マティアスの薙刀と祭のハッピを着た男の二本のバチが拮抗する。
お祭り男の体格とマティアスの体格を比較すればマティアスの方が圧倒的に小柄であり、一見マティアスに不利のように見えた。
しかしそんな体格差などもろともせずギリギリと薙刀とバチが火花を散らしていた。
「あんま火花とか散らさない方が身のためだぜ!!」
瞬間、マティアスの眼前を飛び散っていた無数の火花が大きく爆発し、大量の爆弾と化した。
二人は爆炎に包まれ、ジーク達は爆風から身を守るのに精一杯だった。
そして爆煙の中から放り出されるように宙を舞う姿があった。
それは紫色をした長髪のマティアスの姿だった。
しかしマティアスは空中で大勢を立て直すように回転するとまるで青空を地面のように蹴り、龍のオーラを纏いながら弾道ミサイルのように爆煙の中へと突っ込んだ。
「うぉおおおおおお!!!!」
対してお祭り男は一回バチで床を叩く。
すると、もともと筋肉質だった体が更に膨らむ。
そして二本のバチで龍の顎を受け止めた。
床はギシギシと不穏の音を立て、貫くことができなかったマティアスは口を歪ませた。
「さっきの攻撃といい今の攻撃といい、あんた『龍』のフォルスだろ?」
「・・・・・・なぜ、海賊風情が龍のフォルスの存在を知っているのかしら?」
相変わらず拮抗状態のまま会話が続く。
しかし、徐々にお祭り男が押し始めた。
「前に知り合いから聞いたからさ!!」
男は右足を一歩力強く踏み出すと足は床にめり込み、渾身の力でバチを振り抜いた。
するとマティアスは弾かれ、5mほど後方で着地した。
「マティアスが二度も吹き飛ばされるとは・・・・・・」
ヴェイグは驚愕しながらお祭り男を見るが彼はまだ汗一つかいていなかった。
「秋の人が苦戦したっていうから気になってたんだけど、確かに大したもんだよ。俺に『一本締め』を使わせたんだからさ!」
「秋の人?」
男はバチで肩をトントン叩きながら答える。
「あれ?もしかして知らない?レラーブっていうんだけど」
レラーブという言葉を聞いてマティアスの髪が一瞬で逆立った。
「ふ、ふぅ〜ん・・・・・・。貴方、確かあいつは王子の近衛よね?何故そんなヤツが海賊と知り合いなのかしら?」
マティアスは努めて冷静を装うとしているようだが、こめかみから血管が浮き出ていた。
「そりゃ、秋の人と俺のフォルスが似てるからさ!結構話が合うんだぜ?つうか、あんたも軍人さんなんだろ?何て名前だったっけなぁ〜・・・・・・」
男は記憶を引っ張り出そうと無意識なのか掌でバチをくるくる回し始めた。
「確か王様の手となるような存在とか言ってたから・・・・・・孫の手?いや熊の手だっけか?」
「・・・・・・は?」
マティアスの怒りのボルテージが上がっていく。
そして完璧に思い出したのか男は掌をポンと叩いた。
「そうだ!『猫の手』だ!!」
「憤龍
amp;#25802;!!!!」
マティアスは龍のオーラを纏いながら瞬時に男の懐へと入った。
マティアスが通った後には跡が残っておらず床に使われている木材がめくれあがっていた。
ルルの渾身の一撃を受けても、マオの導術を何回受けてもヒビしか入らなかった床がまるで粘土のように破壊されていた。
そしてそのまま怒れる龍の鉤爪(かぎづめ)が、マティアスが薙刀を振り下ろす動作と呼応してお祭り男を切り裂く。
「おぉっと!」
しかし男はバク転することで難を逃れる。
が、攻撃はまだ続いていた。
先程かわしたのは右手だったが今度は左手が頭上から迫ってくる。
もう一度バク転してよけようにも今立っているのは船首の縁。
つまり後ろは大海原である。
お祭り男は舌打ちしてから前回り受身をするように龍の脇へと転がりこんだ。
ついさっきまで男が立っていた場所からバキバキバキと嫌な音が木霊した。
しかし男も安心していられない。
なぜなら、男が転がりこんだのはマティアスの懐なのだから。
「私達は、便利グッズなんかじゃない!!!」
薙刀を下段から上段に振り上げる。
男は咄嗟にバチをクロスさせることで直撃は免れたが衝撃で天高く舞い上がった。
「ぐっ・・・・・・」
男は空中で大勢を立て直すと身近にあったマストを支える丸太の上に着地した。
よく海賊たちがクライマックスになると一騎打ちをする場所である。
「はっはぁ!やっぱあんた強いね!でも、これならどうだ!?」
男はバチで足元の丸太を叩き始めた。
しかし何かリズムのようなものを感じる。
そして最後に両方のバチを同時に叩くと上空より無数の火炎の塊が出現した。
「バーンストライクッ!!」
無数の火炎球がマティアスを目掛けて降り注ぐ。
「くだらないわね」
マティアスは片手を空に上げるとそこから龍の腕が生
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