「本当にすまん!!」
緑のモブ子は両手を胸の前で合わせる。
ジークは首を振り意識をハッキリさせると再び緑のモブ子を見る。
「もういいって。んなことより、ミリーの姉さんってお前だったんだな」
ジークは釜に薪をくべるミリーの小さな背中を見る。
ツインテールだが緑の髪に大雑把な口調、確かに似ている箇所はいくつかある。
「驚いたのはお互い様だっつの。確かにいつか来いとは言ったけどまさか漂流してくるなんて思わねぇよ」
「確かにな……」
「つうか、」
緑のモブ子はジークの胸ぐらを掴むとグイッと引き寄せ顔を近付ける。
「ミリーに変なことしてねぇだろうな?」
「するわけねぇだろ!」
先程まで謝罪してたあの殊勝な態度はどこへいってしまったのだろうかとジークは落胆する。
(今度漂流者を拾ったら優しくしてやろう……)
新たな決意とルーベルトに強く謝罪するジークだった。
「お姉ちゃん釜の準備できたよー」
「はいよ」
モブ子はジークの胸ぐらを突き放すと立ち上がった。
「すぐに何か作ってやるから待ってな」
「あ、あぁ……」
ミリーからもらった水を飲んで多少マシになったもののジークの腹の限界はすぐそこまで来ていた。
そこで空腹を紛らすためにミリーと遊ぶことにする。
それから数分後、意識が再び朦朧とし始めミリーに全然勝てなくなった頃、木製のテーブルに料理が運ばれた。
「ほらさっさと食いな」
ジークはガタガタの椅子に座りテーブルを見るとピラフが置かれていた。
それをジークは一口頬張る。
「どうだ?」
「……まぁまぁだな」
ジークは感想を述べた後もう一口、二口と口に運んでいるとミリーが背伸びをしてテーブルの下から顔を出した。
「兄ちゃん、素直に不味いって言って良いんだよ?」
「ぁあ?美味いに決まってんだろ。なぁ?」
ジークの対面に座り片眉を吊り上げ問い詰めてくるモブ子。
ジークは目を閉じ、1つの結論をだす。
「正直なところを言わせてもらえば、クソ不味い」
「んだとコラァ!!」
モブ子はテーブルを叩きながら立ち上がる。
「や〜い!飯マズ〜♪」
「お前もいい加減にしろミリー!!」
激怒するモブ子だがため息をつくと雑に椅子に座った。
「チッ!分かってんだよあたしの飯が不味いことくらい。そもそもこんな土地じゃまともな食材が手に入らねぇんだ、まともなもんが作れる訳ねぇじゃん」
家の内装を落ち着いてよく見てみれば中の壁にもヒビが入っており床の板も至るところがはげていた。
確かにこんな所では最低限の生活をするだけで精一杯かもしれない。
だからジーク達がクインシェルからの帰りの船でモブ子に出会ったように出稼ぎに行くしかないのかもしれない。
しかし、
(一年前まではそうじゃなかったんだよな……一体何が……?)
ジークが疑問を抱いていた時だった。
「お姉ちゃん、人のせいにしちゃいけないんだよ?」
「ミリー……」
モブ子はミリーの頭を鷲掴みにすると力を込めミシミシと音を立てる。
「イタタタタ!!お姉ちゃん痛い!!」
「お前まだ怒ってんのか?いい加減にしねぇとあたしも怒るぞ?」
「ま、まだ謝ってもらってないもん!お姉ちゃんが謝るまで絶対に許すもんか!」
「帰ってきた時散々謝ったろうが!まだ足りないってのか?」
「こ、心が……込もってない……!!」
ミリーは痛みに耐えながらモブ子を睨む。
「コイツ……最初から許す気ねぇな?」
そんな光景を見ながジークはピラフを完食した。
(そういや喧嘩の仲裁をする約束したっけな)
満腹になり余裕のできた頭で状況を整理してみる。
(ミリーは1週間で帰ってくるって言ってた姉さんが5日たってようやく帰ってきたことに腹を立ててる。で、コイツが帰らなかった理由って……)
ジークは緑のモブ子を見てビビスタの出来事を思い出した。
(俺達のせいじゃねぇか……)
確かにバルカ港にて漆黒の翼の船に密航したモブ子が悪いかもしれない。
しかし、もし密航したことに気付いていればラジルダ跡に着いた後ベルサスへ送り届けることができたかもしれない。
その場合、レムナントは完成することはなかっただろうが、それでも巻き込む事にはならなかったはずだ。
ジークはモブ子の腕を掴みミリーの頭から手を引き剥がし、頭を下げた。
「すまん、ミリーの姉さんが帰れなかったのは俺達のせいなんだ」
「はぁ!?」
モブ子はジークに捕まれた右腕を左手で触りながら目を見開くがミリーはキョトンとしていた。
「どゆこと?」
ジークはモブ子と出会った経緯から詳細に話した。
船を直してもらったこと。
バイラスの襲撃により定期便が欠航になったこと。
空を飛ぶための機械を造ってもらったこと等々。
「なぁ〜んだ、結
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