らなきゃならねぇし、このフォルスを使いこなせるようにならないとこれからの戦いはきついかもな……。
ちなみにフィオナのフォルスの声は今のところ俺にしか届いていないらしい。
まぁ、あいつもたまに無意識のうちにフォルスを使ってるから心の声とかが聞こえる時もある。
こっちとしてはいい迷惑だ……。
そういや、何でルルは如意棒じゃなくて羽根ペンで戦っていたのか聞いてみると、急いで出たから武器を忘れたらしく、乗ってきた船にあった羽根ペンを貰ってきたらしい。
あいつはおっちょこちょいな所があるから、まだまだ目が離せないな。
ノルゼンは雪の降る極寒の地だった。
そう、冷え性の俺にとっては最も苦手な気候だ。
だから俺は火のフォルスが使えるマオのそばにいたんだが全然寒さは和らがない。
(使えねーな、まったく……)
アニーとユージーン、そしてヒルダはミルハウストの治療のため宿屋へ向かうと、邪魔者にしかならない俺達は漆黒の翼のテントで暖をとることにした。
なぜかティトレイと意気投合していたジンはルル、ブライト、フィオナと共に雪合戦をすると言っていた。
こんな寒い中ご苦労様だな。
俺とヴェイグは……俺達にしてはいろいろな話をしていたんだが、外から慌しい声が聞こえてきた。
どうやらスールズ方面で大きな火事があったらしい。
ミルハウストの治療も調度終わった俺達は漆黒の翼と共に急いでスールズへ向かうと、そこには変わり果てた村の姿があった。
火事とは言え、柱の一つ一つに風で捻られた後があった。
多分サレの仕業だろう。しかもまだそう遠くには行ってない。
俺は注意していたが、ヴェイグは一目散に自分家へ走って行った。
だが、クレアさんは最後にごめんねとだけ言い残して……。
どうせ、サレはまだ近くにいるんだ。俺は即座に探しに行ったが、フィオナも付いて来た。
そして案の定サレを発見したが、一緒にフィオナの父親であるギュナルスも居た。
どうやらカイン達は今バビログラードから船に乗ってバルカ港へ向かっているらしく、サレ達は陽動だったらしい。
ふざけやがって!
関係の無い人たちを手をかけたことによっ
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