気を抜いていたからとは言え、自陣の中央に一瞬にして侵入を許してしまった。
ヴェイグとユージーンは瞬時に振り返り、大剣を槍を突き出した。
それをブライトは跳躍することで回避し、それを読んでいたヴェイグはブライトを追うように跳躍した。
「絶翔斬!」
大剣を下段から上へ振り上げながら跳躍するヴェイグだったが、ブライトは既に遥か上空へと跳躍しており、そのまま最初の位置へと着地するのをヴェイグも着地しながら見送った。
「重力のフォルスか……」
「厄介だな」
あれ程までの跳躍距離は彼の周囲だけ無重力状態にしたことによるものだろうと推測したヴェイグは再びユージーンと共に武器を構えた。
更に、ここで瞬時に追い討ちをかけないのは既に手は打ってあるからこそであった。
「最初に飛び込んで来るのはてめぇだろうな」
ブライトは腰を落とし、ファイティングポーズをとると腕に力を込める。
「うおおおおおお!!」
「ティトレイ!!」
ティトレイは足を踏ん張り渾身の拳を突き出すと、ブライトの拳と激突した。
ぶつかりあった拳圧により周囲に突風が吹き、衝撃に耐えかねたブライトの腕が痺れを感じた。
ブライトは顔をしかめてバックステップをするが、体が思うように動かず大した距離を稼ぐことができなかった。
そこをティトレイの飛び蹴りが襲うがブライトは彼の足をしっかりと掴むと放り投げた。
どうも違和感の正体は背中にあるらしく、目視で確認してみると背中から腰にかけて凍っていた。
これでは背中を曲げることができず、思うように跳ねることができないのも当然である。
「あの時か……」
ブライトは自分を追って跳躍してきたヴェイグを思い出していた。
あの時確かに斬撃はかわしたが、その斬撃により飛翔したフォルスまではかわせていなかった。
ブライトは正面を見据えると槍を構えたユージーンが接近してきていた。
だが彼にとってのその距離は既に射程範囲内であり、危機を察知したブライトはすぐさま体を捻らせ、ユージーンの突きを回避した。
本来ならばバックステップで距離を取り、瞬時に反撃をしかけたかったが背中の氷は暫く溶けないことが明白なため、それは諦めた。
それでもブライトは背中ががら空きのユージーンに肘で攻撃をし、ユージーンを怯ませるが、それでも肘に衝撃が返ってきた。
(どんだけ硬ぇんだよコイツ……!!)
鋼のフォルスにより鎧が硬化されており、ブライトは痺れる両手を一回振り横凪に振りかぶるユージーンの槍を両手で掴んだ。
そんな状況を、ジーク、ジン、ルル、フィオナ、カインの5人はただ見ているだけだったが、ジークがおもむろに怒鳴った。
「おい先生!!本当に誰か死んだらシャレにならねーだろうが!!」
勿論その誰かのうちにブライトも含まれている。
「うるせぇ!!てめぇらは黙って見てろ!!」
ブライトは槍を払い懐に両手で掌底を打ち込むとユージーンは後ずさり、しかしそこへヴェイグの一太刀がブライトの背中に浴びせられる。
背中に氷の盾があっため、直接ダメージには至っていないが、それでも激痛がブライトの体に走る。
「大丈夫だよ、ジーク君。もし最悪の場合になっても、ちゃんと僕が再生するから!」
『おかげで背中が軽くなったぜ』とブライトが威勢を張る中、カインは微笑みかけた。
「んなこと言ったってお前……」
「それより、これが教育ってどういうことなのよ?」
ジークとカインが話しているところへフィオナに割り込まれ、カインはフィオナを睨んだ。
「あいつは生徒相手に銃は使わない。何でも、拳じゃないと分からないこともあるんだとよ」
「ふぅ〜ん。……カイン、いい加減睨むのやめてくれない?」
(もし、今の俺がブライトの代わりにあそこに立ってたらどれ位通用するんだろうな…?)
ジークは歯痒そうに拳を握り、背中の氷を払うブライトを見た。
「ハハッ、良い感じになってきたじゃねぇの」
「何?」
ブライトの言葉にユージーンとヴェイグの2人は攻撃の手を止め、そこへブライトは地面を強打した。
すると、地面に亀裂が入り足場が崩れたユージーンとヴェイグはその地割れに挟まってしまった。
ブライト「最初からそうやって本気だせよ、出し惜しみしてんじゃねぇ。良いか?ヒトってのは一度手を抜くとそれが癖になっちまうんだ。お前等はまだ、そんな癖を付ける時期でも場合でもねぇだろ?」
ブライトはそれが言いたかったらしく、言い終わるとヴェイグとユージーンを地割れの隙間から引きずりだした。
「確かに、出し惜しみしてる場合ではなかったな」
ヴェイグはユージーンに言うと、彼も深く頷いた。
「それじゃ!ここからはボクも本気でいくヨ!!」
じゃ〜ん!と言いたげにマオはトンファーを掲
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